昭和51年初版 上野瞭/訳 武部本一郎/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
終始、船と航行に関する専門的知識が満載で、詳しくない人が読むとチンプンカンプン???
10代のうちからクルマを運転するみたいにモーターボートを運転させてもらえるって
だいぶ文化が違うなあ/驚
この挿絵は少年探偵団シリーズみたいでかなりイイv
【内容抜粋メモ】
登場人物
カイツブリ号
ピーター 長男 15歳 真面目で責任感が強い
ジル 長女 水泳が得意
マイクル 次男 陽気で人づきあいが上手い
マーガレット号
タッカー氏 アメリカ人の銀行員
シャーリィ 娘
ウィルバー 息子 12歳
ブランクソム ロンドン警視庁の主任警部 ピーターらの父
デンビー警部
●金塊強盗事件
ピーターの演劇を観て、父の運転するクルマで自宅に帰る途中のマイクル
母はジルの演劇発表のほうを観に行っている
毎年、夏休みの計画を立てるが、父ブランクソムはロンドン警視庁の主任警部のため
いつもなにかしら事件が起きておじゃんになる
クルマの前に後ろ手に縛られた男が現れて
助けるとブランクソムの知るデンビー警部
列車に積まれた金塊が盗まれて、デンビー警部はクロロホルムをかがせられて失神
トラックのナンバーは覚えたが、乗り換えた可能性が高い
現場で見かけたのは5人
ロバート・G・チェスターフィールドという金持ちの金塊
彼が3歳の時、大けがをして一命をとりとめた
医者のヘミングは高い医療費を請求しなかった
40年後、ロバートは大富豪となり、ヘミングは亡くなっていたが
体の不自由な子どもたちの病院を建てるために大金をイギリスに送ろうと思った
現金の代わりに金の延べ棒104個に自分の名前のRGCと刻んで
アスカニア号に積み、サウザンプトン目指して出航
そこから列車に乗せ、デンビー警部が見張っていた
大量の金塊を処分する取引があれば、犯人が分かるだろう
●夏休み
パリで延べ棒が3本が発見された
ブランクソムは捜査のためにパリに向かう
母はスコットランドの叔母の家に行く
ティルマン刑事にカイツブリ号をドーバーまで運んでもらう
ピーターは子ども3人だけでパリまで行きたいと提案
ムリな天気の日は絶対、船を出さないことを条件にOKする父
港も飛行機も徹底的に警察が調べている
マイクル:ぼくなら小型のクルーザーの底に隠すな
●竜骨の下
船を出すと、早速、警察に船内をくまなく調べられる
2時間でフランスに到着する予定 まずはブローニュに向かう
ブイの内側で船が停まり、手旗信号を振っている男を見つける
マーガレット号に乗っていたのは、父親のタッカー氏、長女シャーリィ、弟ウィルバー
ロープが船にからまった上、いかりを海中に落としてしまったと言う
ジルが海底に潜ってロープを切ると言うと、何度も止めるタッカー氏
あっという間に作業を終えたジルにビックリする
シャーリィ:父さんの友だちが溺れ死んだ人がいて神経質になっているの
ジルはマーガレット号の竜骨にRGCのサインが入った金塊が
2個付いているのを見たときょうだいに教える
あの親子は密輸団か強盗犯と推理し、尾行する
どこかで金塊を外して、引き渡すのを見たら
父か警察に報告しようと決める
さり気なく探ると、ヨットはクラブを通じて借りたもので
目的地は決めていない
名前を聞かれて、ピーターは本名、マイクルとジルはウィルソンという偽名を使い
兄だけ親の違う兄弟ってことにしようとつじつまを合わせる
●マイクルの活躍
タッカー氏に夕食に誘われ、マイクルは船に残ると言うと、ウィルバーも残る
釣りが大好きなため、船から釣り糸を垂らして、見事なウナギを何匹も吊り上げる
夜中に帰ってきたタッカー氏らに見せて、翌朝の朝食に食べようと提案
マイクルとウィルバーは意気投合、ピーターはシャーリィが白だと断言する
では、タッカー氏の犯行を子どもたちは知らないのか?
夜は1人数時間ごとに見張るが何も起こらなかった
朝食の時に写真を撮って、手紙とフィルムを小包にして速達で出す
タッカー氏は乗組員を交代しようと言って、シャーリィがカイツブリ号に来て
マイクルはマーガレット号に乗り込む
シャーリィとジルも仲良くなる
船を停めると食料品屋が来て、注文をとり、明日の朝7時に品物を届けると言う
タッカー氏はシェルブールを目指していたが、ピーターたちがパリへ行くと聞いて
自分たちも一緒に行くと言い出す
また夜に見張りをしていたマイクルは、今まで見たこともない大きな魚影を見る
釣り糸に引っかかったが、すごい力で切れてしまい、ピーターに話しても信じてくれない
●マスカレ
水門を越えて、船を並べて停めると、フランス人の数人から
「夜にマスカレがくるぞ ボーン!」と警告されるが意味が分からず無視する
その夜、マイクルはウィルバーに大きな魚を見た話をしていると
不吉なうなりを聞いて、あっという間に2つの船は高波で大きく揺れる
ロープをつなごうとしていたウィルバーは海に投げ出され頭を打つ
ジルにフランス語辞典で調べてもらうと
マスカレはセーヌ川の恐ろしい高潮のことだと分かる
●水門
タッカー氏も親切なので、他の誰かが知らない間に
船に金塊をつけたのでは?と言い出すジル
ルーアンで昼食をとり、みんなで街を歩き
タッカー氏は女の子たちにアクセサリーをプレゼントする
船に戻ったのは午後4時頃
カイツブリ号が通った後で、19時に水門の開け閉めは終わり、次は明日の6時と言われる
タッカー氏はこのことを知っていて、街での買い物を遅らせたのでは?と思うきょうだい
その夜は、マーガレット号の近くの草むらにジルとピーターが見張り、寝てしまう
午前2時、水が減り、マーガレット号が傾き、タッカー氏らがロープを結ぶ
ウィルバーは眠れず、ザリガニを見つけて、マイクルを呼ぼうとして船を降りたため
ピーターらはここで涼んでいたんだと誤魔化す
ザリガニを探している間に、ウィルバーはカイツブリ号の竜骨につけた金塊を見つける!
街で買い物をしている間に誰かがマーガレット号からカイツブリ号につけ直したと思われる
ウィルバーは「密輸団だな!」と誤解して父に報告
●暗号
タッカー氏らもピーターらの言動が少し怪しいと思っていて
警察に連絡すると言うが、これまでの経緯を話す
マイクル:
あの夜、大きな魚だと思ったのは人間だったんだ!
食料品屋の男は「どこに向かっているか」と尋ねた
イギリスからフランスに向かう船ならいいが
タッカー氏はシェルブールと言ったため
カイツブリ号に移したんだ
「ことば暗号」で事情を書いて父に電報を打つ
●追跡
水門でデンビー警部と落ち合い、父からの手紙を受け取る
金塊がどこに運ばれるかまで調べなければならない
いつも通りにふるまって、9つの橋を抜け、パリのカフェで休み
ブランクソム氏と合流 父はマーガレット号に乗り込むことにする
夜の2時、竜骨から金塊を外した男が
近くのボートに乗って逃げたため2隻で追跡
中州で挟み撃ちにして、マーガレット号は相手のボートに突っ込み、犯人2人は逃走
走っておいかけたピーターとブランクソムは
犯人と間違えられて逮捕され、犯人に逃げられる
ウィルバーとマイクルは竜骨からとった金塊2つを取り戻し
マーガレット号にあいた穴を毛布などを詰めてふさぐ
ついでに船底の水もかいだそうとして板をどけると
残りの金塊が出てきて驚く
結局、1個以外はすべて発見 食料品屋の男がくすねたのかもしれない
マイクル:僕が金塊を隠すなら船底を選ぶって言ったはずだよ
逃げた男2人は見つかって逮捕された
にせ漁船は修理され、警察からブローニュの漁師に売られ
「黄金のかくし場所号」と名付けられた
病院の建設が始まり、ロバート氏は金塊1個分のお金を今度は小切手で郵送した
起工式にピーター、ジル、マイクルが招待を受けて
金でつくった小さな自由の女神像と鐘をもらい
ジルはシャーリィたちに鐘のほうをあげることにする
市長:アメリカには、すでに1つあるからね
■あとがき
カイツブリ号もマーガレット号もエンジンで動くクルーザー(スモールボート・小型艇)
ロジャー・ビルキントン
ヨーロッパの水路を何年にもわたり旅をした
妻子を連れて、持ち船「コマドー号」で海へ出た体験をいくつもの物語にした
本作のブランクソム一家の冒険旅行の物語は他にもある
「人を退屈させる本が書けない」と言われる作家
『行方不明のパネル』
『ダリア号の積み荷』など
ロジャー:子どもたちこそ、大人にもまして、本当の冒険を愉しむことができる
大人は型にはまった生活からなかなか抜け出せず
それを唯一の正しい生き方のように思い込み、それですべてを判断する
空想貧しき少年時代は、心貧しい大人をつくる
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
終始、船と航行に関する専門的知識が満載で、詳しくない人が読むとチンプンカンプン???
10代のうちからクルマを運転するみたいにモーターボートを運転させてもらえるって
だいぶ文化が違うなあ/驚
この挿絵は少年探偵団シリーズみたいでかなりイイv
【内容抜粋メモ】
登場人物
カイツブリ号
ピーター 長男 15歳 真面目で責任感が強い
ジル 長女 水泳が得意
マイクル 次男 陽気で人づきあいが上手い
マーガレット号
タッカー氏 アメリカ人の銀行員
シャーリィ 娘
ウィルバー 息子 12歳
ブランクソム ロンドン警視庁の主任警部 ピーターらの父
デンビー警部
●金塊強盗事件
ピーターの演劇を観て、父の運転するクルマで自宅に帰る途中のマイクル
母はジルの演劇発表のほうを観に行っている
毎年、夏休みの計画を立てるが、父ブランクソムはロンドン警視庁の主任警部のため
いつもなにかしら事件が起きておじゃんになる
クルマの前に後ろ手に縛られた男が現れて
助けるとブランクソムの知るデンビー警部
列車に積まれた金塊が盗まれて、デンビー警部はクロロホルムをかがせられて失神
トラックのナンバーは覚えたが、乗り換えた可能性が高い
現場で見かけたのは5人
ロバート・G・チェスターフィールドという金持ちの金塊
彼が3歳の時、大けがをして一命をとりとめた
医者のヘミングは高い医療費を請求しなかった
40年後、ロバートは大富豪となり、ヘミングは亡くなっていたが
体の不自由な子どもたちの病院を建てるために大金をイギリスに送ろうと思った
現金の代わりに金の延べ棒104個に自分の名前のRGCと刻んで
アスカニア号に積み、サウザンプトン目指して出航
そこから列車に乗せ、デンビー警部が見張っていた
大量の金塊を処分する取引があれば、犯人が分かるだろう
●夏休み
パリで延べ棒が3本が発見された
ブランクソムは捜査のためにパリに向かう
母はスコットランドの叔母の家に行く
ティルマン刑事にカイツブリ号をドーバーまで運んでもらう
ピーターは子ども3人だけでパリまで行きたいと提案
ムリな天気の日は絶対、船を出さないことを条件にOKする父
港も飛行機も徹底的に警察が調べている
マイクル:ぼくなら小型のクルーザーの底に隠すな
●竜骨の下
船を出すと、早速、警察に船内をくまなく調べられる
2時間でフランスに到着する予定 まずはブローニュに向かう
ブイの内側で船が停まり、手旗信号を振っている男を見つける
マーガレット号に乗っていたのは、父親のタッカー氏、長女シャーリィ、弟ウィルバー
ロープが船にからまった上、いかりを海中に落としてしまったと言う
ジルが海底に潜ってロープを切ると言うと、何度も止めるタッカー氏
あっという間に作業を終えたジルにビックリする
シャーリィ:父さんの友だちが溺れ死んだ人がいて神経質になっているの
ジルはマーガレット号の竜骨にRGCのサインが入った金塊が
2個付いているのを見たときょうだいに教える
あの親子は密輸団か強盗犯と推理し、尾行する
どこかで金塊を外して、引き渡すのを見たら
父か警察に報告しようと決める
さり気なく探ると、ヨットはクラブを通じて借りたもので
目的地は決めていない
名前を聞かれて、ピーターは本名、マイクルとジルはウィルソンという偽名を使い
兄だけ親の違う兄弟ってことにしようとつじつまを合わせる
●マイクルの活躍
タッカー氏に夕食に誘われ、マイクルは船に残ると言うと、ウィルバーも残る
釣りが大好きなため、船から釣り糸を垂らして、見事なウナギを何匹も吊り上げる
夜中に帰ってきたタッカー氏らに見せて、翌朝の朝食に食べようと提案
マイクルとウィルバーは意気投合、ピーターはシャーリィが白だと断言する
では、タッカー氏の犯行を子どもたちは知らないのか?
夜は1人数時間ごとに見張るが何も起こらなかった
朝食の時に写真を撮って、手紙とフィルムを小包にして速達で出す
タッカー氏は乗組員を交代しようと言って、シャーリィがカイツブリ号に来て
マイクルはマーガレット号に乗り込む
シャーリィとジルも仲良くなる
船を停めると食料品屋が来て、注文をとり、明日の朝7時に品物を届けると言う
タッカー氏はシェルブールを目指していたが、ピーターたちがパリへ行くと聞いて
自分たちも一緒に行くと言い出す
また夜に見張りをしていたマイクルは、今まで見たこともない大きな魚影を見る
釣り糸に引っかかったが、すごい力で切れてしまい、ピーターに話しても信じてくれない
●マスカレ
水門を越えて、船を並べて停めると、フランス人の数人から
「夜にマスカレがくるぞ ボーン!」と警告されるが意味が分からず無視する
その夜、マイクルはウィルバーに大きな魚を見た話をしていると
不吉なうなりを聞いて、あっという間に2つの船は高波で大きく揺れる
ロープをつなごうとしていたウィルバーは海に投げ出され頭を打つ
ジルにフランス語辞典で調べてもらうと
マスカレはセーヌ川の恐ろしい高潮のことだと分かる
●水門
タッカー氏も親切なので、他の誰かが知らない間に
船に金塊をつけたのでは?と言い出すジル
ルーアンで昼食をとり、みんなで街を歩き
タッカー氏は女の子たちにアクセサリーをプレゼントする
船に戻ったのは午後4時頃
カイツブリ号が通った後で、19時に水門の開け閉めは終わり、次は明日の6時と言われる
タッカー氏はこのことを知っていて、街での買い物を遅らせたのでは?と思うきょうだい
その夜は、マーガレット号の近くの草むらにジルとピーターが見張り、寝てしまう
午前2時、水が減り、マーガレット号が傾き、タッカー氏らがロープを結ぶ
ウィルバーは眠れず、ザリガニを見つけて、マイクルを呼ぼうとして船を降りたため
ピーターらはここで涼んでいたんだと誤魔化す
ザリガニを探している間に、ウィルバーはカイツブリ号の竜骨につけた金塊を見つける!
街で買い物をしている間に誰かがマーガレット号からカイツブリ号につけ直したと思われる
ウィルバーは「密輸団だな!」と誤解して父に報告
●暗号
タッカー氏らもピーターらの言動が少し怪しいと思っていて
警察に連絡すると言うが、これまでの経緯を話す
マイクル:
あの夜、大きな魚だと思ったのは人間だったんだ!
食料品屋の男は「どこに向かっているか」と尋ねた
イギリスからフランスに向かう船ならいいが
タッカー氏はシェルブールと言ったため
カイツブリ号に移したんだ
「ことば暗号」で事情を書いて父に電報を打つ
●追跡
水門でデンビー警部と落ち合い、父からの手紙を受け取る
金塊がどこに運ばれるかまで調べなければならない
いつも通りにふるまって、9つの橋を抜け、パリのカフェで休み
ブランクソム氏と合流 父はマーガレット号に乗り込むことにする
夜の2時、竜骨から金塊を外した男が
近くのボートに乗って逃げたため2隻で追跡
中州で挟み撃ちにして、マーガレット号は相手のボートに突っ込み、犯人2人は逃走
走っておいかけたピーターとブランクソムは
犯人と間違えられて逮捕され、犯人に逃げられる
ウィルバーとマイクルは竜骨からとった金塊2つを取り戻し
マーガレット号にあいた穴を毛布などを詰めてふさぐ
ついでに船底の水もかいだそうとして板をどけると
残りの金塊が出てきて驚く
結局、1個以外はすべて発見 食料品屋の男がくすねたのかもしれない
マイクル:僕が金塊を隠すなら船底を選ぶって言ったはずだよ
逃げた男2人は見つかって逮捕された
にせ漁船は修理され、警察からブローニュの漁師に売られ
「黄金のかくし場所号」と名付けられた
病院の建設が始まり、ロバート氏は金塊1個分のお金を今度は小切手で郵送した
起工式にピーター、ジル、マイクルが招待を受けて
金でつくった小さな自由の女神像と鐘をもらい
ジルはシャーリィたちに鐘のほうをあげることにする
市長:アメリカには、すでに1つあるからね
■あとがき
カイツブリ号もマーガレット号もエンジンで動くクルーザー(スモールボート・小型艇)
ロジャー・ビルキントン
ヨーロッパの水路を何年にもわたり旅をした
妻子を連れて、持ち船「コマドー号」で海へ出た体験をいくつもの物語にした
本作のブランクソム一家の冒険旅行の物語は他にもある
「人を退屈させる本が書けない」と言われる作家
『行方不明のパネル』
『ダリア号の積み荷』など
ロジャー:子どもたちこそ、大人にもまして、本当の冒険を愉しむことができる
大人は型にはまった生活からなかなか抜け出せず
それを唯一の正しい生き方のように思い込み、それですべてを判断する
空想貧しき少年時代は、心貧しい大人をつくる