害獣からのトウモロコシ防衛の成功に気をよくして、次は本命のサツマイモ防衛だと、ぐーたら当局は珍しくやる気を見せた。「やればできるじゃない」と言うと、まんざらでもない顔を見せておだてに乗る。どこからか太目の支柱を探してきて低めのトンネルを作る。
隣の畝はすでにイノシシの運動場になっているので細心の注意はいらない。イノシシが本気で壊そうとすれば簡単に崩壊しそうなものだが、当局はなるべく予算を使わないよう古い資材をかき集めてきたようだ。どうやら、予算ゼロでやったらしい。安倍くんのマスク散財に比べればましではあるけれど。二重のシートに覆われているので、採光には問題ありかも知れない。しかし例年、完膚なきまで食べつくされているので当局に任せるしかない。
さらに、この畝の周りに「木タール」剤を撒いたので、臭いだけでも一週間くらいは効果はあるはずだ。畑のあちこちにクレーターが残されている。初めて来た人にはこれらの光景は異様に見えることだろう。しかしそれは、コロナ禍と根っ子は似ているのかも知れない。
つまり、人間の都合が自然界への介入を強めてしまった結果、害獣もコロナも居場所を奪われてしまったということだ。「ウィズコロナ」という言葉が最近使われ始めたが、「ウィズイノシシ」とするには、里山の豊かさを復活させなければならない。宮崎県綾町のように照葉樹林の森を保持し、有機農業の町を形成しなければ、と海馬は突然かけめぐる。個人でできることは限られるが、最近は野菜畑ではなく樹を植える機会を増やそうとしているけどね。