セニョール農園からいただいていたコンニャクに花が咲いた。コンニャクは4年目になると花が咲くようになるという。コンニャクを作る農家は三年目に収穫するので花を見る機会は意外にないという。その花が畑に三つも咲いたのだ。
この赤紫色の花は、英語名だと「Devil’s Tongue」と言って、「悪魔の舌」だ。しかしこの花は、正確に言うと花ではない。蕾を包む葉が変形して巨大化したものだ。それを英米人は「悪魔の舌」というが、日本人は「仏炎苞」という。仏像の背後にある炎をかたどったもので日本人らしい感性が輝く。
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棒状の「肉穂花序」の柄の上側に雄群の花が、下側に雌群の花が蠅の到来を待っている。臭いにおいを出すから蜂ではなく蠅を選択している。その理由がよくわからないが、それも生き残り戦略なのかもしれない。(図はweb「ねとらば」から)
肉穂花序の付属体のてっぺんにハエがやって来ていた。付属体の内部の柄には雄の花が見える。雌の花はやっぱり大奥だ。いずれ、ウラシマソウやテンナンショウのようなブツブツの赤い実が見られるに違いない。滅多に見られない「悪魔の舌」。これが見られるということは、要するに、ぐうたら農業の成れの果てということでもある。