祖母の死後引きこもっていた、緑がかった褐色の肌を持つ少数民族「天空族」の巫女の孫娘セイジが、寝込んでいる富豪の依頼で40年ほど前に先立った妻の天空語で書かれた日記を読み聞かせることになり、死んだ妻とその息子の運命に触れ、「大和族」と天空族の関係、自分の祖母や両親などに思いをはせるというファンタジー。
植物や龍、霊にエネルギーを「食われ」衰弱する/腹が減る天空族は、何のメタファーなのでしょうか。ディメンター(松岡訳では「吸魂鬼」)に幸福感や精気を吸い取られるハリー・ポッターのような世界観でしょうか。「天空語」がちょっと「蛇語」活字のようなフォントで書かれていることもあって、そういう連想をしました。
セイジの現在、日記の40年前の世界、セイジと祖母の日々、引きこもり前の時期を行き来しながら、過去が解明されていくスタイルが取られています。さほど大きな謎はないのですが、穏やかにホッとしていくというような読み味です。
岸本惟 新潮社 2021年3月15日発行
日本ファンタジーノベル大賞2020優秀賞受賞作
植物や龍、霊にエネルギーを「食われ」衰弱する/腹が減る天空族は、何のメタファーなのでしょうか。ディメンター(松岡訳では「吸魂鬼」)に幸福感や精気を吸い取られるハリー・ポッターのような世界観でしょうか。「天空語」がちょっと「蛇語」活字のようなフォントで書かれていることもあって、そういう連想をしました。
セイジの現在、日記の40年前の世界、セイジと祖母の日々、引きこもり前の時期を行き来しながら、過去が解明されていくスタイルが取られています。さほど大きな謎はないのですが、穏やかにホッとしていくというような読み味です。
岸本惟 新潮社 2021年3月15日発行
日本ファンタジーノベル大賞2020優秀賞受賞作
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