Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

恋愛小説家

2013-06-29 | 映画(ら行)

■「恋愛小説家/As Good As It Gets」(1997年・アメリカ)

監督=ジェームズ・L・ブルックス
主演=ジャック・ニコルソン ヘレン・ハント グレッグ・キニア

●1998年アカデミー賞 主演男優賞・主演女優賞
●1998年ゴールデングローブ賞 作品賞・主演男優賞・主演女優賞

 平気で人種差別をする、異常な潔癖性、金にものを言わせる・・・ほとほと嫌なヤツなのにどこかチャーミング!、こんなジャック・ニコルソ見たことない。この映画の魅力は彼の怪演によるものと言っていいだろう。ロマンティック・コメディ向けとはとても思えない人選だけに、それが奇妙にハマる面白さは他では見られない。そういう意味ではオスカーは当然なのかもしれないな。また相手役ヘレン・ハントがまた魅力的だ。前半のやつれた厳しい表情から、一変して恋する女となる後半の演じ分けは見事。

 そんな役者陣の好演はさておき、気になるところも。人物設定やお話自体は呆れるほどベタで(貧富の差やら同性愛者の隣人等々)、主人公とのギャップ・価値観の違いはあまりにも歴然。これほどの違いを乗り越えた恋愛成就・相互理解だからカンドー!って図式なんだろうけど、そこまで徹底した設定にしないと観客はピンとこない?とでも思っているのだろうか?。わかりやすいのは確かなんだけどね。それに演出過剰だろ?と思えるところも気になるし、ゲイの画家がヘレン・ハントの裸を見て意欲を取り戻すあたりもどうも都合がよすぎる。

 そう思いながらも、アート・ガーファンクルの主題歌が流れるエンド・クレジットを眺めながら僕は思った。あー、恋がしたい!恋がしたい!(笑)。恋する幸せな気分があふれるこの映画の術中に、僕もまたはまってしまったようだ。それは「君に言われてからいい人になろうと思った」といった素直な一言や、画家と友達としてキスする彼女を見て子供のようにスネたり、ドライブにCD編集して持参する主人公の素直な行動に共感できるからだろう。

(2004年筆)




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