オクモミジハグマです。最奥の駐車場から万年雪の登山道に入るあたりに見られました。この種は晩夏から秋にかけて花が見られる秋の花です。雪渓周辺には早春の花があるわけですからこの対比はとても面白いと思います。
しっかり花を分解して並べないとわからないのですが、一つの頭花には3つの小花があり花弁は5裂していてそれがよじれていることになっています。機会があれば花を分解観察してみたいと思いつつついついスルーしてしまいます。
万年雪の登山道に入る手前にヤブデマリが赤い実をつけていました。このあたりは奥山であるため多少季節の遅れはあるものの里山とはそれほど季節の違いはありません。花の季節には良く取り上げられるのですが実の季節はあまり話題になりません。そもそもこの種はあまり高所には見られない種で暑い夏場は低山を散策する人が少ないせいでもあるのだろうと想像しています。
花はオオカメノキのような散房花序で、花序の中心部には小さな両性花が多数つき、そのまわりを白い装飾花がとり囲むという形式です。また果実はオオカメノキのような赤い実で花に劣らず魅力的だと思います。同じ仲間でカンボクという種がありますが、この種は高原の湿地に生えていて人が出歩く季節に赤くなりますからしばしば目にします。ヤブデマリの赤い実はそれにも劣らないのですが・・。
植物にはごく狭い範囲に自生するものがあると思えばひろくどこに行っても見られるような種もあるものです。このリョウブは全国的に里山からかなりの高海抜まで見られる種でしょうか。少なくとも越後ではいろいろなところで顔を出します。ただ、いずれも低木どまりで灌木状のものがほとんどです。例えば、この春に茨木のマウントジーンズに行った折に見た7~8ⅿほどの小高木は県内では見た記憶がありません。
若い葉を山菜として利用することがあります。茎はサルスベリのような樹肌をしています。植林などで山を切り開き裸になったような場所に一斉に生育してくる種でもあるためパイオニア植物的な要素を持っているようです。
普通亜高山帯の針葉樹林帯に見られるオオバノヨツバムグラがありました。やや湿り気のある林床に見られました。草丈は20~30cmほどで高径草本の無いような場所に自生しています。花は晩春に見られるのが一般的ですがまだ花もあります。球状に見える分果ができてきています。