マーラーの交響曲第7番《夜の歌》の第3、第4、第5楽章を聴きながら、夕食後のひと時を過ごしている。私にとっては曲のイメージと《夜の歌》という語感から連想するイメージとは一致しない。私のイメージはもっと平らかで静かで、夜の大気の押しつぶされながら呻吟する世界である。この呻吟する感情の起伏がマーラーではとても激しい波のようなものではないのか、と思う。海の表面の波のようなものではなく、私のイメージは深海の海流のように大きなエネルギーを貯えつつも静かに大きな蛇行をしながら進んで欲しい。
そこには金管のふるえるような咆哮も、歓喜をもたらす弦の細分化された刻みのような強奏も似つかわしくない。美しい旋律が続く第4楽章も孤立している。
そんな違和感を抱きつつも、もう少し付き合って聴きたいという思いが湧いてくることも事実である。
マーラーの曲、いつものことながらなかなか私には手強い。
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