Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「日経サイエンス7月号」から

2022年05月25日 23時00分44秒 | 読書



 明日のオンライン講座の資料を読み終わってから、「日経サイエンス7月号」を少々読んだ。読んだのは特集「デマを見破る」の二つの記事である「メディアリテラシー教育 手探り続く米国の苦悩」と「拙速な思考は陰謀論に弱い」。さらにもう一つの記事「ネアンデルタールの首飾り クロアチアの遺物が語る知性」にも目を通した。

 「デマを見破る」を読むと、現在のアメリカのあまりに困難な状況とともに、それが日本でも当たり前になっている恐ろしさをひしひしと感じた。
 アメリカの病理として「ホロコーストはなかった」「新型コロナはでっち上げ」「2020年米国大統領選挙には不正があった」などと主張する生徒の存在などが記事の冒頭に書かれている。日本でも「南京大虐殺は無かった」「日本国憲法はアメリカの押し付け」などは保守派の国会議員や大臣経験者が真顔ではばかりなく主張しており、最近も「新型コロナはでっち上げ」「ワクチンは効果がなく、陰謀」と主張する人々も一定存在している。アメリカの病理だけではなく、身近な現実であることがわかる。

 要約などから引用すると「ネット上を中心に誤情報があふれ、意図的な偽情報キャンペーンも横行している。特に青少年は恰好の標的になっている。」
「根拠のない陰謀論的な考えを信じるようになるのは14歳からだ。」
「対処策のひとつが「メディアリテラシー教育だ。受け取ったメッセージを批判的な目で吟味し、真実を装った偽情報に気づく方法を子供たちに教えようというものだ。」
「具体策を巡っては異論もあり、効果は検証されていない。‥最適な方法と効果を把握する必要がある。」
「多くの人は十分な検討無しに即断で結論に飛びつく傾向がある。これは一種の「認知バイアス」である。」
「結論に早く飛びつく人ほど推論や決断で誤りを犯しやすい。陰謀論を歩支持する傾向があり、超常現象などを信じやすく‥。」
「反射的思考に流されず熟慮するようになると‥。判断の根拠となる事実をもう少しだけ集めるように努めることが、大間違いを避ける道だ。」 

 「ネアンデルタール人の首飾り」は、先日読み終わった「人類の起源」を思い出しながら目を通した。
「クロアチアのクラピナ遺跡の遺物の研究から、現生人類がこの地に到達する9万年前からネアンデルタール人が創造的で認知的に高度な行動をとっていたことが明らかになった」という要約が書かれている。例として身体装飾、美術品制作、抽象的形の刻印、幾何学模様・・・なども触れられていた。
 現生人類とは、交配による形態的特質の遺伝子を交換し合っていたことは前提となっていることがわかる。認知についても、現生人類だけの特質ではなく、かれらから受け継がれたものもあったはずである。



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