整形外科の帰りに横浜駅まで出て、オフィス街の安い喫茶店で読書タイム。「人類の起源」(篠田謙一、中公新書)を読んだ。すでに読み始めており、本日で第2章までを読了。
「一般に生物進化では、隔離によって集団の分裂が起こり、その状態が長く続くことで種分化して、異なる種が成立します。‥けれども、数十万年の人類進化の歴史を概観すると、分化とともに交雑がホモ・サピエンスを形成するために重要であったことがわかります。我々は孤立の果てに単一の種として地球上に立っているわけではなく、過去の多くの人類をその中に包含しているのです。この事実こそが、人類という特殊な生物の本質をあらわしているようにも思えます。」(第二章「私たちの「隠れた祖先」」)
「ネアンデルタール人とデニソワ人が持っていて、ホモ・サピエンスにはない変化を持つ遺伝子が六一個発見されたのです。‥(その中のひとつの遺伝子をiPs細胞に組み込んでの培養した脳皮質)オルガノイドは現代人のものに比べるとやや小さくて表面の凸凹が多く、神経細胞同士をつなくシナプスの数は減少していました。脳で働くひとつの遺伝子のたった一ヵ所の配列が変わっただけで、肉眼でできるほどの変化が現れたのです。‥このオルガノイドは神経の活動量は多いものの同調性は低く、ホモ・サピエンスのほうが機能的に優れているとも報告されています。」(第二章「私たちの「隠れた祖先」」)