森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カキラン

2015年12月21日 | 自然観察日記
小松原湿原に続く道筋でいくつかの野生ランに出会いました。起点になる小湿地にはカキランが咲いていました。カキランもすっかり見なくなったランの一種で数十年前には山間の湿地にごく普通に見た気がします。一番重要なのはそういう湿地が無くなっていることで人里近い場所は開発されるか放置されヨシなどが大繁茂しカキランなどがすめる環境でななくなっていることでしょう。人の適度な環境への働きかけがあってうまく機能している生態系もあると思っています。

カキランの花

2015年12月21日 | 自然観察日記
同属にエゾスズランという種があります。時々間違えそうになるのですが、カキランは湿地にエゾスズランは林内に見られ花も黄色味を帯びるカキランに対して緑色が強いちがいがあります。

カキランの葉

2015年12月21日 | 自然観察日記
個の湿地は傾斜地で水が染みだしている場所です。ミズゴケなどが繁茂しモウセンゴケなども見られます。
もう40年も前になるでしょうか、当時調べていた魚沼市の下権現堂山の麓にある戸隠神社の境内に流れ込む小沢沿いにカキランが沢山ありました。花の季節にはやや暗い林下で黄色味の強い花が沢山咲いていて、権現堂の尾根道に入る前のちょっとした励ましを貰ったものです。いまでもあのカキランは健在なのでしょうか?