高齢者向けマンションで健康食提供の調理の仕事をパートタイマーで始めて半年経つが常時顔を隠していることもあって人間関係がうまく行かず浮いている28歳の日向桐子が、その高齢者向けマンションの住人で食堂で食事をしない72歳の匙田譲治にひょんなことから連れて行かれた匙田の友人が経営する居酒屋「やぶへび」で匙田が作る料理を振る舞われたことを契機にほだされて行くお料理恋愛小説。
本編(第1話)冒頭で、主人公が休憩中もマスクとサングラス(のような眼鏡)を外さず顔を隠していることがクローズアップされ、裏表紙では「自分の要望に強烈なコンプレックスを抱く日向桐子は」と紹介されています。そう言われれば、主人公が要望に劣等感を持っていると受け止めるのが通常だと思いますが、第2話の最初が「美しさは罪だ」で、桐子は美しすぎるという設定です。美人である故に被害を受け顔を隠して生きたいという人も、いるかも知れませんが、小説の設定として共感を呼ぶとは言い難く、そこでちょっとシラケる感じがします。
28歳女性(既婚者)が72歳男性に恋するというのも、高齢者男性読者には希望を持たせるものでこういう作品もあっていいでしょうけど、やはりちょっと無理筋かなという気もします(ま…自分ではサイトで26歳女性が58歳男性に恋する小説を書いている私がこう言うのもなんですが。他人の作品を読むと、そう思ってしまいますね。やはり)。
こういったところの設定に難ありという気がしますが、読後感としてはほんわりとしたいい感じの作品ではあります。
古矢永塔子 小学館文庫 2024年2月11日発行(単行本は2020年2月)
日本おいしい小説大賞受賞作
本編(第1話)冒頭で、主人公が休憩中もマスクとサングラス(のような眼鏡)を外さず顔を隠していることがクローズアップされ、裏表紙では「自分の要望に強烈なコンプレックスを抱く日向桐子は」と紹介されています。そう言われれば、主人公が要望に劣等感を持っていると受け止めるのが通常だと思いますが、第2話の最初が「美しさは罪だ」で、桐子は美しすぎるという設定です。美人である故に被害を受け顔を隠して生きたいという人も、いるかも知れませんが、小説の設定として共感を呼ぶとは言い難く、そこでちょっとシラケる感じがします。
28歳女性(既婚者)が72歳男性に恋するというのも、高齢者男性読者には希望を持たせるものでこういう作品もあっていいでしょうけど、やはりちょっと無理筋かなという気もします(ま…自分ではサイトで26歳女性が58歳男性に恋する小説を書いている私がこう言うのもなんですが。他人の作品を読むと、そう思ってしまいますね。やはり)。
こういったところの設定に難ありという気がしますが、読後感としてはほんわりとしたいい感じの作品ではあります。
古矢永塔子 小学館文庫 2024年2月11日発行(単行本は2020年2月)
日本おいしい小説大賞受賞作
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