メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『原爆の子』(1952)

2010-06-09 23:16:57 | 映画
『原爆の子』(1952)
監督・脚本:新藤兼人
出演:乙羽信子、細川ちか子、清水将夫、滝沢修、宇野重吉、殿山泰司、北林谷栄、東野英治郎、下元勉、小夜福子 ほか

この間行ってきた夢の島の「第五福竜丸展示館」内の資料で知った本作を見つけたので借りてみた。
ウィキには「戦後に初めて原爆を直接取り上げた反核映画とされている」とある。公開後の世界の動きも興味深い。
その後に撮られた様々な原爆をテーマにした映画に比べたら、若干ソフトな描き方のようにも感じた。
この頃の撮影技術のせいもあるかとは思うが、戦後まだまもなく、タブー視されていたことも多かっただろうし、
繊細な部分にも果敢に触れたことで、各国でも反響を呼び起こし、問題を投げかけ続けているのは素晴らしい。

story
瀬戸内海の島で小学校教師をしている孝子は、夏休みを利用して5年ぶりに故郷の広島に帰る。
原爆で家族はみな亡くなり、墓も瀬戸内海のほうにあるが、焼け野原になった自宅はそのままで花をたむける。
当時一緒に働いていた教師仲間の家に泊めてもらい、3人の生徒を訪ねるが、男子の1人は父親を原爆症で亡くし、
女子の1人もやはり原爆症によって死を待つばかり。もう1人の男子は元気でいて、
あの日に家屋の下敷きとなって脚をひきずる姉はその日が嫁入りで共に祝う。

路上で物乞いをする昔の使用人・岩吉に偶然出会い、町外れの小屋に泊めてもらう。
息子さんとお嫁さんを亡くしたが、孫の太郎だけは助かり、戦争孤児が集められた施設にいるという。
孝子は瀬戸内海の家に引き取りたいと申し出るが、「孫を失ったら、生きる理由がなくなるから、それだけは勘弁してほしい」と訴える岩吉。。


冒頭のナレーションとともに映された広島の風景はそのまま記録映画としての価値もある。
最近になってセットやCGで撮られたものよりリアルで説得力がある。

乙羽信子は昭和の大女優の1人だけど、原節子などと比べると小柄で地味な印象で、気にはなっていてもチェックしていない出演作も多い。
自身の人生も波乱万丈っぽいし、名監督の下で、無数の名画に出演しているから、これからもっと観てみたい。


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『オスカーとルシンダ』(1997)

2010-06-09 15:29:53 | 映画
『オスカーとルシンダ』Oscar and Lucinda(1997)アメリカ・オーストラリア
監督:ギリアン・アームストロング 原作:ピーター・ケリー
出演:レイフ・ファインズ、ケイト・ブランシェット、サイアラン・ハインズ、トム・ウィルキンソン、リチャード・ロクスボロウ、クライブ・ラッセル、ビリー・ブラウン、ジョセフィーン・バーンズ、バーナビー・ケイ、バリー・オットー、リンダ・バセット ほか

trailer

ケイトの出演作としては初期の頃(当時28歳!)だけど、もうすでに貫禄すら感じる堂々として、かつ初々しくもある演技力。
共演するレイフ・ファインズとの演技対決が見もの。
ジャケをチラ見したイメージとしては、ギャンブル好きなカップルのお騒がせラブストーリーかと思いきや、
なんとも美しくて、悲しい物語り。「信じる心」は最高の幸いにもなり、最大の不幸にもなり得る。
信心深さがどれだけの人生を不自然に歪めてきたかってことも表してる。

story
厳格な説教師の一人息子として生まれたオスカーは、教えの不条理さに疑問を持ち、
神の意思(トス)により近所の英国国教会の牧師を訪ね、オックスフォード大学で学ぶ。
悪友のススメで初めて賭けた競馬で大儲けし、ギャンブルの虜となる。

奔放に育ったルシンダは、母を失って莫大な遺産を継ぎ、ガラスの魅力にとりつかれ工場を買う際、ハセット牧師の世話になる。
彼女もギャンブル狂で、その噂がもとで牧師は辺境地に赴任が決まる。

船で出会ったルシンダとオスカーは日夜ギャンブルにハマり、それが信者にバレて、オスカーは破門になる。
ガラスの素晴らしさに触れて感動したオスカーは、ハセット牧師にガラスの教会を贈ろうと申し出るが、
それは水恐怖症のオスカーにとって、海で渡る最短コースでなく、原住民の土地を通過する危険な冒険を意味していた。。


オスカーは極度の水恐怖症。普通の人から見れば、キラキラと輝く水面も、彼にとっては死の淵に見えるんだろうな。
わたしが狭くて、真っ暗な人ごみに閉じ込められた時の恐怖感と同じくらいかしら?滝汗

1人1人勝手にしたいように生きてるようでいても、映画みたく俯瞰的に大きな流れで眺めると、
それぞれが見えない線でつながっていて、関係し合い、一切のムダがないと分かるだろう。
厳しい父のもとで育ったオスカーも、戒律の厳しい中で不自由な思いをするルシンダも、
3人目の夫を待っているだけの未亡人も、非情な冒険家も、長い長い因果応報の見えざる手によって導かれてる、
そんな気がする。


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ドラマ『結婚できない男』(3~6巻)

2010-06-09 10:26:01 | ドラマ
ドラマ『結婚できない男』(2006)(3~6巻)
頭痛ごときで病院に来るのもどうかと思うが、倒れるまで仕事して医者の言うことも聞かないのはもっと困る
それでも徐々に早坂夏美に操縦されつつある桑野。
「家が神聖な聖域」ってゆうのも分かる。。てか、けっこう通じるものがあるじゃん/驚笑

同じドラマを見てる人がいると、借りる巻数がかぶったりしてタイミングが難しい。
なので4巻を飛ばして、5、6巻(最終話)を先に見てしまった。
なんだかんだあっても、けっこう桑野はモテてるじゃん。そして金田はふつーのイイ人だったw
急に結婚する気になるのもおかしいから、とりあえずは家の中に入れるってゆうラストは、まあ妥当?

で、やっと新宿TSUTAYAで4巻を借りた。父親の三回忌のお酌で親戚からやたら結婚のことを言われるってまんまだ
「結婚すれば単純計算で冠婚葬祭が2倍になる」て意見にも激しく同意。
こんなに意味なく病院来る人がいるから混んで待たされるんだよね(てか、こんな人いないか?
やたらと電話のやりとりが多いのもドラマっぽい。
わんこの話はちょっとじい~んときた。てかケンちゃんお利口すぎっ!

桑野がタイタニックの模型づくりにハマってるのを見て、ますます兄に似てると思った/驚
写真は学生の頃、兄が造ったデコトラ。以前、帰省した際に改めてスゴイと感心して写メったものw
ほかにもバイクやら、ヤマハのドラムセットやら精巧なものがいろいろショーケースに入ってるんだけど、
お掃除大好きな母が、見るたびホコリがついてるのが気になって、ぞうきんで拭いては壊してしまい、ボンドで修正した跡が痛々しい



『東京ミュージアムコレクション'09』 成美堂出版
ネットでもなかなか見つからない美術館&博物館情報が載ってて、建物の概観&内部の写真も豊富で分かりやすい。
行ってみたいなって思うところもいくつかあった。ちょっと足を伸ばすと、鎌倉、葉山、埼玉にもいい美術館がいろいろあるなあ!

一緒に庭園や、併設のカフェ情報があるのもイイ。
美術館&博物館内のカフェは高いわりに不味いってイメージがあったけど、場所によるのかねぇ・・・


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