「未完の贈り物」 倉本美香著 産経新聞出版発行
お隣さんとは本の好みがよく似ているので 本を買って読んだら貸し借りすることが多いのですが 今回のは重い内容です。
障害をもった子供を授かった方の体験をつづった本です。
子供の病気の話は弱いなあ~このまま返そうか~と思いましたが せっかく私の手元に届いた御縁を大切にしよう と思って読んでみました。
障害の状態は 「先天性無眼球症」と「先天性多発奇形症候群」です。なんと 目も鼻もないのです。
ママは 東京生まれ一流大学卒業後 日本航空 国際線のスチュワーデスとして活躍し 途中で休職留学もし 復職してからも活躍したという
順風満帆の時代を経て のちに ニューヨークの米国系会計事務所で働く日本人男性と結婚し 航空会社を辞めて自分でビジネスコンサルティングの
会社を立ち上げます。
そして 初めて授かった子供が 障害を持って生まれてきたのです。
目がない 鼻がない子供であることを知ったショックから この子とともに生きる覚悟を決めるまでのこと。そして 壮絶な手術を繰り返し
8年目の誕生日の3月11日(!)に 日本で大きな地震が起きたことを知りました。
そして そのニュースの中で 最初のころに 「原発の事故で漏れた放射能はごく微量であって 日本とニューヨークを行き来する乗務員のほうが
はるかに超えるものである」という情報が流されていて 大変なショックを受けたそうです。
そしてチェルノブイリの事故の影響で奇形で生まれた子供の写真集の中に わが子とそっくりな症状の子どもの写真を見つけた時涙が止まらなかった
とあります。
そして わたしが一番感動したのは そんな最初の子供を産んで何十回と繰り返す手術の中で この子の横の支えが必要として さらに3人の子供を
産み 育てながら(とても健康な子供たちです)ビジネスコンサルタントの会社も いまだに 続けているのです。
アメリカでの病院事情 障害者に対する社会制度の違い など どちらの国にも いい点もよくない点もあり わかりやすいく書かれています。
日本の親しかった友達などにも ずっと隠してきていた自分の子供のことを ありのまま話す決心をして 思い切って伝えたときの相手の方の
反応も 人間として興味深い内容でした。
本というものは不思議なもので 自分で選んで買ってまで読むものは いくら本好きな人でも やはり 世の中の たくさんある本のほんの一部です。
年とともに 嗜好は変わりつつも その範囲はさらに狭く 頑固になってきます。
自分で選ぶ可能性のなかったと思われる本を ほかの人は目に留めて 買って読むこと・・・それを何かのきっかけで読ませてもらうことで
ちょっと目が開けることもあるのです。
ランキングに参加しています。 どれか一つ 興味のあるジャンルをポチしていただけると嬉しいです。 いつも ありがとう!!
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ