メランコリア

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少女・世界推理名作選集 24 シャドー牧場の秘密 キャロリン・キーン/著 金の星社

2023-11-16 21:48:06 | 
1964年初版 1989年 第19刷 土居耕/訳 小林与志/カバー・イラスト・挿画

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【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください


ずっと「ジュディ・ボルトン・ミステリー」を読んでから
「ナンシー・ドルー」シリーズを読むと、ほぼ同じと思っていたけれども
私はジュディシリーズのほうが人間関係の深みがあって好きだな

今作もまた夏休みの話 どんだけ夏休みがあるんだろうw


【内容抜粋メモ】

登場人物
ナンシー・ドルー 探偵好きな少女 父は有名な弁護士カーソン
ジョージ・フェース 親友
ベス・マルビィン 親友 ジョージのいとこ
アリス・レガー 父が行方不明

ネリー ジョージとベスの叔母
ローリー 西部の牧場を買った叔父
ジョージ・ミラー シャドー牧場の牧夫頭

ザニー・ショー ムーガスタウンで古道具屋をしている
ロス・ロジャーズ 記憶を失った男
マーサ・フランク
ルーシー マーサの小屋で虐待されている少女



●夏休み
ベスとジョージは、夏休みに西部のシャドー牧場に一緒に行こうとナンシーを誘う
シカゴの叔父が買った牧場を叔母と一緒に見に行く目的







叔父方の姪アリス・レガーもいっしょ
7歳の時、商用で出かけた父が行方不明になったままのため
父親の話題には触れず、今回の旅行で元気づけたいという目的もある

汽車の中でこれから向かうムーガスタウンで本屋を営む
ロス・ロジャーズという男に出会い、なにかワケありげ







汽車に2晩も揺られて!やっと駅に着くが何もなく
迎えの約束も遅れていて途方に暮れていると
ロジャーズが荷物を運んでくれて、いつか屋敷を訪ねて欲しいと誘う

牧夫頭ジョージ・ミラーが迎えに来て、馬車でさらに長距離行った先にある
シャドー牧場の美しい眺めに感動する
ミラー夫人が快く迎えてくれる


●森の中の小屋
ミラーが乗馬を教えてくれ、ジャックというカウボーイが引率して遠乗りに出かける
ピクニックを始めようとしたら酷い嵐になり、荒れ狂う川を渡る







マーサという変わった老婆の小屋で休ませてもらうと
寝室に11、12歳の少女ルーシーが隠れていて、出ると叱られる
ルーシーの暮らしに同情するナンシー








●ラウンドアップ
アリスは時々、父のことを思い、1人で泣いている





上等の牛を何頭か売り払ったお金で修繕する計画を立て
牛を集めてより分けるラウンドアップを行うと聞いてナンシーらも手伝う







子牛に焼き印を入れて(↓)、売る牛をムーガスタウンに運ぶのにもついて行くと
古道具屋の主人ザニー・ショーとマーサが大声で口喧嘩しているのを見る







●大やまねこ
また馬でピクニックに行こうとして
森には熊が出るからピストルを持たせるミラー夫人
(アメリカでは10代の女の子にも平気で銃器を持たせるのか!?

森から大やまねこが飛び出してきて、ピストルで銃殺する
(大やまねこは悪くないのに・・・/涙
馬はみんな逃げ出してしまったため、13kmほどを歩いて帰ろうとする









ジョージが途中で捻挫して、またマーサの小屋に厄介になるが邪険にされる
ルーシーは他の人と話すとマーサに酷く叱られると怖がる

ミラーさんらが迎えに来て帰宅


●ロジャーズ
ロジャーズが訪ねて来るが
自分の名前がロジャーかロジャーズかも分からないと言う

ロジャーズが帰ってから、ナンシーは彼がリバーハイツの銀行で
出納係をしていたのを思い出す
半年働いて、行方不明になった


●ダンス大会
マス釣りに出かけて、今度はアメリカライオンが襲ってくる!






近所の牧場のカウボーイに助けられ、町でダンス大会があると聞き
ロジャーズと話せるのでは?と思うナンシー

デビッド・グラストンという弁護士、コール医師と出会う
ロジャーズにリバーハイツの話をすると逃げるように出て行ってしまう

馬で出かけて夕立に遭い、またマーサの小屋に行くと
ルーシーだけだったので、怪しいトランクを開けてみると
フィラデルフィアの店で買った上等な洋服、宝石も出てくる







そこにザニー・ショーが来て、脅されるが、逆に脅し返すナンシー
帰宅して、ルーシーは誘拐されたのでは?と推理し
父にフィラデルフィア警察に問い合わせてほしいと電報を打つ
父はカナダに出張して、休暇をとっているのか
なかなか返事が来ず、イライラして待つ


●チムニー岩
ジョージが景色のいいチムニー岩に行ってみようと誘い馬で出かけるが
途中で道を間違えて、すっかり迷ってしまった4人







夜になり、洞窟を見つけて、入り口を木々でふさぎ、交代で見張りをして一夜を明かす
翌朝、道を探しているとルーシーに会い、道を教えてくれる







●傷ついたルーシー
ルーシーにお礼を言い、シャドー牧場に誘おうと思って小屋を訪ねると
マーサが慌てて荷物をまとめている







マーサは棒を持ってルーシーを追いかけ、ルーシーは崖から落ちて腕を骨折






ダンス大会で会った医師を呼んで手当してもらい
シャドー牧場のベッドに寝かせて、2週間は安静だとマーサに告げる

ダンス大会で会った弁護士も、マーサがルーシーの保護者としてふさわしくないという


●電報
やっと父からの電報が来て、8年ほど前に子どもの誘拐事件があり
名前はルイーズ・ボーエン 当時3歳







両親は事件後に他界し、莫大な遺産が残されたが
5年以内に見つからなければ、寄付される

マーサがルーシーを取り返そうと家に来たため
ナンシーはその隙に小屋のトランクを調べると
L.Bと刻まれた指輪を見つけて、ルーシーがルイーズだと確信する

ザニー・ショーがまた来て、ナンシーを脅すが
コール医師が来てくれる

ロジャーズも一緒で、マーサは彼を見ると真っ青になる
指輪を見せて、どこで手に入れたか問い詰め、グラストン弁護士を呼ぶ








●告白
マーサとザニー・ショーは兄妹で、フィラデルフィアに住んでいた
ザニーはボーエン宅で働いていたが、50ドルほどなくなり
ザニーが泥棒に疑われ、解雇された後、職も家も失い
その恨みでボーエンの子どもを誘拐して、身代金をとるつもりだった

子どもが大声を出して、そばにいた男ロジャーズが助けようとして
ザニーが鉄の棒で頭を殴り、死んだと思い、2人は西部に逃げて名前を変えた

ロジャーズ:
私には過去がなく、悩んでいた
意識が戻った時、失読症になっていた
西部のムーガスタウンで本屋を始めた

ロジャーを逆から読むとレガーになると気づき
アリスの父の名前がロバート・ロス・レガーなことから
ネリーの夫ローリーはロスと義兄弟だから連絡すると、すぐに駆け付け
ロジャーズがロスだと認める

ロス:君は私のほんとうの娘なのだ!







ロスはマーサとザニーを訴えない代わりに
すぐにここを立ち去るよう言い渡す

ロスはルイーズも一緒に自宅に連れて一緒に暮らすと決める
ローリーとネリーは牧場が気に入り、売らないことにする


コメント

少女・世界推理名作選集 22 少女誘かい事件 マーガレット・サットン/作 金の星社

2023-11-16 21:15:22 | 
1964年初版 1989年 第22刷 大蔵宏之/訳 中山正美/カバー・イラスト・挿画

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください


【内容抜粋メモ】

登場人物
ジュディ 医師ボルトンの娘 探偵好きな少女 ピーターの秘書
ピーター・ドブス ジュディの幼馴染で婚約者 弁護士
ホレース 兄 ヘラルド毎日新聞の記者

ゾラー博士
ロッシイ ジュディに似た少女 ロザンナ

レオナード 元聖歌隊員 リンダ
ジョン叔父 戦死 レオナードと婚約していた
ブラッキイ
トレント ワシントン連邦警察のGメン
レッド 下男
ルーシー・スミード 若くして亡くなった叔母




●ハンドバッグ
祖母の葬儀にかけつけるジュディとピーター
途中で花を買おうとサム・タッカーの店に立ち寄ると
ジュディにそっくりな少女がいたと話す

元聖歌隊員だったレオナードが葬儀で歌う予定
レオナードとデパートでバッグを買おうと選んでいると
見知らぬ男が黒いバッグを手渡して逃げ去る







中には「情報を持っているから、次の火曜日、講演会の後で500ドルを持って来い」
という脅迫状が入っていて、ブラッキイとサインがある

葬儀の前にピーターはワシントンの連邦警察に電話して事情を話す








●フシギな病気
レオナードはなぜか急に歌えなくなる
医師でジュディの父ボルトンは、しばらく家に泊めてあげることにして
ジュディは今度の事件を一緒に解くことで気を紛らわそうとする

兄ホレースに近日中に近辺で行われる講演会を調べてもらう







●Gメン
Gメンのダビイッド・トレントがピーターの事務所に来て
脅迫状を見て、好奇心と恐怖心につけこみ金をゆする手口だと話す
ブラッキイは偽名かもしれない

ジュディは自分に似た少女に宛てた手紙ではないかと推理するが信じない


●遺言状探し




祖母の家に行き、遺言状を探すが、代わりにトランプのカードが入っている
下男レッドはなぜか自分が使っていた寝室に寝ている
古い天井の漆喰が剥がれ落ちた

箱を開けると「刺繍をリンダにあげてくれ」などとメモがあるが
ジュディの名前はない
法律では、生きている唯一の親族であるジュディの母が遺産を受け継ぐ







レッドは昨晩、友だちとカードで遊び、ケンカをして殴られたと告白
その友は、最近知り合ったばかりのブラッキイとパットンと聞いて驚く
ブラッキイが遺言状を盗んだのではないか?


●思い出のかけ布団
祖母はこれまでの家族、親族の服などの生地を使って布団をつくり
思い出を書いたメモを貼っていた







ルーシー・スミード叔母のドレスも出て来る
サーカスで働いていた男と駆け落ちして結婚し、20歳で亡くなった
そのかけ布団はジュディの母に遺されて
結局、ジュディには何も書かれていなかった







はめ板の下に何枚か紙が落ちているのを見つける
ファミリーツリーで、ルーシーの娘の誕生通知 アンナと読める








祖母も親族もルーシーに娘がいたことは誰も知らなかった
ジュディはまだ見ぬいとこに会いたいと願う
もしいるなら、遺産を分配する権利がある


●まだ見ぬいとこ
花屋の主人にジュディにそっくりな少女のことを聞くと家族づれで
弟、妹が一緒で、父親が運転していたようだと話す

ジュディは、親友のロイ、ロレーヌ、アーサーらに協力してもらい
ホレースが集めた講演会に参加してもらうことにする
アーサーは事件が片付いたら、合同結婚式を挙げようと提案する

ジュディはリンダとともに催眠術の講演に行くことにする
父も知るゾラー博士は有名だから、催眠でリンダの歌声が戻るかもしれないと勧められる








●尾行
2人の乗った列車で見知らぬ男2人に尾けられていることに気づく

レストランに入ると、ジュディによく似た女子学生が入ってきて
アンナと声をかけるとゾラー博士の娘ロッシイで
花屋で間違われたのも彼女







母エディス・テリーは1年前に亡くなり
ヘレン、マージ、テリーというきょうだいがいる
ジュディはハンドバッグの話をして、ブラッキイの名前を出すととても驚く
母を時々訪ねてきて脅していた


●暗示
2人は帽子屋に入り、顔半分が隠れるベールの帽子をかぶって入れ替わる計画を立てる






ゾラー博士:
暗示力は善のためにも悪のためにも力がある
朝起きて、今日は疲れて、どこもかしこも痛いと考えたら、その日はそうなるが
素晴らしい1日になると考えると、そうなる

催眠は自分でかかりたいと思わなければかからない
私を見つめてください 握った手が離れなくなります







博士の暗示にかかり、ジュディ、リンダも壇上に上がる
「あなたは眠ります」と言われて
これからブラッキイに会わなければならないジュディは目が覚める

博士:
被術者が怖れている時はしばしばそうなります
席に戻りなさい あなたは何も怖れていません
何ものも、あなたを怖れさせることができないのです

リンダが被術者となり、16歳の時に初めて歌ったことを思い出し、ついに歌い出す
博士:自分で気づかずにいる恐怖を取り除いたので、なおったのです








●誘拐
ジュディはロッシイのフリをしたまま、ブラッキイのクルマに乗せられる
500ドルも持っていないと言うと、自宅の父の金庫から盗めと言われる







ジュディはさっき博士に言われた言葉を何度も繰り返すと勇気が出てくる
“何ものも、私を怖れさせることはできない”

ブラッキイは家政婦を縛って押し入れに閉じこめる
ジュディは催眠術で目が見えなくなった、金庫の番号も忘れたとウソをつき
博士に電話して、危険を伝える







銀行が開いたら、そこから金をおろすとウソを言って
クルマを衝突させて止めると、警官がブラッキイを逮捕する


●再会
家で介抱され、博士から娘の命を救ってくれたと感謝される
尾行していたのはGメンらで、途中でジュディを見失ってしまった







ジュディはロッシイの部屋から宝物のピンクッションを持ってきた
ロッシイの母のウェディングドレスで作ったと聞いて
祖母の作ったかけ布団にルーシーのウェディングとメモがついた生地と比べると同じもの







博士に聞くと、ルーシーと結婚し、ロッシイが生まれた
妻が亡くなり、乳母だったエディスと再婚したが
娘同様可愛がってくれて、真実を話さないと約束した

ブラッキイは普段からたくさんの秘密を集めて脅迫していて
エディスもそのうちの1人

ようやく遺言状が家族の前で開封され、ジュディは祖母の家が遺された
ピーターと結婚したら、大好きだった家に住めると思うと涙する
その他の土地はホレース、レッドに遺された

母はかけ布団をロッシイに贈る



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