1967年初版 1984年 第19刷 大塚勇三/訳 エーベルト・カールソン/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
この挿絵はいつかどこかで見覚えがあるけど
ストーリーを読むのはたぶん初めてだと思う
バイキングというと血なまぐさいイメージだけれども
暴力を嫌う、気弱なビッケは、頭を働かせて大活躍する
【内容抜粋メモ】
登場人物
ハルバル バイキングのリーダー フラーケの族長
イルバ 母
ビッケ 気が弱いが、知恵がはたらく少年
スノッレ いつも難癖つけるので周りをイライラさせる
チューレ 口うるさい
●オオカミ
フラーケ地方の気の荒いオオカミに追われると
必ず「木のぼり用の木」にのぼるビッケ
上から石を投げて、頭に命中して気絶させて逃げる
フラーケの族長でビッケの父ハルバルは、気弱な息子にもっと勇ましくなってほしいが
母イルバは、息子の知恵を褒めて、ハルバルにも知恵があれば
1つ目、1つ耳にならずに済んだと小言を言い負かす
●石運び競争
イルバ:ビッケは北方きっての利口者だわ 賭けをしましょうか?
石をどれだけ積めるかを競って、母が買ったら首飾りをもらう約束
朝、受け持ちの石の山に行き、ビッケが寝転んでいるのを見て
怠け者だとハルバルは責めて、自分は力任せに大きな石を次々運ぶ
ビッケは大きな石投げ機を作って投げる方法を思いつく
石が飛ぶのを見て、「これはアースガルドの神々の仕業だぞ!」と驚く父
いい勝負だったが、ビッケが有利に終わり、ハルバルは首飾りを買いに行く
イルバ:
あまりいい気になるんじゃないよ うぬぼれっ子
自分の父親はちゃんと尊敬すべきものよ
ビッケ:父さんはステキだ 僕みたいな父さんを持つ子はいやしないさ
ハルバル:その言葉の褒美として、この夏、バイキングの遠征に連れて行ってやろう
ビッケ:僕は殴りっこは好きじゃないんだ
●落とし穴
バイキングは2隻の船に乗り、たくさんの宝物があるであろう島を見つける
スノッレ:豊かな財産には、いつでもたちの悪い男どもがくっついてるもんだぜ
宝物は一番大きな家にあるものだという単純な作戦で入ると
6mもの堀に落ちて、何百人の戦士に取り囲まれる
領主:
毎年、夏になるとスウェーデン人が盗みに来るから罠を仕掛けた
北方の人間は強い手足を持っているから奴隷に使うのだ
今よりキレイな服が着られるし、年に銀貨3枚ももらえる
バイキングは武器をとられ、牢に入れられる
のちはガレー船を漕ぐ仕事が待っている
ハルバルはビッケにどうしたらいいか尋ねると
まずは寝て、体を休めることだと言う
次に海で捕えた“ノコギリエイ”で柱をひき切る
戸に穴をあけて、かんぬきを外し、2人の番兵に猿ぐつわをかませる
とられた武器を奪い返すには、やはり番兵がいる所にあるだろうと推理して探す
魚好きな番兵にノコギリエイを見せて、売ってやるから家からお金を持ってきなさいとすすめて
1人になった番兵を縛る
領主:
私は小さなバイキングと話をしたい
戸に残る奇妙な切りあとに悩んでいるのだ
のこぎり引きを知らない領主に実際やって見せるとと感嘆する
ビッケ:
このノコギリエイを手に入れれば
ここらでのこぎり引きが出来る最初の人物になれるから
あんたの名誉は何千メートルもの絹の値打ちがありますね
バイキングはたちまちたくさんの宝物を手に入れる
●英雄的行動
若い男たちは、帰って国の連中に聞かせるような“英雄的行動”をしなきゃならないと騒ぐ
ビッケ:
同じ船に乗ってても、まったく違う手柄話をするのはざらなこと
僕が適当に考えてあげるよ そしたら、腕をなくなさなくても済む
スノッレは恐ろしい歯の痛みでわめき、みんな辟易する
同じくらい口うるさいチューレは、スノッレを海に放り込もうと言い出す
ビッケは、スノッレの歯をみんなで抜く提案をして
ヒモで歯をしばり、ハルバルの矢に結ぶ
太った海鳥を射ると、鳥肉も歯も手に入り、みんなが喜ぶ
スノッレは自分を擁護してくれる仲間がいないことにショックを受けて
これからはもっといい人間になろうと決心し、実際そうなった
●荒くれ者のフリース人
荒くれ者のフリース人を乗せた竜の頭をつけた船3隻が近づいてきて、みんな震え上がる
彼らに作法などなく、見つけた獲物から根こそぎ奪うやり方で有名
頭は「いじわるスベン」
バイキングは命がけで漕ぐが、相手の船にはかなわない
チューレ:
きっと俺達は、死んだ英雄の行くバルハラの宮殿に迎えられ
神々の頭オーディンに握手してもらうんだ
ハルバル:
俺の息子の頭のまわりに火花が飛ぶ時は
なにかうまいことが起こっているんだ!
ビッケはハルバルの矢に火をつけて、フリース人の船の帆を燃やす作戦を思いつく
ゴルム:まったく、べらぼうな子だぜ!
ビッケ:
次の年は、48の櫂がある船を作ったほうがいい
来年はフリース人も火で燃えない帆を張ってくるよ
●フランク人の城
またバイキングたちは、英雄的行動をしたいと言い出し
古びた城を見て、襲撃することにする
チューレ:
この仕事をやり終えたら、国に帰って、近所の連中とも付き合いやすくなるし
女たちともうまくいくってもんだ
ビッケ:
僕には英雄的行動の必要なんぞ、ありゃしない
僕は、今のままの自分で満足してる
自分をひけらかさなきゃならないのは、弱くて自信がない連中だけだ
みんなが“名誉をかけて”出陣する様子を見て、大声で笑うビッケ
ハルバル、チューレ、スノッレ、ゴルムの4人は堀にかけた吊り上げ橋に近づき
中に入ると閉められて、仲間と引き離されてしまう
城壁の上にたくさんの戦士が現れて、矢を飛ばし、バイキングは近くの森に逃げ込む
4人は王の部下らに縛られて、地下の牢屋に入れられる
バイキングはビッケに助けを求める
ビッケ:
焼肉の匂いがしてたから、お客を呼んで宴会の用意をしてるんだ
それなら、料理場に男の子が入用に決まってる
ビッケは恐怖に震えながらも、中に入れてもらい
城主に仕事が欲しいと言って雇われる
牢屋の番人と仲良くなり、明日が宴会だと知る
牢屋の中のハルバルに「明日の番、また来るから逃げ出す用意をしてね」と告げる
●道化師
ビッケは初めて道化師を見て、派手な衣装を着れば変装できると思いつく
ビッケと同じくらいの背の“小人のクヌート”は挨拶して帽子をとると
かつらも一緒に取れる芸を見せる
かつらを初めて見たビッケは驚く
夕方から大宴会が始まり、身分の高い紳士たちの食卓作法は酷いもの
ビッケは隙を見て、牢番に食事とワインを運ぶとたいそう喜ぶ
道化師のところに行くと、酔っぱらった連中には竜の出し物が一番ウケるのに
衣装を森の中でなくしたと泣き出す
ピッケ:
森の中で見たような・・・塔の部屋にしまったっけ
あそこにはオバケが5人いるんです 先に入ってくださいな
道化師たちが奥に行った時に戸を閉めて閉じこめてしまう
衣装を持って、牢番に料理場へ行くよう誘い、カギ束をもらい、牢屋のカギをあける
スノッレに髪を全部切ってくれと頼み、クヌートのかつらをかぶる
5人は道化師の衣装を着て、門番に開けろと言う
ピッケがかつらを取って見せると、番兵は気絶してしまう(そんなに!?w
ピッケのお陰で逃げることができたが、自分の評判をよくしたいとは思わないことに
バイキングらはフシギがる
●デンマークの税金とり
デンマークの通行税は血も涙もなく、宝物の半分以上取られるだろうと悩むバイキング
ビッケ:デンマーク人を誤魔化すことだよ
ハルバル:この子は、いつでも、我々の心を慰めてくれるぞ(ww
大きな魚網を買い、宝物を入れて、船底につける
船がからっぽだと疑われるから、少しの品だけ積む
バイキングらにはこの世の終わりみたいな演技を仕込む
チューレは上手くならないため、頭から頭巾をかぶせられる
口うるさいのが静かになって、みんなは喜ぶ
6人のデンマーク人が乗り込み、荷物を調べるが
一同の辛そうな様子に同情して、涙ぐむ監視人も出るw
デンマーク人の隊長:こういう災難はよくあるものだ
ハルバルはイラっとして顔に出そうになるが
ビッケがお尻を桐で刺すと叫び声をあげるw
隊長は泣き叫んでると勘違いする
隊長:
私はどんな船も調べて報告しないといけないんだ
私も生活をたてないとならないんでね
ウルメが突然前に出て、災難と隊長の詩をうたうと、とても気に入り
大詩人になれるかもしれないと請け合う
●最後のオオカミ狩り
バイキングは帰国し、宝物を分配する
フラーケの会議広場で初めて大層な名誉を受けるビッケ
これまでバカにして笑った友だちからも尊敬される
だが、またオオカミに追われて、木にのぼると評判はがた落ちになる
ビッケ:
フラーケには腕利きの狩人がそろっている
誰が一番か分かればごたごたせずに済む
大がかりなオオカミ狩りが始まり
フラーケ地方は北方で最初のオオカミのいない土地として名をあげた
スノッレが優勝し、みんなに尊敬される
ビッケはオオカミがいなくなったため、遠出をして
鉱脈を見つけ、川に堰を作り、水車を作ったりする
ビッケがいい気になると、おばあさんからもらったオオカミの前足がくすぐるので
高慢ちきにならずにすむ
フラーケの人々は、小さい心配事はハルバル
大きい心配事はビッケに聞くようになる
ビッケは「どうして、そんなまずいことにしちまったのかね?」などとは言わない
こんなバカな質問は何の役にも立たないと知っているから
その代わり「どうすればうまくいくか、やってみようよ」というのだった
■訳者あとがき
バイキングは、8~10Cにヨーロッパで活躍した北方のゲルマン族
はじめはノルウェー、スウェーデン、デンマークなどで農業、狩猟、漁業をしていたが
速い船に乗り、ドイツ、オランダ、イギリスなどを襲撃した
キリスト教とは違う、自分たちの神々を信じていた
その後、今のコンスタンティノープル、アイスランド、グリーンランドに植民地をつくり
アメリカまで渡ったらしい
作者は落語的に話をすすめて、「人の心を揺するテンポを持つ素晴らしい本」とされて賞を受けた
続編『ビッケ、赤目をごまかす』
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
この挿絵はいつかどこかで見覚えがあるけど
ストーリーを読むのはたぶん初めてだと思う
バイキングというと血なまぐさいイメージだけれども
暴力を嫌う、気弱なビッケは、頭を働かせて大活躍する
【内容抜粋メモ】
登場人物
ハルバル バイキングのリーダー フラーケの族長
イルバ 母
ビッケ 気が弱いが、知恵がはたらく少年
スノッレ いつも難癖つけるので周りをイライラさせる
チューレ 口うるさい
●オオカミ
フラーケ地方の気の荒いオオカミに追われると
必ず「木のぼり用の木」にのぼるビッケ
上から石を投げて、頭に命中して気絶させて逃げる
フラーケの族長でビッケの父ハルバルは、気弱な息子にもっと勇ましくなってほしいが
母イルバは、息子の知恵を褒めて、ハルバルにも知恵があれば
1つ目、1つ耳にならずに済んだと小言を言い負かす
●石運び競争
イルバ:ビッケは北方きっての利口者だわ 賭けをしましょうか?
石をどれだけ積めるかを競って、母が買ったら首飾りをもらう約束
朝、受け持ちの石の山に行き、ビッケが寝転んでいるのを見て
怠け者だとハルバルは責めて、自分は力任せに大きな石を次々運ぶ
ビッケは大きな石投げ機を作って投げる方法を思いつく
石が飛ぶのを見て、「これはアースガルドの神々の仕業だぞ!」と驚く父
いい勝負だったが、ビッケが有利に終わり、ハルバルは首飾りを買いに行く
イルバ:
あまりいい気になるんじゃないよ うぬぼれっ子
自分の父親はちゃんと尊敬すべきものよ
ビッケ:父さんはステキだ 僕みたいな父さんを持つ子はいやしないさ
ハルバル:その言葉の褒美として、この夏、バイキングの遠征に連れて行ってやろう
ビッケ:僕は殴りっこは好きじゃないんだ
●落とし穴
バイキングは2隻の船に乗り、たくさんの宝物があるであろう島を見つける
スノッレ:豊かな財産には、いつでもたちの悪い男どもがくっついてるもんだぜ
宝物は一番大きな家にあるものだという単純な作戦で入ると
6mもの堀に落ちて、何百人の戦士に取り囲まれる
領主:
毎年、夏になるとスウェーデン人が盗みに来るから罠を仕掛けた
北方の人間は強い手足を持っているから奴隷に使うのだ
今よりキレイな服が着られるし、年に銀貨3枚ももらえる
バイキングは武器をとられ、牢に入れられる
のちはガレー船を漕ぐ仕事が待っている
ハルバルはビッケにどうしたらいいか尋ねると
まずは寝て、体を休めることだと言う
次に海で捕えた“ノコギリエイ”で柱をひき切る
戸に穴をあけて、かんぬきを外し、2人の番兵に猿ぐつわをかませる
とられた武器を奪い返すには、やはり番兵がいる所にあるだろうと推理して探す
魚好きな番兵にノコギリエイを見せて、売ってやるから家からお金を持ってきなさいとすすめて
1人になった番兵を縛る
領主:
私は小さなバイキングと話をしたい
戸に残る奇妙な切りあとに悩んでいるのだ
のこぎり引きを知らない領主に実際やって見せるとと感嘆する
ビッケ:
このノコギリエイを手に入れれば
ここらでのこぎり引きが出来る最初の人物になれるから
あんたの名誉は何千メートルもの絹の値打ちがありますね
バイキングはたちまちたくさんの宝物を手に入れる
●英雄的行動
若い男たちは、帰って国の連中に聞かせるような“英雄的行動”をしなきゃならないと騒ぐ
ビッケ:
同じ船に乗ってても、まったく違う手柄話をするのはざらなこと
僕が適当に考えてあげるよ そしたら、腕をなくなさなくても済む
スノッレは恐ろしい歯の痛みでわめき、みんな辟易する
同じくらい口うるさいチューレは、スノッレを海に放り込もうと言い出す
ビッケは、スノッレの歯をみんなで抜く提案をして
ヒモで歯をしばり、ハルバルの矢に結ぶ
太った海鳥を射ると、鳥肉も歯も手に入り、みんなが喜ぶ
スノッレは自分を擁護してくれる仲間がいないことにショックを受けて
これからはもっといい人間になろうと決心し、実際そうなった
●荒くれ者のフリース人
荒くれ者のフリース人を乗せた竜の頭をつけた船3隻が近づいてきて、みんな震え上がる
彼らに作法などなく、見つけた獲物から根こそぎ奪うやり方で有名
頭は「いじわるスベン」
バイキングは命がけで漕ぐが、相手の船にはかなわない
チューレ:
きっと俺達は、死んだ英雄の行くバルハラの宮殿に迎えられ
神々の頭オーディンに握手してもらうんだ
ハルバル:
俺の息子の頭のまわりに火花が飛ぶ時は
なにかうまいことが起こっているんだ!
ビッケはハルバルの矢に火をつけて、フリース人の船の帆を燃やす作戦を思いつく
ゴルム:まったく、べらぼうな子だぜ!
ビッケ:
次の年は、48の櫂がある船を作ったほうがいい
来年はフリース人も火で燃えない帆を張ってくるよ
●フランク人の城
またバイキングたちは、英雄的行動をしたいと言い出し
古びた城を見て、襲撃することにする
チューレ:
この仕事をやり終えたら、国に帰って、近所の連中とも付き合いやすくなるし
女たちともうまくいくってもんだ
ビッケ:
僕には英雄的行動の必要なんぞ、ありゃしない
僕は、今のままの自分で満足してる
自分をひけらかさなきゃならないのは、弱くて自信がない連中だけだ
みんなが“名誉をかけて”出陣する様子を見て、大声で笑うビッケ
ハルバル、チューレ、スノッレ、ゴルムの4人は堀にかけた吊り上げ橋に近づき
中に入ると閉められて、仲間と引き離されてしまう
城壁の上にたくさんの戦士が現れて、矢を飛ばし、バイキングは近くの森に逃げ込む
4人は王の部下らに縛られて、地下の牢屋に入れられる
バイキングはビッケに助けを求める
ビッケ:
焼肉の匂いがしてたから、お客を呼んで宴会の用意をしてるんだ
それなら、料理場に男の子が入用に決まってる
ビッケは恐怖に震えながらも、中に入れてもらい
城主に仕事が欲しいと言って雇われる
牢屋の番人と仲良くなり、明日が宴会だと知る
牢屋の中のハルバルに「明日の番、また来るから逃げ出す用意をしてね」と告げる
●道化師
ビッケは初めて道化師を見て、派手な衣装を着れば変装できると思いつく
ビッケと同じくらいの背の“小人のクヌート”は挨拶して帽子をとると
かつらも一緒に取れる芸を見せる
かつらを初めて見たビッケは驚く
夕方から大宴会が始まり、身分の高い紳士たちの食卓作法は酷いもの
ビッケは隙を見て、牢番に食事とワインを運ぶとたいそう喜ぶ
道化師のところに行くと、酔っぱらった連中には竜の出し物が一番ウケるのに
衣装を森の中でなくしたと泣き出す
ピッケ:
森の中で見たような・・・塔の部屋にしまったっけ
あそこにはオバケが5人いるんです 先に入ってくださいな
道化師たちが奥に行った時に戸を閉めて閉じこめてしまう
衣装を持って、牢番に料理場へ行くよう誘い、カギ束をもらい、牢屋のカギをあける
スノッレに髪を全部切ってくれと頼み、クヌートのかつらをかぶる
5人は道化師の衣装を着て、門番に開けろと言う
ピッケがかつらを取って見せると、番兵は気絶してしまう(そんなに!?w
ピッケのお陰で逃げることができたが、自分の評判をよくしたいとは思わないことに
バイキングらはフシギがる
●デンマークの税金とり
デンマークの通行税は血も涙もなく、宝物の半分以上取られるだろうと悩むバイキング
ビッケ:デンマーク人を誤魔化すことだよ
ハルバル:この子は、いつでも、我々の心を慰めてくれるぞ(ww
大きな魚網を買い、宝物を入れて、船底につける
船がからっぽだと疑われるから、少しの品だけ積む
バイキングらにはこの世の終わりみたいな演技を仕込む
チューレは上手くならないため、頭から頭巾をかぶせられる
口うるさいのが静かになって、みんなは喜ぶ
6人のデンマーク人が乗り込み、荷物を調べるが
一同の辛そうな様子に同情して、涙ぐむ監視人も出るw
デンマーク人の隊長:こういう災難はよくあるものだ
ハルバルはイラっとして顔に出そうになるが
ビッケがお尻を桐で刺すと叫び声をあげるw
隊長は泣き叫んでると勘違いする
隊長:
私はどんな船も調べて報告しないといけないんだ
私も生活をたてないとならないんでね
ウルメが突然前に出て、災難と隊長の詩をうたうと、とても気に入り
大詩人になれるかもしれないと請け合う
●最後のオオカミ狩り
バイキングは帰国し、宝物を分配する
フラーケの会議広場で初めて大層な名誉を受けるビッケ
これまでバカにして笑った友だちからも尊敬される
だが、またオオカミに追われて、木にのぼると評判はがた落ちになる
ビッケ:
フラーケには腕利きの狩人がそろっている
誰が一番か分かればごたごたせずに済む
大がかりなオオカミ狩りが始まり
フラーケ地方は北方で最初のオオカミのいない土地として名をあげた
スノッレが優勝し、みんなに尊敬される
ビッケはオオカミがいなくなったため、遠出をして
鉱脈を見つけ、川に堰を作り、水車を作ったりする
ビッケがいい気になると、おばあさんからもらったオオカミの前足がくすぐるので
高慢ちきにならずにすむ
フラーケの人々は、小さい心配事はハルバル
大きい心配事はビッケに聞くようになる
ビッケは「どうして、そんなまずいことにしちまったのかね?」などとは言わない
こんなバカな質問は何の役にも立たないと知っているから
その代わり「どうすればうまくいくか、やってみようよ」というのだった
■訳者あとがき
バイキングは、8~10Cにヨーロッパで活躍した北方のゲルマン族
はじめはノルウェー、スウェーデン、デンマークなどで農業、狩猟、漁業をしていたが
速い船に乗り、ドイツ、オランダ、イギリスなどを襲撃した
キリスト教とは違う、自分たちの神々を信じていた
その後、今のコンスタンティノープル、アイスランド、グリーンランドに植民地をつくり
アメリカまで渡ったらしい
作者は落語的に話をすすめて、「人の心を揺するテンポを持つ素晴らしい本」とされて賞を受けた
続編『ビッケ、赤目をごまかす』