![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/02/2c/108177718167c581cf6ea82ff78db341_s.jpg)
著者は先日読み終えた「北斎」と同じく大久保純一氏。浮世絵に関する知識はあまり無いので、入門書を探していた。19世紀後半の西洋美術に大きな影響を与えたといわれる浮世絵について実際のところはあまり知られていない。明治時代には後継者もいなくなり、彫りや摺りの職人芸も廃れかけていた。
「迫真性という点では写真や石版画、銅版画には太刀打ちできず、量産性の面では鬼界印刷にいずれ圧倒され」た木版画は新しい技術に席を譲らざるを得なかった、ということになる。
私は浮世絵の美人画や役者絵は好きになれず、広重・北斎の風景画ばかりが好みであある。それは今も変わらないが、この書で美人画の歴史や美人画が写生ではなく女性の理想像であったこと、役者絵の迫真性などについていろいろと教わることがあった。
また技術的な側面や、作画・彫り・摺り・販売そして購買層という浮世絵全般の文化的な側面についての記述もある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7e/76/97b345d33ff1a9d0e4222bb977a0c0d1_s.jpg)