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昨日の16時近くになって会場についた。入館料は大人一人300円。会場には東海大学の該当教室の学生が案内担当として待機していた。今回は閉館時間までは1時間しかないので、見ることに専念したくて声をかけられたがお断りさせてもらった。
展示室の入り口に人工衛星からの画像を使った遺跡の分布などの紹介ビデオがある。わかりやすいといえばわかりやすいが、高度を低くして視点を移動していく技法は残念ながら私などは眩暈がして船酔い状態になる。奇を衒いすぎている。
死後の復活・再生を願う信仰に基づいた死者の埋葬に添えられた調度品から展示が始まる。
事前にいろいろ知っていると展示品を見る目も、また展示品に添えらたれ解説ももっと理解できるのであろうが、それほどの知識はない。
今回の展示で印象に残ったのは、まずは「ホルス神の眼を捧持するヒヒ」。ヒヒが神と人間の媒介をする動物として扱われたということは知らなかった。しかし手にしているものが「ホルス神の眼」とは思えなかったので、これはもう少し具体的な図像解説が欲しかった。
次に西アジアから伝来したというガラスの技法に基づいた調度品。ガラス技法が西アジアから東西に伝わったことが理解でき、なかなか興味深かった。この技法を駆使する前段にさまざまな技法が使われたことのわかる展示品もあった。
もうひとつ惹かれたのは石製のコップ。中国で云えば玉器のような質の石製のコップの淡い輝きが印象に残った。
意外だと思ったのは農具。鍬など土を掘り起こす青銅製の金属器が展示されていた。柄は木製だったと思われ失われているが、その土を掘り起こす部分の幅の狭いことに驚いた。巾は20センチも無いように見えた。この巾では土を掘り起こしたり、畝をつくったり、苗の周りに土をかき寄せるには効率があまりに悪いと思われる。エジプトの畑の土の特質に合わせたものなのか、あるいは別の用途のものなのか、これは疑問として残った。
鍋敷きなどに使われたと思われるような太い糸による織物もあったが、用途ははっきりしないようである。
「ビールをつくったと思われる」土器が展示されている。そこの尖った形態で、縄文土器の底の尖った容器とそっくりである。ビールかどうかは別として澱を底に貯めるための形状とすれば、縄文土器のあの容器は醸造のための容器であったかもしれない。確かにあの形状は保管には不便である。常に灰の中に差し込んで煮炊きに使うのも不自然ではないかと常々思っている。保管には不便でも醸造用にやむを得ない形状とすれば、使い方に納得はできる。
ナポレオンの発議による「エジプト誌」の大きな本をはじめて目にした。ナポレオンの「すべてを手に入れたい」という欲求に基づく事業なのかもしれない。しかしエジプトを記録し尽くそうというエネルギーには、ナポレオンの事績の評価とは別にしても圧倒された。
3階展示室で17時まであと3分という時刻になってしまい、慌てて2階の展示室に行ったが時間切れ。ローマ、キリスト教、イスラム教などの影響を受けた時代の展示はほとんど見ることが出来なかった。
1階の展示室では人工衛星からの画像に基づく遺跡の「推考」ということの展示を時間が過ぎていたが見たものの、具体的な画像解析などについての展示ではなかった。
図録は1600円、見た目の出来は良かったと思うが購入はしなかった。会期末までにはもう一度訪れたい。
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