Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

コップのフチ子さん

2013-06-06 | Weblog
ガシャポンで人気のコップのフチ子さん。
ついにファンブックまで登場したそうな。

「コップのフチ子さん」ファンブック「コップのフチ子さん」ファンブック
タナカ カツキ

扶桑社 2013-06-25
売り上げランキング : 3765

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


早速、シークレットを引き当てるとは。


「わ、わたしもロマンスに溺れたい・・・」

うちのフチ子さん。恋愛映画に興味があるようです。

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワンダフルライフ

2013-06-05 | 映画(わ行)

■「ワンダフルライフ」(1998年・日本)

●1998年ナント三大陸映画祭 グランプリ
●1998年サンセバスチャン国際映画祭 国際映画批評家連盟賞
●1999年ブエノスアイレス映画祭 グランプリ・脚本賞
●1999年毎日映画コンクール 美術賞
●1999年東スポ映画大賞 作品賞・助演女優賞・新人賞

監督=是枝裕和
主演=ARATA 小田エリカ 寺島進 内藤剛志 谷啓

 「ワンダフルライフ」は素晴らしいファンタジー。死者たちがあの世に召されるまで7日間。彼らは生涯でひとつだけ幸せを感じた思い出を選ぶ。舞台となる 施設ではそれをスタッフが映像として再現し、それを観て幸せな記憶がよみがえった者はその瞬間に天に召される。実社会と同様にいろんな人がいる。スタッフ は彼らとカウンセリングして思い出を選ばせ、映像化の段取りをする。しかしそのスタッフたちは思い出を選ぶことができなかった者たち。

 所詮は虚構である映画が人の魂を昇華させる・・・なんて素敵じゃないですか。クライマックスの再現映像を撮る場面はなんかジンとくる。人々の手が一人の幸 せを支えようとする暖かさを感じる場面だけど、それが映画全体からも伝わってくるようだ。本編には他の映画にあるような、感情を高める音楽はない。カメラ はじっと思い出を語り続ける人々を追う。ARATAや小田エリカら主人公たちの内面にも深く入り込むような説明くさい場面もなく、カメラの視線はどこか距 離を置いて彼らを見つめているようだ。そこで思い出すのは、是枝監督のデビュー作「幻の光」で感じた距離感。ものすごいロングショットも交えて主人公二人 の姿を追うカメラに、僕は淡々とした冷静さを感じた。しかし「ワンダフルライフ」の視線は暖かい。真っ正面から見据えて、人々が語る人生を肯定してくれる ようではないか。土曜日に試写室へ向かう人々を先導するのは、主人公たちによって奏でられる行進曲。これらも実際に役者自身が演奏したっていうから、ます ます暖かさを感じてしまう。

 エンドクレジット を観た後で、ふと自分の事を考えてみた。僕は昔から人を笑顔にしたい、こんないい物事があるよっていろんな人に伝えたい、そんな事ができたら・・・そう望 んできた。そのことを20歳前後の僕は、カッコつけて”人に影響を与える仕事がしたい”という言葉で表現してきた。例えばマスコミや情報産業の仕事を通じ て提供する情報で誰かの役に立ったり、紹介する音楽で誰かがハッピーになったり。でもそれは”影響を与える”ことではなくて、”人の幸せを手助けする”こ となんだよね。どんな仕事をしていようとそれは様々な形でできるんだ。僕はこの映画を観て、”誰かの幸せの場面に僕がいたら嬉しいな”と心から思った。そ れは僕がずっと思っていたことだけど、うまく表現できなかったこと。当たり前のことなんだろうけどね。そして今自分が死んで、幸せな思い出をひとつ選べと 言われたら・・・選ぶことができるだろうか?。いやいや、選びたくなるような事をまだまだいっぱいしなくちゃね!。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたしが美しくなった100の秘密

2013-06-04 | 映画(わ行)

■「わたしが美しくなった100の秘密/Drop Dead Gorgeous」(1999年・アメリカ)

監督=マイケル・パトリック・ジャン
出演=キルスティン・ダンスト デニス・リチャーズ カースティ・アレイ

 これは怪作!。ミスコン優勝にかける田舎町の騒動を、ブラックユーモアと毒気たっぷりに描く映画。タイトルはただの配給会社の都合であって、これに騙され た女のコたちはさぞかしひいただろうなぁ。確かに若手注目株女優があまた出てくるけれど彼女たちをみせるの映画ではなく、ミスコンなんかに執念燃やす人々 を笑い飛ばす(つーよりあざ笑う?)内容なんだから。ドキュメンタリーの手法を使うアイディアもなかなか楽しい。次に何が起こるんだろう?とハラハラしな がら観ていて、いざコトが起こると「おいおいそこまでやる?」とツッコミ入れたくなる。こんなに女のコが出てくる映画なのに、クライマックスはゲロ大 会!。本当に女性が書いた脚本?。

  デニス・リチャーズが嫌な女を実に楽しそうに演じている。すっかり陶酔して歌う ♪Can't Take My Eyes Off Of You(君の瞳に恋してる) にはただただ唖然・・・。カースティ・アレイはミスコンの地方大会委員でデニスの母親という役どころ。「私も十数年前女王 だったの」とドレスも華やかに登場する憎まれ役だが、十数年前の「スタートレック」や「影なき男」での美しい彼女を知る者は、時の流れを呪いたくなるか も。しかし何と言ってもこの映画でいちばん輝いているのは、我らがキルスティン・ダンスト!。「ヴァージン・スーサイズ」の色っぽさとは違って、バイトで 死体に化粧しながらタップの練習をする女子高生という、何とも言い難い不思議な役柄を見事にこなしている。かわいいぞぉ!。彼女の母親役エレン・バーキン も素敵。忘れちゃいけねぇ!松田聖子。何故こんな映画に?

(2003年筆)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舟を編む

2013-06-02 | 映画(は行)

■「舟を編む」(2013年・日本)

●2013年毎日映画コンクール 日本映画大賞・監督賞・男優主演賞・美術賞
●2013年キネマ旬報賞 日本映画監督賞・主演男優賞・新人女優賞
●2013年日本アカデミー賞 最優秀作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞

監督=石井裕也
主演=松田龍平 宮崎あおい オダギリジョー 加藤剛

僕は子供の頃から、何か人に物事を伝える職業にどうも憧れていた気がする。そこには必ず言葉がつきまとう。それを武器にして仕事をするならば、きちんと伝えるために最も大切にすべきもの。だから言葉を大切にしている人が好きだし、それを駆使する人を尊敬する。それは今も変わらない。作家が一行一行に紡いだ文章、脚本家が絞り出した台詞、随筆で見つけた何気ないけど素敵な言い回し、力のこもった新聞の社説。そこに綴られるひとつひとつの言葉を時間をかけて収集し、その意味を記しているのが辞書。電子辞書が普及して学校への持参も認められる時代。だけど、めくったページにあった目的の言葉の周りに散りばめられた言葉たちは、僕らの知的好奇心を育んでくれた。だからこそ、紙の辞書は廃れて欲しくない、と思っている。

三浦しをんの小説「舟を編む」は、国語辞典「大渡海(だいとかい)」完成をめざす辞書編集部の人々の、人間模様を描いたもの。この大ベストセラーの映画化に挑んでくれたのが石井裕也監督。石井監督を起用してくれたことに感謝。監督作「あぜ道のダンディ」と同様に、この映画にも不器用だけど一所懸命な人々がたくさん登場する。原作よりもキャラが立つように工夫されたというシナリオもいい仕事。一人一人の登場人物に愛情が感じられる素敵な映画に仕上がっている。

予告編でも示された馬締(松田龍平)と香具矢(宮崎あおい)の恋が前半の見せ場。ラブレターをめぐるエピソードは原作と大きく改変された部分だと聞く。僕は玄関先での二人のやりとりの緊張感、宮崎あおいがこの映画で唯一感情を高ぶらせるこの場面が好きだ。猫を追っていく馬締が、月夜のバルコニー(と言うより物干し台?)で香具矢と初めて会うところの美しさ。月明かりに照らされた彼女は月からやって来たかぐや姫。このヒロイン登場シーンは、「GO」で柴崎コウが落語の語りをバックに登場する場面に匹敵する上手さだと僕は思う。きっと原作では素敵な言葉でこの情景が綴られているのだろうな。そして後半は、国語辞典完成に向けたクライマックス。仕事に向かう様々な人々の思いが描かれる。前半と同じように口数は少ないが、一筋にうやってきた自信を感じさせる馬締の態度や言葉遣いは、彼の成長を感じさせる。

この映画で示されるのは、言葉を大切にしている彼らの思いだけではない。仕事に向かう姿勢についても示されている。人には適材適所がきっとある。でもそこで花を咲かすにはそれなりの努力と時間が必要だ。この映画は、カイシャという箱の中で「オレって役にたててるんだろうか」と心で自問自答する僕らの背中をそっと支えてくれる優しさがある。馬締は誰も目から見ても変わり者。社内では使えない一人とされてきたが、そもそも言語学を専攻していた彼は、辞書編集部で言葉に向けられた常人にない興味と一途さが発揮されることになる。自分に自信がもてず、満足に人とコミュニケーションできなかった彼が、映画の終わりには辞書完成の為に熱のこもった言葉を発するまでに成長する。香具矢は、女性が少ない職業である板前を目指している。途中「女が板前なんて・・・」と迷いも口にするが、それでもひたむきに頑張っている健気な女の子だ。オダギリジョー演ずる西岡は、チャラそうだけど誠実なキャラクターが生きている。「継続は力なり」とよく言うけれど、変化が激しい現代社会で育った気が短い現代っ子にはピンとこない部分かもしれないけれど、物事を成し遂げるというのはこういうことだと教えてくれる。

素敵な映画だった。でも小説には小説にしかできない表現があるはず。残念ながらこの文章を書いてる時点で僕は未読だが、そこにはきっと僕を唸らせてくれる素敵な表現と、大切にされた言葉たちがあることだろう。もうちょっとこの感想を心で温めてから、小説に手を出すことにしよう。

舟を編む 通常版 [Blu-ray]舟を編む 通常版 [Blu-ray]

松竹 2013-11-08
売り上げランキング : 2644

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

舟を編む舟を編む
三浦 しをん

光文社 2011-09-17
売り上げランキング : 436

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする