メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『銀河鉄道999』 少年画報社文庫版

2010-06-30 17:09:51 | マンガ&アニメ
『銀河鉄道999』 少年画報社文庫版 (2、6、10、11、12)(全12巻)
「メーテルの旅」では、未来の999と現在の999が時空を超えて連結してしまい、メーテルと違う少年が乗っているのを見た鉄郎はフシギに思う。
同じく「タダで機械の身体をもらえる星に行く」目的だが、パスも「アンドロメダ星雲行き」ではなかったのも気になる。
同じ戦士の銃も少年のはもっと古い感じ。鉄郎がなんらかの理由で手放したのだろうか。
別れ際に向こうのメーテルは現在の自分に「悲しくて長い旅よ・・・」と言って涙を流しているのも気になる。。

今ごろ思ったが、そいえば自分はテレビアニメの最終話を見ただろうか?見たとしても相当昔ですっかり忘れてしまった。
なんとなく、劇場版のエンディングと同じだと思い込んでたけど、原作は違うのかもしれない。
ゆうちゅうぶに最終話だけあったが、敢えて見なかった。まずは原作で読んでからにしよう。

6巻には車掌さんの昔の恋人フィメールのエピソードもあり。夢を語り合う仲だったのにケンカ別れしたみたい
巻末には『宇宙戦艦ヤマト』原案の豊田有恒さんがあとがきを寄せている。
日本を代表するSF作家の小松左京さん、筒井康隆さん、眉村卓さんもみな最初は漫画家を目指して投稿していたってビックリ!
絵がヘタで、文字で表現して大成功した。どんな表現方法であれ、SF作家には通じ合うものがあるって納得。

11巻ラストの「かげろう気流」のメーテルの言葉がひっかかった。
メ「何も努力せずに人を働かせるのを当然の権利だと思っている種族に未来はないわ」
メ「機械人間の山も、カゲラリア族も、何か理屈を言いながら滅びてゆくだけ・・・自分で働かないのだからどうにもならない・・・」
鉄郎「働く昆虫は、働くために働くのか・・・おかしな星だ」
「他人の手に運命をゆだねて生き残れるような場所はこの宇宙のどこにもない」

そして最後の12巻がやっと手元にやってきた。ラストは映画の『さよなら~』とほぼ同じ。
その前に以前クリスタルのカラダをしたクレアの母メノウが『全機械体総合カタログ』を持ってきて、
「この中から選べ。でなきゃ私が選ぶことになる」というが、たった30分じゃ短すぎるよねっ?!
生身のカラダで最後の1日を自由に楽しむ「最後の晩餐」て星で鉄郎はあらゆる食べ物を食べて味わう

終着駅「惑星大アンドロメダ」に着いて、鉄郎は1本のネジにされそうなところをメノウによって救われる。
メーテルは女王プロメシュームの娘で、これまで無数の少年らを連れてきては部品にされるのを見てきたが、
父ドクター・バンとともに、この惑星ごと暗黒の墓場に葬る計画だった。

最後に自分の本当の姿を見せるが、「999に乗る前にぼくはメーテルが悪魔の子でも魔女でもかまわないと誓った。
ぼくにとってのメーテルはずっとぼくの前に座って旅をしたメーテルだけだ。だからぼくは見たくないよ」と鉄郎。
「ありがとう鉄郎・・・遠く時の輪の接するところで、また巡り会いましょう。
 私はあなたの想い出の中にだけいる女。私はあなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影・・・」」とメーテル。
帰りの999には鉄郎だけが乗っている。旅はまだまだ続く。

鉄郎はきっと地球や他の星をよりよくするため、機械化人間に支配され、虐げられている人々を救うために
これからも闘うんだろうな。そして、きっと地球に帰って、なにかしらアクションを起こすんだろう。



銀河鉄道999 113話(最終話) 「青春の幻影 さらば999 後編」 1/3
アニメのほうは、プロメシュームがやたらと悪女に描かれてるんだな/驚
原作マンガのほうは、これで全部読んだから、アニメのつづきを改めて見直してみたい。
劇場版もきっとまた一生のうちに何度か観る機会があるだろう。わたしの中ではやっぱり劇場版が最高傑作のままだ。
マンガ・TVアニメ・劇場版、それぞれ微妙に表現方法は違っても、どれも珠玉の名作には違いない。

SAYONARA


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『ピクトさんの本』

2010-06-30 17:05:11 | 
『ピクトさんの本』内海 慶一/著 株式会社ビー・エヌ・エヌ新社
想像してた通りの面白さ 日々様々な危険に立ち向かうピクトさんの姿が完全にカテゴライズされて、まとめられている。
海外のも多いのは、投稿してくれるピクティストが大勢いるからなのね!
なかなか外歩いてても、危険な場所で活躍するピクトさんにお目にかかれる機会は少ないけど、
今度から本書の視点でも探してみよう。町歩きの楽しみも増えること間違いなしv

あと、個人的にはp.61「マズローの欲求階層説」に興味を持った。
人には以下の欲求があって、最下層が満たされると、次段階にうつるとか。
1)生理的欲求(飢え、空腹、睡眠など生命の維持に関する欲求)
2)安全の欲求(戦争、天災、病気から逃れたい、衣服や住居など生命に関するものを安定的に維持したいという欲求)
3)社会的欲求(愛と帰属の欲求ともいう。集団に所属し仲間からの愛情を求める欲求)
4)自尊欲求(承認の欲求ともいう。承認、尊敬、独立などを求める欲求)
5)自己実現欲求(自分がなすべきことをなすために自己の成長や発展を求める欲求)

自分には集団帰属(本書では所属とある)が抜けてる気がするなぁ・・・?


『ビルのふうせんりょこう』 ライナー・チムニク/文・絵 尾崎賢治/訳 アリス館
『クレーン男』を読んで気に入ったチムニクの絵本。こちらはカラフルで、物語も分かりやすく幼児向けに描かれてる。
空を飛びたいと憧れる少年が、「自分の誕生日に風船を1人2~3コもってきてください」と頼み、
それを全部ベッドにつなげたら、寝ている間に空を飛んでて大騒動になるって話。
大判のハードカバーで親しみやすい1冊。
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『蟹工船』(1953)

2010-06-30 16:58:48 | 映画
『蟹工船』(1953)
監督:山村聰 原作:小林多喜二
出演:山村聰、日高澄子、森雅之、森川信、中原早苗、河原崎しづ江、若原春江、河野秋武、御橋公、山田巳之助、小笠原弘、平田未喜三 ほか

前回、松田龍平主演のリメイク版を先に観たけれども、やっぱり昭和に撮られた今作のほうがより重くて、現実味がある。
森雅之出演作としてチェックしてみたが、一体どの役をやるのか、非情な監督か、苦悩の船長か、
それとも粗野な労働者のリーダー役か・・・と、いろいろ思い巡らせたものの、交代でやって来た船医役で、
酔っ払って、ものすごいなまってて、しかもちょい役だった

story
蟹工船の出発日。それぞれが家族や、恋人、なじみの娼婦に別れを告げ、母親との別れを惜しむ子どもの姿もある。
現場監督の浅川は血も涙もない男で、労働者を豚と呼び、まるで人間扱いせず、ひたすら利益を優先する。
漁は過酷で、加工されて缶詰にされる工程を果てしなく繰り返し、病気をしても無理やり働かされる。
愛人の浮気から過って殺してしまい偽名を使って乗り込んだ松木は、正体を見破られ、
「労働者の話を報告しろ。でないと、中継ぎ船で引き渡すぞ!」と脅される。

暴風雨で海に落ちて死ぬ者、上司に逆らって虐待の末に殺される者まで出て、死体はみな海に捨てられた。
「死んでもロクな目に遭わない!」とショックを受ける仲間たち。発狂する者も出る。
「なぜ、俺たちはこんな目に遭わなきゃならないんだ!もっと気持ちよく働きたい!」
極限まで追い詰められた労働者らは、一致団結して、監督らに直訴する。
監督は軍艦を呼び、労働者らは自分たちのために来てくれたと大喜びで迎えるが、水兵らは銃剣を持って威嚇する。。


原作はサイトで読めるが、地方から集まった労働者たちの訛りがすごくて、ちょっと難解に見えた。
映画でのセリフもところどころ何をゆってるか分からないが、それがより迫力を出している。

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