学生のときに交通事故で意識不明の重体となり記憶喪失になった著者が、見聞きし考えたこと、日々の経験等を書いた文章と、母親のコメントを編集した本。
事故直後から順に時期を区切って6章に分けていますが、それぞれの文章がいつ書かれたものか、当時の著者の状況等の具体的な説明はなく、この本の成り立ちの説明もないので、想像で補って感覚的に読むことになります。
記憶喪失という言葉から想像していたのと違うところも多く、著者の場合、ドラマのように過去の記憶が戻ることもなくて、記憶喪失後数年を経て記憶喪失後に得たものが多くなった後「今いちばん怖いのは、事故の前の記憶が戻ること。そうなった瞬間に、今いる自分が失くなってしまうのが、ぼくにはいちばん怖い」(248ページ)としているのに驚きました。人生はそれぞれで、他人が簡単に推し量り決めつけることはできないのだと再認識しました。
坪倉優介 朝日文庫 2019年8月30日発行(幻冬舎文庫で2003年6月発行)
事故直後から順に時期を区切って6章に分けていますが、それぞれの文章がいつ書かれたものか、当時の著者の状況等の具体的な説明はなく、この本の成り立ちの説明もないので、想像で補って感覚的に読むことになります。
記憶喪失という言葉から想像していたのと違うところも多く、著者の場合、ドラマのように過去の記憶が戻ることもなくて、記憶喪失後数年を経て記憶喪失後に得たものが多くなった後「今いちばん怖いのは、事故の前の記憶が戻ること。そうなった瞬間に、今いる自分が失くなってしまうのが、ぼくにはいちばん怖い」(248ページ)としているのに驚きました。人生はそれぞれで、他人が簡単に推し量り決めつけることはできないのだと再認識しました。
坪倉優介 朝日文庫 2019年8月30日発行(幻冬舎文庫で2003年6月発行)