16日ぶりに「日本美術の歴史」(辻惟雄)を紐解いた。第5章の「二 和様化の時代[藤原美術]」の後半「⑦ 定朝以降の仏像、鉈彫り像」~⑬ 浄土庭園と「作庭記」まで。
あまり早く読んでも頭に残らないので、この本はゆっくりと目を通すことにしている。
「仏像は彫刻、仏画は絵画として区別する現在の見方と違って、仏のイメージを伝えるものとしての両者の機能はあまり区別されていなかった‥。仏像、仏画は「儀礼」「荘厳」「仏」という三本の糸で、分かちがたく結ばれていた。そのことを念頭にとどめて仏画をみよう。」(「⑧藤原仏画」冒頭)
「平等院鳳凰堂の「九品来迎図」は仏画であると同時に「やまと絵」様式の誕生を告げる貴重な遺品である。」(「⑧藤原仏画」の「浄土教絵画」)
「「ひらかな」は最初は一字ずつ切り離して書くものだったが、字と字をつないで繊細な曲線のリズムを反復させる連綿体の書風が発達した。華麗な文様を施した料紙とあいまって作り出される連綿体の仮名書きの装飾美は、世界のカリグラフィの中でも独特な地位を占める‥」(「⑨仏教工芸と書」)