小松原湿原の入口下屋敷湿原に向かう木道脇にヒメザゼンソウがありました。ときどき見ていた気もしますがザゼンソウの小さい個体と勘違いしていた場面もあったようです。新潟では特別珍しいものではないと思うのですが、しっかりと認識したのは実に久しぶりのこと。そもそもザゼンソウは花はよく見てはいるもの成長した個体(葉)をあまり見ていません。ついつい小さな葉が出てくるとザゼンソウの子供と思う当たり不勉強ですね。ある人がオオウバユリの葉と間違えていたことがありますがその気持ちもよくわかります。反省の上に立って思い返すとザゼンソウの葉はやや大きく丸みを帯びますが、ヒメザゼンソウの葉は小さく細長い感じがします。
葉が出ている地際にザゼンソウの果実がありました。これを見てヒメザゼンソウであることが理解できる始末で、いままでいくつかの場面でこの種を見てきたことに気づかされます。ザゼンソウが早春に葉の出る前に花を咲かせるのとは対照的に、ヒメザゼンソウは葉が出てから初夏に花を咲かせます。したがって、6月の下旬から7月に葉があり果実があるのはヒメザゼンソウと考えるべきでした。ところで、まだ花(苞)があってもよさそうな時期ですがあいにく近くに合った個体のどれにも花(苞)はみられませんでした。ヒメザゼンソウの花を間近で見た記憶がただ一回しかないのです。見たいですね。