森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カシワの枯れ葉

2007年03月03日 | 自然観察日記
 今日は五節句の一つ桃の節句、春が早いといわれながらも朝の芝生は霜で白く光っています。例年のように残雪があれば「しみわたり」が出来るような朝です。我が家の庭ではオウレンやフクジュソウが咲いていて、スイセンの芽の伸びだしも目だってきました。
 もう回りは春一色に染まろうとしている中、カシワ(ブナ科)の木だけは枯れ葉で一杯です。薄緑色になった芝生との対比が面白いですね。カシワほど未練がましい樹も無いかもしれません。この葉が散るのはもう少し先になります。葉の付け根に「離層」という葉の切り落とし装置がないため落葉樹でありながらいつまでも樹についています。
 もともとカシワは海岸に近い雑木林に生育するものですから、冬の強い寒風にさらされる環境では葉を落とさずコート代わりにまとっていたほうがいいのかなぁと想像しています。