昨日に続いてヘンデルの「ヴァイオリンソナタ」をグリュミオー版で聴いている。ヨゼフ・スークとは違って、全体的にテンポがかなり早い。それにしては豊かな音色で、みずみずしくつややかである。テンポの速さを感じさせない。グリュミオーの魅力たっぷりの演奏である。1966年の録音で、チェンバロはロベール・ヴェイロン=ラクロワ。グリュミオーが45歳、亡くなる20年前の演奏である。
この曲集は正確には「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」ということで、通奏低音はこの曲が作られた18世紀にはかなり即興的に演奏されたものだと思うが、私にはスークとグリュミオーの版の通奏低音の部分の違いまでは残念ながらわからない。
当初このグリュミオー版が、第1~第6までの順番が番号通りでないことに違和感があった。それだけ私の頭の中では第1~第6の順が強く刷りこまれてしまっている。この順番にCDがおさめられている根拠は解説を読んでもよくわからない。
しかし曲の順番にこだわっていては、この演奏の美しさを堪能できない。グリュミオーのこだわりとして素直に6曲全体の印象を楽しむようにしたい。