パソコンの不具合で四苦八苦していたときだった。解決方法があまたありやっとやっとたどり着いてブログ更新に着手できた。M社の独占的優位に忠犬の日本はどうかしているぜ、といつも痛憤するばかり。まったくー、わかりやすくしてくれー。
玄関近くの道に落ちていた赤い実。今まで見たことのない実だった。一見、ヤマボウシの赤い実に似ているので食べられるかもと期待したが、見るからに病気のような奇妙な形だった。虫の住み家でもなかった。
(画像は京都九条山自然観察日記webから)
調べてみたら、「サネカズラ」(マツブサ科)であることが分かった。実はブドウを丸くしたような集合果で、赤くない小さな実は受粉できなかっためしべのようだ。この集合果なら見たことはある。つる植物の割には相手に絡まりつく貪欲さはなく控えめだ。だけど、しっかり生きている。
(画像はhimekyonの部屋webから)
そのためか、古来から和歌で登場する。百人一首にも「なにしおはば あふさかやまのさねかずら ひとにしられでしるよしもがな」(藤原定方)という恋心を詠った名句がある。紫式部の曽祖父が右大臣の藤原定方だった。左大臣が今でいう総理大臣なので、右大臣は官房長官という地位かな。『万葉集』では藤原鎌足や柿本人麻呂もサネカズラを詠っている。昔の政治家は、文学の素養がなければなれなかったのに、今の政治家はなんとも「さもしい」限りの狭量であることよ。
さて、サネカズラは、茎の皮をむき水に浸すとどろどろの液体ができ、それが男性のほつれた髪を直す整髪料にもなった。そこから「ビナンカズラ(美男葛)」の別名も誕生する。また、この液を塗ってヒビやアカギレも直したという。生垣でよく見られたが、わが家では鳥が運んできたのかジャングル形成の藪状態に貢献している!?