無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

元田んぼを自然菜園に緑肥作物を活用して移行中~夏

2013-09-05 21:41:05 | 自然菜園の技術 応用
本日、のち

朝5時に起きたら、すごい雨で野良仕事をあきらめ、起きては寝ると2度寝3度寝し、午前9:30まで久々に良く寝ました。


3年前の秋から田んぼを半分は田んぼとして、残りの半分は自然菜園として野菜や穀物を育てたくて、
自然菜園予定地に全面緑肥作物を播いて、去年1年間土壌改良を試みました。

田んぼであった場所を畑にする際に、一番不便なのは、水はけの悪さです。
田んぼなので、水がたまりやすく、そのまま畑にすると根ぐされしたり、雨の後ぬかるんで種まきできなかったり、何かと野菜を育てるには不便です。


元田んぼでは、エダマメやサトイモはとてもよく育ちやすいので、田んぼでもよく育つ作物を選べば、問題はありません。

しかし、トマトやダイコン、ゴボウ、サツマイモなど水はけの悪い畑で栽培すると、病気がでやすかったり、まともに育たなかったりかなり泣かされます。


セスバニア

ソルゴー

ヒエ

そこで、以上の緑肥作物に加え、クロタラリアやエンバク、クリムソンクローバーなど多種多様な一年草の緑肥作物を混ぜて、1年間全面的に育て、土を緑肥作物の根によって、改良してもらいました。

セスバニアは、水が大好きなマメ科の1年草で、レンゲの4倍もの窒素を固定して土を肥やし、2mにも及ぶ根で地下に無数の穴をあけてくれます。

セスバニアには注意点があり、タネを購入した際に添付されている専門の根粒菌を付けてから播種しないと、育たないこと。
また、乾燥に弱いため、水はけがよく乾きやすいところでは、生育が悪く効果が半減することがあります。


そこで、乾燥に強い背の高く窒素を固定してくれるマメ科のクロタラリアや、背が低い同じく一年草のクリムソンクローバー、
相性の良いイネ科の背の低いエンバク、背の高いソルゴーなど多種多様な緑肥作物を混播し、適地適作で土を改良していきます。




去年は、前面に播いた緑肥作物ミックスを今年は、田んぼとの境の際の水はけが悪いところのみ再び2年連続作付し、
田んぼからくる水を速やかに排水できるように強化しました。

注意深いのは、セスバニア、ソルゴー、エンバク、ヒエなどの緑肥作物のミックスを混播したにもかかわらず、
水などの土の状態に合わせて、適地適作にムラに種類ごとにまとまって生えて育っている点です。面白いですね




田んぼ際の以外のところでは、友人たちのご協力のもと一緒に堆肥を混ぜながら畝立てを行いました。

水はけが悪い元田んぼでは、畝を高くする必要があります。
また、一度立てた畝は自然菜園の特徴の一つ不耕起(自然耕)栽培で使う予定です。

不耕起(自然耕)栽培では、耕さないことによて、草が生え根が張ることで無数の穴が空き、とても水はけがよくなるので元田んぼを畑にするにはもってこいの方法です。

完熟堆肥を浅くすき込みながら畝立てすることで、今まで田んぼの生き物しかいなかった土に畑の生き物が住みやすい環境にしてあげます。
完熟堆肥は、自作で、数種類の堆肥をブレンドしながら使います。

完熟堆肥を投入することで、土の団粒化は促進され、ますます水はけのよい土に変わってくれて、今までいなかったミミズはどこからかやってきてくれましたし、スコップですぐに砕ける土になっていたので、緑肥作物+完熟堆肥の御蔭で畑らしい土になってきました。




自然菜園を田舎で成功させるには、畦草を丁寧に刈っては、熊手で集め、畦など常に周囲の草を刈って綺麗にしておくことも重要です。

畦の草を伸ばし放題にすると、いいことはありません。
ものぐさだと思われ、草のタネが飛んでくると悪評を立ちますし、
ネズミやモグラが住んでしまい、農作物に被害が出たりします。

そこで刈った草は、




完成した畝の上に、草マルチの材料としてどんどん重ねていきます。

畝立てをして、そのままにするよりも、刈った草があれば乾く前に畝の上に敷きつめることで、ミミズや土の生き物が活動しやすくなり、土は固くならずしっとりと団粒化し、これから生えてくる草も抑えられすぐに作物が種まき、植え付けできる準備にもなります。

草がない場合は、稲ワラや麦ワラなどでもOKです。
砂漠のように土をむき出しにしないことがとても大切です。

特に元田んぼの土は、一度固まってしまうとガチガチになりやすく、作物の種まき、植え付けが難しくなる上に、
生き物が住んでくれないので、いつまでもそのまま作物が育ちにくい土のままになってしまうからです。





もし仮に、被覆する草やワラがなければ、そこで緑肥作物でワラを育ててしまうのも手です。

今回は、まだ夏でしたので、ソルゴー、エンバク、クリムソンクローバーの3種類を混ぜたものを、


草やワラが足りなく草マルチ被覆できなかった場所や、来年まで植え付けの予定のない場所を積極的に根で耕し、緑肥作物自身を刈って敷くことで、草マルチを自給するために、混播し、浅く土と混ぜておきました。

今回は、余りに粘土質が強い土で、今までずっと化学肥料農薬でお米を育てていた田んぼだったので、
多種多様な緑肥作物の力を借りて、自然菜園に移行できるように2年計画で行いました。

これからは元田んぼがどんどん休耕田として借りやすくなってくるでしょう。
田んぼとして使うのであれば、さほど問題がなく、無農薬でもお米が育ちますが、
いざ畑として使おうと思うと、意外と苦労されるものです。

元田んぼは粘土質の場合が多く、しっかりと土を団粒構造を発達させ、草マルチで被覆すれば、肥料持ちもよく、ほど良く水分をもってくれるため、野菜がとても育ちやすく、詰まった美味しい野菜が育つものです。

そのためにも、多少時間はかかりますが、今後のことを考えると、
元田んぼをすぐに畑にするのではなく、1~2年かけて緑肥作物や完熟堆肥などを活用して、一度しっかりと畑に移行してから無農薬で野菜を育てた方が無難だと思います。

今回の試みで、陶芸ができる位粘土が強かった土が、雨が降った次の日でも水たまりがなくなっていて、ぬかるんでいなかったので、翌日でも野良仕事ができたことにとても感動しました。

その後どうなったのか、続けてブログでご紹介出来ればと思います。


9月の『これならできる!自然菜園入門講座』
9/11(水)松本(NHKカルチャーi-City松本教室)

9/8(日)穂高養生園さんでの
『持続可能な自然菜園入門講座~畑と田んぼからはじまる食卓~』
コメント (36)
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