森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

我が家の庭にビナンカズラが実りました

2016年01月24日 | 自然観察日記
小松原の話はひとまず終了にして、しばらくは昨年秋に気づいたいくつかについて取り上げることにします。所用で出かけた折に偶然見つけたものとか里山の散策で気になったものです。
今回はビナンカズラ。今から50年も前に伊勢神宮に行った折に広い参道の端に落ち葉をうず高く積み上げた場所があってその中から伸びていたつるを持ち帰ったものです。当時は何か分からず20cm程度のツルに節から根が数本伸びていた状態のものでした。西日本の植物は何でも珍しく感じていた若かりし頃のこと。それがビナンカズラ(別名サネカズラ)であることは分かりましたが、雌雄異株で一株では結実しないものと考えていたもの。居心地が良かったのか枯死せず庭の片隅で繁茂していました。つる植物ですからナツツバキやヤマモミジなどに巻き付きときどき剪定し勢力を抑制してきました。これまでに雄花の咲いたのを見ています。それで、この株は雄株と思い結実するなどということは夢にも思っていなかったのです。

ビナンカズラの葉

2016年01月24日 | 自然観察日記
マツブサ科の常緑のつる植物。冬場、鉢物で見事な実を沢山つけたビナンカズラが売られているのをときどき見ていました。我が家の株にもこんな実が付けばよいのにと羨ましく思っていたものです。雌雄異株でましてや我が家の株は雄株。これでは期待できないと考えるのも無理からぬこと。
しかし、昨年初めて果実を見ました。かなり驚いたことは推察していただくことにして、これはいったいどうしたことでしょうか?考えてみれば植物の「性」は動物のそれとは感覚が異なります。サルナシも雌雄異株といいながら雌雄が混在する株があります。多くの植物を見てきて雌的な株雄的な株があって完全に性の区別ができないものが実に沢山あることがわかりました。

ビナンカズラの実(再掲)

2016年01月24日 | 自然観察日記
この実は花卓が大きい割には種子は少なく数個にとどまっています。今年、珍しく両性花はつけたものの受粉がうまく行かず種子の形成まで行かなかったものではないかと考えています。