伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

黄色い夜

2023-12-20 22:21:12 | 小説
 エチオピアと国境を巡って紛争中の「E国」に設けられたカジノの塔に、ルイと名乗る日本人ギャンブラーがギャンブルで国王に勝ってE国を乗っ取ることを目的に潜入し、イタリア人プログラマーのピアッサと組んで勝負するという展開の小説。
 裏表紙の紹介では「スリリングなギャンブル小説、ここに誕生!」とあります。ギャンブル小説と言われると私は「麻雀放浪記」とか「病葉流れて」とかを想起してしまうのですが、そういう情念を感じさせるところはなく、また「ギャンブル」というよりも「ゲーム」というかなぞなぞ的な「推理」が中心の作品に思えます。作者が「麻雀放浪記」を意識していることは確かで(35ページ参照)、しかし同じ道を歩む気はないよということなのでしょう。軽さの方に価値を見出した作品(解説者はそのように評価しています)なのでしょうけれども、そこは好みが分かれるところでしょう。


宮内悠介 集英社文庫 2023年11月25日発行(単行本は2020年7月)
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