登り始めのところから点々とこのような亜高木が見られました。高さ6・7ⅿはありそうなどう見ても低木とは言えません。サワフタギなのですがただただ唖然とします。新潟で見るサワフタギとの差があまりにも大きすぎます。
植生の重要な部分を占めるのが高木層です。いろいろな樹木が見られましたがアカガシなどのカシやナラ類をはじめシデの仲間もたくさんありました。中で目についたのが花芽をほころばせたばかりのアカシデの樹です。あまりの色づきに何の樹か戸惑いました。アカシデもこういうタイミングもあると再認識した次第です。
運よく筑波山の男体山の山頂近くで少し離れてはいるもののアカシデの開花したばかりの花が目の高さで見られました。アカシデは雌雄同株ですが雌花穂は確認できず雄花穂ばかり。しかし、私にとっては綺麗な赤い色は山頂の展望以上に魅力的でした。
モミジイチゴは普通に見かける灌木ですが、新潟の里山で見るものとは葉の形が大きく違っていてとても興味深いものでした。キレハモミジイチゴという名の種があるのですがまさにそれです。切れ葉の状態もかなり個体差があってとても面白いものでした。
登山道わきの藪の一角が赤く色づいている場所がありました。何の葉だろうと近づいて見て少々混乱。見かけたことのある葉ですが、この赤い色とは結びつかないのです。長岡は海岸に行くとティカカズラに出会えますが普段は縁のない種。まして赤く色づくことには思いもよらないことで、かなり衝撃的な一コマでした。
紅葉は秋とは限りません。ティカカズラの葉は春に入れ替わる種のようで、この時期に古い葉が赤く色づいて落葉するのでしょう。しかし、落葉寸前の葉の色は素晴らしい色彩です。サクラの花も素敵ですがティカカズラの紅葉も愛でてやってほしいと思いました。