30年近くニューヨーク・タイムズで連邦最高裁担当の記者だった著者によるアメリカ連邦最高裁判所の概説書。
最初に「本書は、連邦最高裁判所の歴史を語ることを第一の目的とはしていない。読者に連邦最高裁判所が今日どのように機能しているのかを理解してもらうことが、本書の目的である」(3ページ)と述べているのですが、歴史的な話が多く、長らく独立した庁舎もなく、最高裁判事から別のキャリアへと転身した者も多かったなど、連邦最高裁がその権威を確立する前の話がむしろ興味深く読めました。
就任後に大幅に見解を変更した裁判官についての研究で、連邦の行政機関に勤務していた者は立場を変えず、行政機関での勤務経験のない判事だけがリベラル化した(47ページ)というのは示唆的です。やはり、役人は変わらない、ですね。
原題:THE U.S. SUPREME COURT : A VERY SHORT INTRODUCTION
リンダ・グリーンハウス 訳:高畑英一郎
勁草書房 2024年7月20日発行(原書の初版は2012年、第2版は2020年、第3版は2023年)
最初に「本書は、連邦最高裁判所の歴史を語ることを第一の目的とはしていない。読者に連邦最高裁判所が今日どのように機能しているのかを理解してもらうことが、本書の目的である」(3ページ)と述べているのですが、歴史的な話が多く、長らく独立した庁舎もなく、最高裁判事から別のキャリアへと転身した者も多かったなど、連邦最高裁がその権威を確立する前の話がむしろ興味深く読めました。
就任後に大幅に見解を変更した裁判官についての研究で、連邦の行政機関に勤務していた者は立場を変えず、行政機関での勤務経験のない判事だけがリベラル化した(47ページ)というのは示唆的です。やはり、役人は変わらない、ですね。
原題:THE U.S. SUPREME COURT : A VERY SHORT INTRODUCTION
リンダ・グリーンハウス 訳:高畑英一郎
勁草書房 2024年7月20日発行(原書の初版は2012年、第2版は2020年、第3版は2023年)
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