新宿のニューハーフクラブでダンスショーをしながら性別適合手術を受ける資金を貯めているがなかなか目標に達しそうもない心は女性のトランスジェンダー凪沙が、東広島に住む事情を知らない母和子から、和子の姪早織から虐待を受けている中1の娘一果を預けられ、その一果がバレエの才能があることがわかり、一果の踊る姿を見て感動した凪沙は一果にバレエを続けさせてやりたいと願うようになるが…という展開の小説。
性同一性障害をカミングアウトできず俯いて暮らしてきた子ども時代を持つ凪沙/武田健二と、幼い頃は優しかった母から虐待を受けるようになり心を閉ざしてきた一果が、不器用に心を通わせていくという様子が心を打つ作品です。
貧しい者には手が出ないバレエという世界に、貧しい凪沙や一果がチャレンジして行く設定には、快感と哀感が半ばします。他方で裕福な親の元で育ちながら自分の限界を感じているりんのそれでありながら一果にまっすぐな気持ちを向ける姿に、庶民の弁護士としては富裕層にはあまり共感しないのですが、それでも切ない思いを持ちました。
内田英治 文春文庫 2020年7月10日発行
性同一性障害をカミングアウトできず俯いて暮らしてきた子ども時代を持つ凪沙/武田健二と、幼い頃は優しかった母から虐待を受けるようになり心を閉ざしてきた一果が、不器用に心を通わせていくという様子が心を打つ作品です。
貧しい者には手が出ないバレエという世界に、貧しい凪沙や一果がチャレンジして行く設定には、快感と哀感が半ばします。他方で裕福な親の元で育ちながら自分の限界を感じているりんのそれでありながら一果にまっすぐな気持ちを向ける姿に、庶民の弁護士としては富裕層にはあまり共感しないのですが、それでも切ない思いを持ちました。
内田英治 文春文庫 2020年7月10日発行