世界中の書物のコピー/アバターを見ることができる久遠の島がそこで暮らすジャファル氏族もろとも海の藻屑とされ、その惨禍を「誓いの書」とともに免れたシトルフィとヴィニダルらが、久遠の島を破壊した後も「誓いの書」を追い続けるサージ国の王子セパターから逃げつつ復讐を図るファンタジー。
著者の出世作「夜の写本師」のエピソード0の位置づけのようですが、7年前に読んだ本なのでもう記憶がつながらないためかもしれませんが、ラストがそう書いている以上にはその点はよくわかりませんでした。その世界観、指輪物語風でもあり、上橋ワールドより少し怨念をはらみ、ゲド戦記に近いタッチ、羊皮紙の本へのこだわりと愛着、ヴィニダルの心の中に伸び成長する黒い枝などに、共通のあるいは近いものを感じさせるのですが…
書き出した災厄と怨念の割には比較的軽やかな結末は、救いと見るか、欲求不満を残すか。好みの分かれるところでしょう。
乾石智子 東京創元社 2021年10月22日発行
著者の出世作「夜の写本師」のエピソード0の位置づけのようですが、7年前に読んだ本なのでもう記憶がつながらないためかもしれませんが、ラストがそう書いている以上にはその点はよくわかりませんでした。その世界観、指輪物語風でもあり、上橋ワールドより少し怨念をはらみ、ゲド戦記に近いタッチ、羊皮紙の本へのこだわりと愛着、ヴィニダルの心の中に伸び成長する黒い枝などに、共通のあるいは近いものを感じさせるのですが…
書き出した災厄と怨念の割には比較的軽やかな結末は、救いと見るか、欲求不満を残すか。好みの分かれるところでしょう。
乾石智子 東京創元社 2021年10月22日発行
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