;『 沖縄県うるま市で17日、背中などを強く打って死亡した同市の中学2年の男子生徒(14)について、県警は19日、全身に不自然な打撲跡があることから事件と事故の両面から捜査していると発表した。県警によると、司法解剖の結果、男子生徒の死因は内臓破裂と判明した。暴行などにより死亡した可能性もあり、県警は一緒にいた同級生らから、当時の状況を詳しく聞くなどして慎重に捜査を進めている。 発表によると、17日午後8時ごろ、同市具志川のスーパー駐車場で「友だちがけがをした」と市内の男子中学生から119番通報があった。消防が駆け付けたところ、男子生徒が意識不明の重体で倒れており、約7時間後に死亡した。 当時、同級生4人が一緒にいたという。4人は、男子生徒が近くのプレハブ小屋に上って遊んでいた際、高さ約2メートルの屋根から飛び降りて転倒し、ブロックに背中を打つなどしたと話したと県警は説明していた。 男子生徒の通っていた市立中学は朝日新聞の取材に「校長らが会議中で対応できない」としている。』2009年11月19日17時0分朝日新聞
同じような類似した事件が関西でも起こりました。中2重体、同じ中学の3年生を逮捕 「ほかにも数人いた」供述。『同じ学校の生徒を暴行し、意識不明の重体にさせたとして兵庫県警伊丹署は5日、傷害容疑で伊丹市立中学校3年の男子生徒(15)を逮捕した。同署の調べに対し、「悪口を言われたと思い、殴った」などと容疑を認めている。また、「現場にはほかに数人いた」とも供述しており、同署はこの数人からも事情を聴いている。 逮捕容疑は4日午後、同市御願塚の御願塚古墳内で、同じ学校の2年の生徒(14)に殴る蹴るの暴行を加え、意識不明の重体にさせたとしている。同校などによると、3年生は現在修学旅行中だったが、逮捕された生徒は参加していなかった。』2009年10月5日産経新聞。
警察の捜査と司法解剖 の結果支持氏が明らかになると思いますが。いじめと言うより、中学校外の暴行事件です。いじめと暴行事件、生徒間の暴力事件は、校内で有ろうと学校外で有ろうと明確区別すべきです。総てをいじめと捉えるのは間違いです。一人の生徒を四人の生徒が意識不明になるまで暴行を加えるなど言語同断で、同級生として卑怯極まりないことです。とても中学生した事とは思えません。人間性を問います。中学校側も一人の生徒が亡くなったのですから、亡くなった生徒の保護者に学校として誠意を持って調査し、責任ある対応をすべきだと思います。この伊丹市立中学校の傷害事件でも意識不明の重態だった被害者の中2年生は亡くなりました。この件に関してむ!さんからコメントを頂きました 内容は『この中学校の生活指導にも問題が有るのではと思います」ってあんた、犯罪者とかキチガイは学校の手には負えないんですよ。警察とか医療機関とかが対処すべき連中なんです。何が教育カウンセラーだか。 』のご意見を頂きました。実際問題として、中学校の生活指導にも限界が有ると思います。常日頃からうるまし中学校でも度々校内での暴力事件や問題を起こしていた生徒達と思います 。生活指導の担当の先生も手を焼いておられたのではと推察します。政府の教育再生会議でも出席停止問題が今回も見送られましたが 。義務教育中学校では、退学処分も出来ません。函館教師サーポト研究会の金山健一先生の『今、いじめの出席停止について、議論が紛糾しています。私はB君のように命に関わるようないじめ、精神を崩壊させるようないじめ、暴力を伴ういじめは出席停止も必要だと考えています。加害者を殺人者にしないためでもあります。加害者にも、冷静になる時間を保障し、相手の気持ちになって考えること、これからどう生きたらいいのか、丁寧に教育していくことが必要です。』のお考えには賛成ですし、中学校の教育現場で実際に教壇に立たれ、 生活指導を担当されて函館大学の金山健一先生の御経験からの御意見と思います。実際に教育現場で教えられ、生徒指導に当たっておられる先生方の生の声や意見を取り入れないといしめやいじめによる自殺、生徒間暴力や教師に対する暴力事件はなくならないと思います。学校校外のこの二つの傷害事件は、学校外で起こった生徒間の暴力事件で、生活指導担当の先生の目の届かないところで起こった事件と言えます。学校の先生の校外巡視も必要かも分かりませんが、校務に忙しくて底まで現実には出来ないと思います。
☆ いじめと出席停止 15
2008年12月02日作成
竹内和雄先生と金山健一先生の協同コラム。
函館教師サボート研究会の講師でもある大阪府寝屋川市教育委員会の指導主事、竹内和雄先生とのコラボ企画です。
『いじめと出席停止
金山健一
B君が私を訪ねてきたのは、彼が23歳の時だった。中学校でいじめに遭い、それから不登校となり、以来ずっと引きこもりとなっていた最初はプロレスごっこだった。技をかけられても我慢していた。しかし、その後「殴ってもお金を強要してもいい存在」となり、精神的にも支配されていった。B君が受けたいじめは壮絶である。いじめのグループにトイレに連れて行かれ、給食に出されたヨーグルトの容器に入れられたオシッコを無理矢理飲まされたという。もちろん、すぐに吐きだしたが、今度はすぐさま別の者に頭からオシッコをかけられたという。それから彼は不登校となり、家にずっと閉じこもるようになった。彼は、親にも先生にもその事件のことを言わなかった。自分は価値のない人間だと思いこみ自殺を図ろうともしたという。当時、彼のいた中学校は、一部の非行グループが、授業にも出ず廊下を徘徊し、先生方の胸ぐらを掴み「ウザイ」「消えろ」などの暴言を吐き、時には暴力も振るっていた。いわゆる〈対教師暴力〉が頻発していたのである。
平成17年度に文部科学省に報告された〈いじめ〉は小中学校で17,881件あり、〈出席停止〉になった生徒はわずか7件。同様に〈生徒間暴力〉は14,033件で〈出席停止〉は11件。しかし、この14,033件の中にも〈いじめ〉は多く含まれているに違いない。〈対教師暴力〉は4,431件で〈出席停止〉になった生徒はわずか16件である。ある中学校教師は生徒に殴られ鼻を骨折した。その生徒は、教師の鼻の骨を折ったことを自慢し、他の生徒も教師に挑発的な行動を取るようになっていったという。生徒が殴りかかってきたため、その手を掴んだだけで体罰と訴えられた教師もいる。秩序は一体どうやって守ればいいのだろうか。
今、いじめの出席停止について、議論が紛糾しています。私はB君のように命に関わるようないじめ、精神を崩壊させるようないじめ、暴力を伴ういじめは出席停止も必要だと考えています。加害者を殺人者にしないためでもあります。加害者にも、冷静になる時間を保障し、相手の気持ちになって考えること、これからどう生きたらいいのか、丁寧に教育していくことが必要です。家庭に問題を抱えている場合も多く、その悩みもしっかり受け止めていくことも大切です。過ちは過ちを犯すから学ぶのです。「S子ちゃんに無視された」「K君にメールで悪口を言われた」これらは学校の中で解決すべき問題であり、出席停止の対象にならないのは言うまでもありません。すべてがいじめではなく、その解決方法を学ぶことが大切なのです。子どもたちは、様々な悩みや課題、問題を抱えて生きています。それらの問題を解決することで成長していくのです。
みなさんは覚えていますか。1986年男子中学生いじめ水死事件(深川)、1986年女子中学生飛び降り自殺(札幌)、1987年男子中学生飛び降り自殺(札幌)、1992年小学年男子いじめを苦に首つり自殺(恵庭)、1992年男子中学生列車飛び込み自殺(苫小牧)更に同じ中学校で1993年女子中学生列車飛び込み自殺(苫小牧)……。道内でもこれだけ多くのいじめによる自殺者が出ているのです。もう、二度と失敗は許されません。ぜひご家庭でも真剣な議論をお願いいたします。』函館教師サボート研究会のいじめと出席停止のコラムより引用。
函館教師サボート研究会代表で、函館大学の金山健一先生の御許可と御高配により掲載させて頂いています。
※函館教師サポート研究会のURLは、http://wbt.hakodate-u.ac.jp/です。