■『原爆の子』(1952)
監督・脚本:新藤兼人
出演:乙羽信子、細川ちか子、清水将夫、滝沢修、宇野重吉、殿山泰司、北林谷栄、東野英治郎、下元勉、小夜福子 ほか
この間行ってきた夢の島の「第五福竜丸展示館」内の資料で知った本作を見つけたので借りてみた。
ウィキには「戦後に初めて原爆を直接取り上げた反核映画とされている」とある。公開後の世界の動きも興味深い。
その後に撮られた様々な原爆をテーマにした映画に比べたら、若干ソフトな描き方のようにも感じた。
この頃の撮影技術のせいもあるかとは思うが、戦後まだまもなく、タブー視されていたことも多かっただろうし、
繊細な部分にも果敢に触れたことで、各国でも反響を呼び起こし、問題を投げかけ続けているのは素晴らしい。
▼story
瀬戸内海の島で小学校教師をしている孝子は、夏休みを利用して5年ぶりに故郷の広島に帰る。
原爆で家族はみな亡くなり、墓も瀬戸内海のほうにあるが、焼け野原になった自宅はそのままで花をたむける。
当時一緒に働いていた教師仲間の家に泊めてもらい、3人の生徒を訪ねるが、男子の1人は父親を原爆症で亡くし、
女子の1人もやはり原爆症によって死を待つばかり。もう1人の男子は元気でいて、
あの日に家屋の下敷きとなって脚をひきずる姉はその日が嫁入りで共に祝う。
路上で物乞いをする昔の使用人・岩吉に偶然出会い、町外れの小屋に泊めてもらう。
息子さんとお嫁さんを亡くしたが、孫の太郎だけは助かり、戦争孤児が集められた施設にいるという。
孝子は瀬戸内海の家に引き取りたいと申し出るが、「孫を失ったら、生きる理由がなくなるから、それだけは勘弁してほしい」と訴える岩吉。。
冒頭のナレーションとともに映された広島の風景はそのまま記録映画としての価値もある。
最近になってセットやCGで撮られたものよりリアルで説得力がある。
乙羽信子は昭和の大女優の1人だけど、原節子などと比べると小柄で地味な印象で、気にはなっていてもチェックしていない出演作も多い。
自身の人生も波乱万丈っぽいし、名監督の下で、無数の名画に出演しているから、これからもっと観てみたい。
監督・脚本:新藤兼人
出演:乙羽信子、細川ちか子、清水将夫、滝沢修、宇野重吉、殿山泰司、北林谷栄、東野英治郎、下元勉、小夜福子 ほか
この間行ってきた夢の島の「第五福竜丸展示館」内の資料で知った本作を見つけたので借りてみた。
ウィキには「戦後に初めて原爆を直接取り上げた反核映画とされている」とある。公開後の世界の動きも興味深い。
その後に撮られた様々な原爆をテーマにした映画に比べたら、若干ソフトな描き方のようにも感じた。
この頃の撮影技術のせいもあるかとは思うが、戦後まだまもなく、タブー視されていたことも多かっただろうし、
繊細な部分にも果敢に触れたことで、各国でも反響を呼び起こし、問題を投げかけ続けているのは素晴らしい。
▼story
瀬戸内海の島で小学校教師をしている孝子は、夏休みを利用して5年ぶりに故郷の広島に帰る。
原爆で家族はみな亡くなり、墓も瀬戸内海のほうにあるが、焼け野原になった自宅はそのままで花をたむける。
当時一緒に働いていた教師仲間の家に泊めてもらい、3人の生徒を訪ねるが、男子の1人は父親を原爆症で亡くし、
女子の1人もやはり原爆症によって死を待つばかり。もう1人の男子は元気でいて、
あの日に家屋の下敷きとなって脚をひきずる姉はその日が嫁入りで共に祝う。
路上で物乞いをする昔の使用人・岩吉に偶然出会い、町外れの小屋に泊めてもらう。
息子さんとお嫁さんを亡くしたが、孫の太郎だけは助かり、戦争孤児が集められた施設にいるという。
孝子は瀬戸内海の家に引き取りたいと申し出るが、「孫を失ったら、生きる理由がなくなるから、それだけは勘弁してほしい」と訴える岩吉。。
冒頭のナレーションとともに映された広島の風景はそのまま記録映画としての価値もある。
最近になってセットやCGで撮られたものよりリアルで説得力がある。
乙羽信子は昭和の大女優の1人だけど、原節子などと比べると小柄で地味な印象で、気にはなっていてもチェックしていない出演作も多い。
自身の人生も波乱万丈っぽいし、名監督の下で、無数の名画に出演しているから、これからもっと観てみたい。