伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

失敗しないとわかっていたら、どんなことをしてみたい?

2014-08-02 21:21:12 | 実用書・ビジネス書
 失敗をポジティブに捉え失敗から学ぶべきことを論じる本。
 原書のタイトルは、"Sometimes You Win - Sometimes You Learn" で、本文中では「うまくいく時もあれば、学ぶべき時もあるさ」と訳されています(7ページ)。日本語タイトルの「失敗しないとわかっていたら、どんなことをしてみたい?」は失敗を恐れず成功を思い描いてトライすべきことを示していますが、失敗に学ばずにどんどんトライし続けるのでは同じ失敗をし続けることになりかねず、この本が言っていることと合わないようにも思えます。
 この本は、失敗から学ぶための姿勢/心構えを11の「法則」、謙虚であること、現実を見ること、責任を負うこと、向上心を持つこと、希望を持つこと、学習意欲を持つこと、逆境を恐れないこと、難問を恐れないこと、不快な経験を受け入れること、変化を受け入れること、成熟することとして論じる体裁を採っていますが、著者の話したい/経験したエピソードを適当に分類して貼り合わせた印象です。一つ一つのエピソードには心惹かれるものがありますが、通して読んだときの論理/話の流れはスムーズではなく、整理された感じはしません。
 基本は自己責任(他人のせいにしない)でマイナスに考えずに学習意欲を持ち続けようということに尽きるように思えました。他人を変えようとするのは、無益だ。ほかの人間を変えることはできない。で、自分が成長することだけを考えよう、と。そう割り切った方がいいのかも知れませんが、同時にちょっとどうかなとも思うのですが。
 著者が自分の失敗例として、翌日カナダで講演会をしなければならないのに、パスポートをフロリダの自宅に置き忘れて西海岸のワシントン州でそれに気づいた時のことを挙げています。その時の解決法が、プライベート・ジェットをチャーターしてパスポートを乗せてフロリダからワシントン州まで飛んでもらった、2万ドルかかったというのです(14~17ページ)。確かに大失敗ではありましょうけど、そういうリカヴァーができるような大金持ちに、ポジティブ・シンキングが大事だと教訓を垂れられても、あまり素直には聞けない感じがします。


原題:Sometimes You Win - Sometimes You Learn
ジョン・C・マクスウェル、訳:日暮雅通
ダイヤモンド社 2014年2月27日発行 (原書は2013年)

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