人気のある料理研究家沢口喜久江50歳と、その10歳年下の夫で売れないイラストレーターの沢口太郎、パーティーのケータリングサービスを手伝っていて見出されて沢口喜久江の助手になった和泉桃子35歳の間で、太郎と桃子が不倫の関係になり、沢口喜久江が見て見ぬフリをして平静を装うという様子を、桃子視点の「 lover 」、喜久江視点の「 wife 」、太郎視点の「 husband 」の順で展開する小説。
ジコチュウである上、自分は鈍感ではない、わかっていると錯覚しているとてつもなく鈍感な人物の語りを楽しめるかが、作品の評価、読後感を大きく左右する読み物だろうと思います。率直に言って、私にはハードルが高いものでした。
山田詠美 新潮社 2021年2月25日発行
「小説新潮」連載
ジコチュウである上、自分は鈍感ではない、わかっていると錯覚しているとてつもなく鈍感な人物の語りを楽しめるかが、作品の評価、読後感を大きく左右する読み物だろうと思います。率直に言って、私にはハードルが高いものでした。
山田詠美 新潮社 2021年2月25日発行
「小説新潮」連載