エチオピアと国境を巡って紛争中の「E国」に設けられたカジノの塔に、ルイと名乗る日本人ギャンブラーがギャンブルで国王に勝ってE国を乗っ取ることを目的に潜入し、イタリア人プログラマーのピアッサと組んで勝負するという展開の小説。
裏表紙の紹介では「スリリングなギャンブル小説、ここに誕生!」とあります。ギャンブル小説と言われると私は「麻雀放浪記」とか「病葉流れて」とかを想起してしまうのですが、そういう情念を感じさせるところはなく、また「ギャンブル」というよりも「ゲーム」というかなぞなぞ的な「推理」が中心の作品に思えます。作者が「麻雀放浪記」を意識していることは確かで(35ページ参照)、しかし同じ道を歩む気はないよということなのでしょう。軽さの方に価値を見出した作品(解説者はそのように評価しています)なのでしょうけれども、そこは好みが分かれるところでしょう。
宮内悠介 集英社文庫 2023年11月25日発行(単行本は2020年7月)
裏表紙の紹介では「スリリングなギャンブル小説、ここに誕生!」とあります。ギャンブル小説と言われると私は「麻雀放浪記」とか「病葉流れて」とかを想起してしまうのですが、そういう情念を感じさせるところはなく、また「ギャンブル」というよりも「ゲーム」というかなぞなぞ的な「推理」が中心の作品に思えます。作者が「麻雀放浪記」を意識していることは確かで(35ページ参照)、しかし同じ道を歩む気はないよということなのでしょう。軽さの方に価値を見出した作品(解説者はそのように評価しています)なのでしょうけれども、そこは好みが分かれるところでしょう。
宮内悠介 集英社文庫 2023年11月25日発行(単行本は2020年7月)