伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

図解知らないと危険 !! 失明リスクのある病気の治療法 加齢黄斑変性、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症の真実

2023-12-30 22:24:15 | 実用書・ビジネス書
 目の病気に関して解説し、治療法のない病気はないという姿勢で「信頼できる」眼科医による治療を強く勧める本。
 目の病気、特に緑内障、白内障、網膜剥離には手術が最善で、「様子を見ましょう」とか「とりあえず薬で」というのは「医療ではあってはならないこと」、「治療法がない」というのは言語道断、日本の平均的な眼科医療は世界水準より20年も遅れていると思います(26ページ)というのが、著者の基本姿勢で、この本ではそれが繰り返し述べられています。そして、「眼科だけなら当院は日本最大規模です。よい治療ができるのは、常に世界最先端の設備と技術を保ち、眼科手術件数の多い病院」(68ページ)、他の病院で「やってはいけない治療が行われていることがある」として「なにも処置をされないまま当院を受診してもらった方がまだよいと感じます」(64ページ)など、基本は、著者の病院が一番だ、うちに来いという本です。強烈な自負ですが、専門家はそれくらいの自負がないとという側面もあります。著者の病院の口コミには、絶賛するものもちろんありますが、相当辛辣な感想もあります。口コミは主観的なもので、一方的なものも多いとは思いますが。
 セルフケアに関する第3章のうち118ページから139ページあたりは、商売っ気なく書いている感じなので、ここだけ読んでみるという選択もあります。目を水で洗ってはいけない(28ページ、144ページ)、眼球を急に動かす眼球体操も目に悪いし瞼の上からであれ眼球を押すことは避けるべき(130ページ、142ページ)とかも、そうじゃないかなと思っていましたが、眼科専門医から言われると納得しますし。


深作秀春 河出書房新社 2023年11月30日発行
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朝起きて、君に会えたら

2023-12-30 18:53:48 | 小説
 不登校で深夜徘徊を続ける高校生七崎すずが、深夜の公園で自分の指定席と考えていたブランコで泣いているきれいな顔の男柳瀬環と出会い、高1のときの同級生とわかり恋に落ちるが…という恋愛小説。
 特段の取り柄がない地味で内気な女子が、超イケメンの人気者の男に見初められ告白されるという、少女マンガの王道を行く設定に、難病ものを重ねた、しかし難病ものとしては深刻さが少なく、明るい気分で読めるという、マーケティング本お薦めのような作品です。
 子どもの頃や青春時代に恋愛小説が、告白までに何年、ファーストキスまでに何年という、耐えに耐え、忍びに忍んで思いを遂げるという作品が多数派だった世代には、時代の違いを感じさせますが、好きという言葉が多数回繰り返されることはそれはそれで気持ちを和らげたり高揚させる効果があって、なんだかいい気持ちになる作品でした。


映瑠 角川文庫 2023年11月25日発行
魔法のiランド大賞2022小説大賞恋愛文芸部門部門賞受賞作
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