このところ多くなった夜の訪問者はテロリストではなく甲虫だった。それもクワガタだ。といっても、小型だったので、コクワガタ♀と思っていた。念のため図鑑で確認してみたが、同じようなクワガタが多いのに困惑する。コクワガタだと前脚が直線型で、「ヒラタクワガタ」のそれは曲線型だという。
ひっくり返るとなかなか元に戻れないのがおかしい。夜の訪問者は体が大きすぎるのかオスのクワガタは来ない。今まで何回か小型クワガタが来ていたが、コクワガタかヒラタクワガタか確認のしようがないが、これからは多少は同定できそうだ。昆虫少年かマニアじゃないと同定は難しい。今回は「ヒラタクワガタ」のようだった。
先月にやってきたのは、「ノコギリカミキリ」のようだ。鋸状の触覚から名前がついたが、これは鋸としては使えないものだろうな。松などの針葉樹や枯木を食害する。やってきたときはゴキブリが来たかと思ってしまったほどだ。
足が長いので木の周りを歩き回るらしいということで、キマワリ(木廻、ゴミムシダマシ科)の名がつく甲虫もやってきた。数十年前にキャンプを小学生らと一緒に行ったことがある。そこで、クワガタやカブトムシを捕まえに早朝森に出かける。何人かはそれらを捕獲できたが、ある女の子が捕獲できなかったので代わりにキマワリをあげたが残念ながら泣きじゃくって困ったことを想い出した。家庭に問題を抱えていた小学生だったのでキャンプに来てくれただけでも大いに感動したものだったのに。
キマワリはそれほどに人気のない甲虫だ。ゴミムシに似ているからだろうか。朽ち木を分解してくれるという意味では森のお掃除屋さんという地味な職人なのだろう。だから、本屋にはクワガタ・カブトムシの本はいくらでもあるが、キマワリ関係の本は皆無と言っていい。