森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

自生のクマガイソウ

2011年05月25日 | 自然観察日記
久しぶりの訪問です。本当に久しぶりで、前回来た時からもう15年は経っているのではないかと思います。野生のクマガイソウはまだ健在でしたが以前の植生の雰囲気が大幅に変わっていて、ここを探し当てるのにかなり苦労しました。健在といっても開花株がわずかに11個体、小さな個体を入れると57株と勢いが無くなって来ていると感じました。

クマガイソウの花

2011年05月25日 | 自然観察日記
名前もそうですが本当に不思議な形をしています。園芸店でみればそんなに感じないのかもしれませんが、雪深い越後の山の急斜面にこんな花がまとまって咲いているのです。表現のしようの無いくらい不思議な光景なのです。この光景に再会できた幸せを一人満喫しています。なかなかやってこれる場所ではないのですが、近くには山菜取りの人が立ち入っていますから見つかったらひとたまりも無いのです。どうかずっと見つからずにこの場で繁栄していて欲しいものです。

クマガイソウの幼個体

2011年05月25日 | 自然観察日記
小さな株が沢山あります。でもそれは種子で繁殖したり株別れをして増えたのならいいのですが、前回来た時にはもっと密植していて大型の個体が多かったのに今回はこんな小さな個体が目に付きました。明らかにこの群落を覆いかぶさる潅木のせいで光量不足になって開花株も栄養不足で矮小化したような気がします。

潅木下のクマガイソウ

2011年05月25日 | 自然観察日記
これは北斜面、ケキブシなどの潅木が根曲がりをしながらクマガイソウの群落に覆いかぶさっている様子です。光を入れるため覆いかぶさる木を少し切ったりして手を加えたほうがいいのか何もしないのがいいのか・・・。安易に保護しても問題が出てきます。自然に消滅するのも仕方が無いのかなぁという思いで今回は何もしないで下山しました。