1971年初版 瀬田貞二/訳 ブライアン・ワイルドスミス/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
このタイトルから、以前、CDでオペラを聴くのにハマっていた時に
感動で号泣した『ニーベルングの指環』の話かと期待したけれども、違った
でも、世界各国の神話はどことなく似通っているのが興味深い
大神はギリシャ神話ではゼウス、愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)
とんでもない怪力のヘラクレスなどと同じ神も出てくる
ちょっとひっかかるのは、男性優位に書かれているフシがあること
日本はアマテラスという女神が筆頭だもんね
神の世界、人間界にも悪が蔓延して、終末が訪れ
再び平和な世が訪れる破壊と創造は
小説、映画、マンガなどで繰り返し描かれているテーマ
<ファミリーツリー>
【内容抜粋メモ】(込み入ってるため、メモり間違いがあったらすみません/謝
「エーシル神族」
アースガルド バルハラ宮に住む
オージン 神々の父 片目 妻フリッガ
大ガラスのフギン、ムニン 世界中を飛び回り、夕方になると見聞きしたことを神に告げる
8本足の名馬スレイプニールに乗る
ノルン姉妹 ウルドは過去、ベルランディは現在、最も賢いスクールドは未来が見える
雷神トール 怪力 ミオルニールの槌は巨人を倒す唯一の武器 2匹のヤギ“あけ口”“とじ口”に乗る
「巨人族」 最後の決戦でエーシル神と戦う運命にある
「小人族」
霧の国ニフェルヘイムに住み、鉄、黄金、宝石を細工する 王ドゥリン
一番の知恵者ドバーリン
「トロル族」 巨人と小人を混ぜた出来損ない
「ミッドガルド(中つ国)」ヒトの国 賢者ミミール
「ラグナローク」 最後の決戦
言霊 ルーネ文字 古代の北方民族が使った
●宇宙の木イグドラシール
北の地方は夏が短く、冬が長く、寒い
生きることは、自然の力との戦い
北方の人たちが信じる天地創造
ギヌンガガップという大きながらんどうがあった
霧が出て、南に火の国ムスペルヘイム、北に霧の国ニフェルヘイム
巨人族のみなもとはイミール
その他、魔女、魔人、人食い鬼、怪物トロル
牝牛アウズムラからエーシル神族のブーリ
その子ボル 妻は巨人族のベスツラ
3人の息子 オージン、ビーリ、ベー
ミッドガルド(中つ国)ヒトの国
巨人のなきがらからヒトの住む世ができた
1本のトネリコと1本のニワトコから初めての男女アスクとエンブラをつくる
巨人、魔物がヒトと化して結婚し、罪、悲しみが広まった
小人族は霧の国ニフェルヘイムに住み、鉄、黄金、宝石を細工する
ノルン姉妹
オージンより物知り
ウルドは過去、ベルランディは現在、最も賢いスクールドは未来が見える
ラグナローク
巨人とエーシル神族が善悪をかけて戦う最後の決戦
オージンは子ヘイムダールに命じ、ヒトに生まれながらの位をつくらせる
働く者、つくる者、おさめる者
デンマーク王 ミッドガルドで初めての王
英雄が戦場で死ぬと、中でもとくに勇ましい者を選び、宴会に呼び
ラグナロークで神とともに戦う際に備える
●知恵をもとめるオージン
巨人の乙女グルベイグはヒトの心に黄金を好む影響を与えた
罰しようとすると、エーシル神とバニール神の戦を予告して去る
オージンの弟ホニールがバニールの国に住むことで和平を結ぶ
生まれながらの大人クバシールは誰にでも知恵を授けた
小人は彼を殺して魔法の酒をつくる
飲むと詩人、学者、予言者になる
巨人スツングは娘グンロードを倉に閉じこめて酒を守る
オージンは若者に化身して、グンロードを誘い、酒を盗み、ワシになって去り
ヒトに与えて、「サガ」(家、人の英雄的なふるまいを語る北方の物語)を語らせる
●イズーナのリンゴ
グンロードとオージンの子ブラギは詩と音楽の神は、イズーナと結婚
イズーナは若さのリンゴを配る
神も歳をとるが、リンゴを食べると若さと強さを得る
巨人の血が流れる悪戯者ロキ
誰より知恵がはたらくが、イタズラが過ぎる時がある
似たようなリンゴを見つけたとイズーナに告げて招きよせ
嵐の巨人チアッシが連れ去って妻にしようとする
オージンはロキにイズーナを連れ帰ることが出来たら
エーシル神の仲間にすると約束
ロキはタカに化身して連れ戻す
チアッシの娘スカージの復讐
夫にニオールドをくれることで和解
住む所の好みが合わない夫婦
息子フレイ、娘フレイア(愛の神 猫に黄金の戦車をひかせる!
●ロキと巨人たち
巨人スクリムスリが娘をさらって食べると泣く農夫
オージンはいろんな場所に隠して救い、スクリムスリは流砂に飲まれる
石工がフレイアを妻に欲しいと願う
石工の馬スバジルファリはものすごい働きをするので
ロキに知恵を出させると、雌馬に化けて誘惑
この世で一番足の速い8本足の名馬スレイプニールがオージンの馬となる
●ロキのいたずら
ロキは巨人女アングルボーダと結婚して3人の子をもうける
ヘラ 死者の魂が行くヘルヘイムの女王となる
大蛇ヨルムンガンド
狼フェンリス ラグナロークの際、オージンを殺す運命をもつ
黒い小人族がつくったグレイプニールの鎖だけが
フェンリスを縛ることができるため
オージンの子チールが片腕を犠牲にして
ラグナロークの日まで岩に縛られるフェンリス
ロキはフェンリスを縛った怪力トールを憎み
妻のシフの美しい金髪を盗む
トールは激怒してロキを責め、グレイプニールをつくった小人に髪をつくらせる
小人ブロークはトールに天下一強い宝ミオルニールの槌を渡す
トキは唇を縫われて、糸を取った跡が残る
●花嫁フレイア
夫オズールを深く愛しているが、宝石好きで有名
3人の小人が罠をしかける
この世のものとは思えないほど美しい首飾りプリシンガーメンを売る代わりに
3人と1日ずつ結婚してくれという条件を飲む
それを知ったロキは首飾りを盗んで夫に見せる
フレイアは罪を忘れないために、ずっと首からプリシンガーメンをさげる身となり
怒った夫を探しにさまよう
兄フレイは妹を探し、巨人ゲルダに一目ぼれする
親友スキルニールに打ち明け、11個の純金のリンゴを差し出し
フレイの夫になるか、3頭の醜いトロルの夫になるかと迫り、2人は結婚
巨人の王ツリムは、トールの槌を隠し、フレイアを妻にくれと脅す
トールは女装して、ロキとともに城に入り、槌を奪い返して巨人をなぎ倒す
●ウトガルドへ招かれたトール
巨人族はトールの槌を怖れて仲直りを申し出る
トールは巨人スクリミールの案内でウトガルドに導かれる
宿にしたのは、彼の手袋!
巨人の王ウトガルドハロキは、トールの力を試すため技比べしようと誘う
ロキの食べ比べ、従者チアルフィの走り比べ、トールの酒の飲み比べ
巨大猫を持ち上げる力比べ、エリばばとの相撲、いずれも負けて
もう二度と巨人の国に来るなと約束させるが
食べ比べしたのは火、走り比べしたのは“思い”
酒の盃は海につながり、ネコは大蛇、エリばばは“月日”だったと明かし
トールの力がとんでもないことを知る
●オージンの旅
9つの世界に平和が続く
王の子ゲラードとアグナールに戦い方、病の治し方などを教えた百姓夫婦は
オージンと妻フリッガ
兄ゲラードは弟アグナールを海に落とし、自分が王となる
アグナールは巨人に介抱され、扮装して宮殿に来る
旅人に扮装したオージンを酷い目に遭わせたゲラードは剣に倒れ
善人アグナールが王位につく
巨人バルフスルドニール
ラグナロークの日に、フェンリスがオージンを食らい
ビダールが仇をうつと話す
巨人ルングニールがエーシル神の酒で酔っぱらってるのを見て怒るトール
巨人は粘土でルングニールのニセモノをつくる(ゴーレムか?
巨人はやっつけたが、頭の中に砥石のかけらが残り
砥石を放り出すとトールが頭痛を起こすから禁じられた
●トロル王ゲイロズール
巨人ゲイロズールはタカに化身したロキを見つけて箱に閉じこめ
トールを城に連れて来いと命じる
森の主で良い巨人グリードは、トールに忠告し、力帯などを貸す
そのお陰で巨人を倒し、その娘の背中をつぶす
(どっちが悪人なんだか・・・?
ゴルム王とトールキルはその後、この国を訪れ、狂ったり、嵐に遭ったりして
数人しか生き残れなかった
●海の巨人エーギルの大なべ
9人の美しい波の娘たちが盃を配る宴会の様はアースガルドと同じ
大酒飲みのトールが巨人ヒミールの大なべを持ってきたら招こうと約束
ヒミールはトールと釣りに出かけ、牛の頭をエサに!
大蛇ヨルムンガンドを釣り上げて驚き、糸を切る
トールに負けて大なべをあげる
トールは巨人を槌で倒す
帰りの川を渡る時、向こう岸のじいさんが渡さないと言い
2人は今まで殺した数を競って言い争いになる
後でそれが父オージンで自慢好きの息子をからかうとトールは大いに笑う
●バルズールの死
エーシル神の中でもっとも優しく、うるわしいバルズール
双子の弟ホズールは盲目で、いつも一人で沈む
オージンはラグナロークのさだめでバルズールが死ぬ運命にあることを嘆き
なんとか助けられないかと、女予言者ボルバをよみがえらせる
彼女はバルズールを殺すのはホズール
ホズールの仇討するのはオージンの子バーリと告げる
フリッガは地上に生きるものすべてに
バルズールを殺さないと約束させて安泰だと言うと
エーシル神たちはいろんな武器で試してみて
死なない様子を見て笑い興じる(どんな遊びだ/汗
フリッガが老婆に訊ねると、ヤドリギが殺めると告げる
老婆はロキの化身で、ヤドリギの枝で武器をつくり
盲目のホズールに持たせて兄を殺させる
宮内で血を流すのは禁止のため、誰もホズールを討たない
フリッガはヘルヘイムに行って
バルズールをアースガルドに戻してくれるよう頼んでくれと請うと
早足のヘルモズールがヘラに会う
バルズールに最後のキスをしようとした妻ナンナは心臓が破れて死ぬ
船に2人を乗せ、岸を離れる時、オージンは子の耳に「希望」とささやく
半分は生者、半分は死者の顔のヘラ
死者は、地獄の大がまフベンゲルミールに入れ
イノシシのニッドの餌食にされる
ヘラ:この世のあらゆる者が彼のために泣くならば帰そう
大地、岩、木々、金属さえも泣いたが
洞穴に住む巨人女トックだけは泣かない
バルズールはラグナロークの日まで死者のもとに留まることになる
●バーリのあだうち
オージンは子バーリを生むヒトの女を探し
ロスチオーフという魔法使いを訪ね
ルセニア族の王ビリングの娘リンダだと告げる
リンダはオージンの妻となる運命を知っていて、誰も寄せ付けない
オージンは若く美しい戦士に身を変えて、ルーネ文字を書いた杖で胸と額を触る
バーリは生まれて一夜しかたたないうちにバルハラ宮に来る
あっという間に成長し、ホズールを討つ
ホズールは兄と再会し、ラグナロークの日まで仲良く暮らす
●ロキの罰
ミッドガルドでは戦争が激しくなり、ラグナロークの日が近い
ロキがホズールにヤドリギを渡し、泣かなかったトックもロキだと疑うエーシル神
ロキが宴会に来て拒むと、これまでの神々の失態を口汚く並べる
スカージ:お前が岩にくくられる様が見える
ロキ:エーギルの宮殿なんか火事で焼ければいいんだ!(仲間外れで寂しいのか?
ロキはエーシル神から隠れてサケになりフラナンゲルの滝に入るも
結局、岩に縛られる
妻シギンだけがロキを憐れむ
●ラグナロークの日 神々のたそがれの日
オージンは予言者ハイドに詳細を聞く
ハイド:
先の世と今が1つに溶け合い、見聞きすることを話そう
人間の悪が極まり、フィンブルの冬が来て、3年続く
あらゆるいましめがとけ、フェンリス狼、大蛇ヨルムンガンドが出る
ロキ、ヘラ、地獄の犬ガルムも巨人たちとともに戦う
チールはガルム、トールはヨルムンガンドと討ち合って死ぬ
オージンは美しい鎧を着て、先頭に立つ
フェンリスはオージンを襲う
ビダールはフェンリスのアゴを引き裂く
ロキはヘイムダールととも討ちとなる
海の中から新しい緑豊かな大地が上がる
アースガルドがあったイダの野に、生き延びたビダール、バーリ
トールの息子マグニ、モージ
バルズールとホズールも現れ、諸悪が通り過ぎたことを話し合う
ホニールがバナヘイムから来て加わり、知恵をもたらす
新しい宮がミッドガルドの人間の死者の魂を待つ
男女リフとリフスラシールは眠りから目覚め
2人から多くの子どもが産まれてミッドガルドに満ちる
ハイドと同じ映像を見たオージンはうれし泣きする
エーシル神にこれから先の世の良い知らせを告げる
バルズールの耳にささやいた「希望」の意味を知る
それは「生まれ変わり(再生)」のことだった
■訳者あとがき
著者ロジャは研究家肌のイギリスの児童文学者
挿絵のブライアンは、イギリスの児童書の挿絵画家として一流
本書は北欧神話
もとはドイツやイギリスと同じく、ゲルマン族(ヨーロッパの森の民)が祖先
他民族に押されてスカンジナビア半島、アイスランド、グリーンランドに散った
北方の人々は悲劇的で英雄的
宇宙の木イグドラシールを中心として7重の世界を形づくり
神々、人間、小人、巨人が住む
北方の人々がさまよう間に、断片的な詩が残り歌い継がれた
13C、スノリ・ストウルソンという司祭が神話を再現『散文のエッダ』
17C、アイスランドの寺から発見された
これらは、あらゆる面に大きな影響を与え
今も生きている伝承
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
このタイトルから、以前、CDでオペラを聴くのにハマっていた時に
感動で号泣した『ニーベルングの指環』の話かと期待したけれども、違った
でも、世界各国の神話はどことなく似通っているのが興味深い
大神はギリシャ神話ではゼウス、愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)
とんでもない怪力のヘラクレスなどと同じ神も出てくる
ちょっとひっかかるのは、男性優位に書かれているフシがあること
日本はアマテラスという女神が筆頭だもんね
神の世界、人間界にも悪が蔓延して、終末が訪れ
再び平和な世が訪れる破壊と創造は
小説、映画、マンガなどで繰り返し描かれているテーマ
<ファミリーツリー>
【内容抜粋メモ】(込み入ってるため、メモり間違いがあったらすみません/謝
「エーシル神族」
アースガルド バルハラ宮に住む
オージン 神々の父 片目 妻フリッガ
大ガラスのフギン、ムニン 世界中を飛び回り、夕方になると見聞きしたことを神に告げる
8本足の名馬スレイプニールに乗る
ノルン姉妹 ウルドは過去、ベルランディは現在、最も賢いスクールドは未来が見える
雷神トール 怪力 ミオルニールの槌は巨人を倒す唯一の武器 2匹のヤギ“あけ口”“とじ口”に乗る
「巨人族」 最後の決戦でエーシル神と戦う運命にある
「小人族」
霧の国ニフェルヘイムに住み、鉄、黄金、宝石を細工する 王ドゥリン
一番の知恵者ドバーリン
「トロル族」 巨人と小人を混ぜた出来損ない
「ミッドガルド(中つ国)」ヒトの国 賢者ミミール
「ラグナローク」 最後の決戦
言霊 ルーネ文字 古代の北方民族が使った
●宇宙の木イグドラシール
北の地方は夏が短く、冬が長く、寒い
生きることは、自然の力との戦い
北方の人たちが信じる天地創造
ギヌンガガップという大きながらんどうがあった
霧が出て、南に火の国ムスペルヘイム、北に霧の国ニフェルヘイム
巨人族のみなもとはイミール
その他、魔女、魔人、人食い鬼、怪物トロル
牝牛アウズムラからエーシル神族のブーリ
その子ボル 妻は巨人族のベスツラ
3人の息子 オージン、ビーリ、ベー
ミッドガルド(中つ国)ヒトの国
巨人のなきがらからヒトの住む世ができた
1本のトネリコと1本のニワトコから初めての男女アスクとエンブラをつくる
巨人、魔物がヒトと化して結婚し、罪、悲しみが広まった
小人族は霧の国ニフェルヘイムに住み、鉄、黄金、宝石を細工する
ノルン姉妹
オージンより物知り
ウルドは過去、ベルランディは現在、最も賢いスクールドは未来が見える
ラグナローク
巨人とエーシル神族が善悪をかけて戦う最後の決戦
オージンは子ヘイムダールに命じ、ヒトに生まれながらの位をつくらせる
働く者、つくる者、おさめる者
デンマーク王 ミッドガルドで初めての王
英雄が戦場で死ぬと、中でもとくに勇ましい者を選び、宴会に呼び
ラグナロークで神とともに戦う際に備える
●知恵をもとめるオージン
巨人の乙女グルベイグはヒトの心に黄金を好む影響を与えた
罰しようとすると、エーシル神とバニール神の戦を予告して去る
オージンの弟ホニールがバニールの国に住むことで和平を結ぶ
生まれながらの大人クバシールは誰にでも知恵を授けた
小人は彼を殺して魔法の酒をつくる
飲むと詩人、学者、予言者になる
巨人スツングは娘グンロードを倉に閉じこめて酒を守る
オージンは若者に化身して、グンロードを誘い、酒を盗み、ワシになって去り
ヒトに与えて、「サガ」(家、人の英雄的なふるまいを語る北方の物語)を語らせる
●イズーナのリンゴ
グンロードとオージンの子ブラギは詩と音楽の神は、イズーナと結婚
イズーナは若さのリンゴを配る
神も歳をとるが、リンゴを食べると若さと強さを得る
巨人の血が流れる悪戯者ロキ
誰より知恵がはたらくが、イタズラが過ぎる時がある
似たようなリンゴを見つけたとイズーナに告げて招きよせ
嵐の巨人チアッシが連れ去って妻にしようとする
オージンはロキにイズーナを連れ帰ることが出来たら
エーシル神の仲間にすると約束
ロキはタカに化身して連れ戻す
チアッシの娘スカージの復讐
夫にニオールドをくれることで和解
住む所の好みが合わない夫婦
息子フレイ、娘フレイア(愛の神 猫に黄金の戦車をひかせる!
●ロキと巨人たち
巨人スクリムスリが娘をさらって食べると泣く農夫
オージンはいろんな場所に隠して救い、スクリムスリは流砂に飲まれる
石工がフレイアを妻に欲しいと願う
石工の馬スバジルファリはものすごい働きをするので
ロキに知恵を出させると、雌馬に化けて誘惑
この世で一番足の速い8本足の名馬スレイプニールがオージンの馬となる
●ロキのいたずら
ロキは巨人女アングルボーダと結婚して3人の子をもうける
ヘラ 死者の魂が行くヘルヘイムの女王となる
大蛇ヨルムンガンド
狼フェンリス ラグナロークの際、オージンを殺す運命をもつ
黒い小人族がつくったグレイプニールの鎖だけが
フェンリスを縛ることができるため
オージンの子チールが片腕を犠牲にして
ラグナロークの日まで岩に縛られるフェンリス
ロキはフェンリスを縛った怪力トールを憎み
妻のシフの美しい金髪を盗む
トールは激怒してロキを責め、グレイプニールをつくった小人に髪をつくらせる
小人ブロークはトールに天下一強い宝ミオルニールの槌を渡す
トキは唇を縫われて、糸を取った跡が残る
●花嫁フレイア
夫オズールを深く愛しているが、宝石好きで有名
3人の小人が罠をしかける
この世のものとは思えないほど美しい首飾りプリシンガーメンを売る代わりに
3人と1日ずつ結婚してくれという条件を飲む
それを知ったロキは首飾りを盗んで夫に見せる
フレイアは罪を忘れないために、ずっと首からプリシンガーメンをさげる身となり
怒った夫を探しにさまよう
兄フレイは妹を探し、巨人ゲルダに一目ぼれする
親友スキルニールに打ち明け、11個の純金のリンゴを差し出し
フレイの夫になるか、3頭の醜いトロルの夫になるかと迫り、2人は結婚
巨人の王ツリムは、トールの槌を隠し、フレイアを妻にくれと脅す
トールは女装して、ロキとともに城に入り、槌を奪い返して巨人をなぎ倒す
●ウトガルドへ招かれたトール
巨人族はトールの槌を怖れて仲直りを申し出る
トールは巨人スクリミールの案内でウトガルドに導かれる
宿にしたのは、彼の手袋!
巨人の王ウトガルドハロキは、トールの力を試すため技比べしようと誘う
ロキの食べ比べ、従者チアルフィの走り比べ、トールの酒の飲み比べ
巨大猫を持ち上げる力比べ、エリばばとの相撲、いずれも負けて
もう二度と巨人の国に来るなと約束させるが
食べ比べしたのは火、走り比べしたのは“思い”
酒の盃は海につながり、ネコは大蛇、エリばばは“月日”だったと明かし
トールの力がとんでもないことを知る
●オージンの旅
9つの世界に平和が続く
王の子ゲラードとアグナールに戦い方、病の治し方などを教えた百姓夫婦は
オージンと妻フリッガ
兄ゲラードは弟アグナールを海に落とし、自分が王となる
アグナールは巨人に介抱され、扮装して宮殿に来る
旅人に扮装したオージンを酷い目に遭わせたゲラードは剣に倒れ
善人アグナールが王位につく
巨人バルフスルドニール
ラグナロークの日に、フェンリスがオージンを食らい
ビダールが仇をうつと話す
巨人ルングニールがエーシル神の酒で酔っぱらってるのを見て怒るトール
巨人は粘土でルングニールのニセモノをつくる(ゴーレムか?
巨人はやっつけたが、頭の中に砥石のかけらが残り
砥石を放り出すとトールが頭痛を起こすから禁じられた
●トロル王ゲイロズール
巨人ゲイロズールはタカに化身したロキを見つけて箱に閉じこめ
トールを城に連れて来いと命じる
森の主で良い巨人グリードは、トールに忠告し、力帯などを貸す
そのお陰で巨人を倒し、その娘の背中をつぶす
(どっちが悪人なんだか・・・?
ゴルム王とトールキルはその後、この国を訪れ、狂ったり、嵐に遭ったりして
数人しか生き残れなかった
●海の巨人エーギルの大なべ
9人の美しい波の娘たちが盃を配る宴会の様はアースガルドと同じ
大酒飲みのトールが巨人ヒミールの大なべを持ってきたら招こうと約束
ヒミールはトールと釣りに出かけ、牛の頭をエサに!
大蛇ヨルムンガンドを釣り上げて驚き、糸を切る
トールに負けて大なべをあげる
トールは巨人を槌で倒す
帰りの川を渡る時、向こう岸のじいさんが渡さないと言い
2人は今まで殺した数を競って言い争いになる
後でそれが父オージンで自慢好きの息子をからかうとトールは大いに笑う
●バルズールの死
エーシル神の中でもっとも優しく、うるわしいバルズール
双子の弟ホズールは盲目で、いつも一人で沈む
オージンはラグナロークのさだめでバルズールが死ぬ運命にあることを嘆き
なんとか助けられないかと、女予言者ボルバをよみがえらせる
彼女はバルズールを殺すのはホズール
ホズールの仇討するのはオージンの子バーリと告げる
フリッガは地上に生きるものすべてに
バルズールを殺さないと約束させて安泰だと言うと
エーシル神たちはいろんな武器で試してみて
死なない様子を見て笑い興じる(どんな遊びだ/汗
フリッガが老婆に訊ねると、ヤドリギが殺めると告げる
老婆はロキの化身で、ヤドリギの枝で武器をつくり
盲目のホズールに持たせて兄を殺させる
宮内で血を流すのは禁止のため、誰もホズールを討たない
フリッガはヘルヘイムに行って
バルズールをアースガルドに戻してくれるよう頼んでくれと請うと
早足のヘルモズールがヘラに会う
バルズールに最後のキスをしようとした妻ナンナは心臓が破れて死ぬ
船に2人を乗せ、岸を離れる時、オージンは子の耳に「希望」とささやく
半分は生者、半分は死者の顔のヘラ
死者は、地獄の大がまフベンゲルミールに入れ
イノシシのニッドの餌食にされる
ヘラ:この世のあらゆる者が彼のために泣くならば帰そう
大地、岩、木々、金属さえも泣いたが
洞穴に住む巨人女トックだけは泣かない
バルズールはラグナロークの日まで死者のもとに留まることになる
●バーリのあだうち
オージンは子バーリを生むヒトの女を探し
ロスチオーフという魔法使いを訪ね
ルセニア族の王ビリングの娘リンダだと告げる
リンダはオージンの妻となる運命を知っていて、誰も寄せ付けない
オージンは若く美しい戦士に身を変えて、ルーネ文字を書いた杖で胸と額を触る
バーリは生まれて一夜しかたたないうちにバルハラ宮に来る
あっという間に成長し、ホズールを討つ
ホズールは兄と再会し、ラグナロークの日まで仲良く暮らす
●ロキの罰
ミッドガルドでは戦争が激しくなり、ラグナロークの日が近い
ロキがホズールにヤドリギを渡し、泣かなかったトックもロキだと疑うエーシル神
ロキが宴会に来て拒むと、これまでの神々の失態を口汚く並べる
スカージ:お前が岩にくくられる様が見える
ロキ:エーギルの宮殿なんか火事で焼ければいいんだ!(仲間外れで寂しいのか?
ロキはエーシル神から隠れてサケになりフラナンゲルの滝に入るも
結局、岩に縛られる
妻シギンだけがロキを憐れむ
●ラグナロークの日 神々のたそがれの日
オージンは予言者ハイドに詳細を聞く
ハイド:
先の世と今が1つに溶け合い、見聞きすることを話そう
人間の悪が極まり、フィンブルの冬が来て、3年続く
あらゆるいましめがとけ、フェンリス狼、大蛇ヨルムンガンドが出る
ロキ、ヘラ、地獄の犬ガルムも巨人たちとともに戦う
チールはガルム、トールはヨルムンガンドと討ち合って死ぬ
オージンは美しい鎧を着て、先頭に立つ
フェンリスはオージンを襲う
ビダールはフェンリスのアゴを引き裂く
ロキはヘイムダールととも討ちとなる
海の中から新しい緑豊かな大地が上がる
アースガルドがあったイダの野に、生き延びたビダール、バーリ
トールの息子マグニ、モージ
バルズールとホズールも現れ、諸悪が通り過ぎたことを話し合う
ホニールがバナヘイムから来て加わり、知恵をもたらす
新しい宮がミッドガルドの人間の死者の魂を待つ
男女リフとリフスラシールは眠りから目覚め
2人から多くの子どもが産まれてミッドガルドに満ちる
ハイドと同じ映像を見たオージンはうれし泣きする
エーシル神にこれから先の世の良い知らせを告げる
バルズールの耳にささやいた「希望」の意味を知る
それは「生まれ変わり(再生)」のことだった
■訳者あとがき
著者ロジャは研究家肌のイギリスの児童文学者
挿絵のブライアンは、イギリスの児童書の挿絵画家として一流
本書は北欧神話
もとはドイツやイギリスと同じく、ゲルマン族(ヨーロッパの森の民)が祖先
他民族に押されてスカンジナビア半島、アイスランド、グリーンランドに散った
北方の人々は悲劇的で英雄的
宇宙の木イグドラシールを中心として7重の世界を形づくり
神々、人間、小人、巨人が住む
北方の人々がさまよう間に、断片的な詩が残り歌い継がれた
13C、スノリ・ストウルソンという司祭が神話を再現『散文のエッダ』
17C、アイスランドの寺から発見された
これらは、あらゆる面に大きな影響を与え
今も生きている伝承