おはようございます。山の日、水気を含んだ涼しい北東の風が吹き込み、昨日までとは違った朝を迎えた東京です。
■ゴーヤの実り
愛車で通勤する朝、夏の楽しみは、ラジオで「こども電話相談」を聞くことです。
TBSラジオのは昨年、惜しくも終わってしまいましたが、NHK第一の「夏休み子ども科学電話相談」は健在です(ニッコリ)。
画像に慣れた時代に、ラジオの言葉だけで、年齢に応じて説明をし、理解を引き出す。限られた時間で、エッセンスを伝えるって、日々、勉強になります(ニッコリ)。
長年きいていると、この年齢でこれをたずねたいって思うのだなっ(笑)という、繰り返される質問がある反面、毎朝、初めて知る科学もあります(ニッコリ)。
先々週、「ゴーヤは苦いけど、種は甘いって本当ですか」と質問がありました。図鑑に書いてあった、けど不思議だったので質問したとのこと。
回答が素晴らしかった!
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ゴーヤは種ができると、実が割れて、中には赤い種ができます。種を包んでいる赤いとこが、鳥がわかるくらい、ちょっと甘い。
なぜ甘いかっていうと、食べてもらって種を運んでもらうためやねん。
種ができる前にたべられたら、叶わんから、その時は苦いねん。種ができたら、運んでもらわならんから、甘くなるねん。すごいことやとおもわへん?
今はグリーン・カーテンで、ゴーヤを育ててるおうち多いから、近くで見せて貰って? 黄色なったら、すぐやから。種ができたら、割れんねんから、よくみてね。その種をとっといて、来年、植えてみてください。
(大阪方面の言葉のニュアンスを補って、読んでください。ワタクシ、東の人間です、ニッコリ)
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こどもの疑問に応えて、それから、何故それが起きるかを教えて、さらに、フィールドで観察するように、導く。
なんて素晴らしい回答だろうっと、惚れ惚れしました。
そして! ゴーヤは好きでよく食すのに、種が赤く甘いなんて、私は知りませんでした(笑)。
取れたて野菜を下さる方に、ワクワクとこの話をしたら、「当たり前だよ。見せてあげます」といってくださいました。きゃー♪
数日後、美味しい緑のゴーヤと一緒に、こちらの黄色いゴーヤを持ってきてくださって。長さは同じ18cmくらい、触ると、ふかふかしています。
明日には割れるかな、もたないかも?弾けると掃除がいるから(笑)と。
一昨日もとっておいたら、朝には弾けてしまって。はじめから見たいんでしょ、とまで、気遣ってくれました。
つるから外した時間をきいて(笑)。
透明なアクリルケースにおいて、25度室温、循環開放で20時間。割れ目がはいり、手で触れたら、はらっと崩れました。(最初の写真)
緑の皮のとき、白い種やわた、薄緑の可食部は消えています!
中は空洞です。皮の黄色だけがわかります。赤いとろとろ、むにゅっとしたものがはいっています。柿の種程の大きさです。
取り出してみました。18cm長のゴーヤに、14粒の赤いものが入っていました。写真下部です。にゅるんっとした赤い袋は、バラバラですが、つまんだ位では外れません。
舐めてみると、野菜の味でほんのり甘い。もうゴーヤの味はありません。皮もマンゴーの皮みたいに食べ物ではなくなっています(笑)。
流水でこすると、赤い袋が破けますが、種の一部に繊維状に残ります。写真中央です。
擦り洗いすると、種の本体があらわれます。写真上部です。
種は茶色から白、5~8mm長の細長い粒です。茶色が成熟しているのでしょう、堅くしっかりしています。
農家の方も、この種を来年使うそうです。これをとりおいて、私も来年植えてみます。(ニッコリ)
★★★
ラジオで教わった通り、ゴーヤは実ると赤い甘い種になるのです。この赤い実を鳥が食して、堅い種になっている茶色い部分を、糞として、他へ運んでくれるのでしょう。
ある程度、時間がかかるように、繊維はしっかりしていて、距離を運ぶようにできているのでしょう。
人が好んで食すほど甘くはなく(笑)、ジュースになる量もないから、この植物は絶えることなく、人と共存できたのでしょう。
スゴいことです。誰が、それを教えたのか(微笑)。進化の糸は、魔法のように生命を紡いできたのです。(ニッコリ)
★★★
ラジオで聞き、それを体験して、自分の知識にする。これをまた、私は小さい人に話すでしょう。そうして、知識は皆の知恵になっていきます(ニッコリ)。
「こども電話相談」は、教えてくれます。相手に伝わるように話すことの難しさ、大切さを。
専門用語を、いかに噛み砕いて、わかるように話せるか? 本質を理解していなければ、それは出来ないことを。
もっと知りたいと望む子供には、博物館やフィールドにでる道筋を話し、幼児には、気づいたことが意味あることだと励まします。
科学する気持ちだけではなく、不思議に思ったことに答えがあることも、今はまだ謎であることも話します。
知識の総量が増えたら、もっと解るのか、いまの科学では解っていないことなのかを、明確に話せる人は、少ないです。
毎回、敬意をもつ回答者も、難しく話すだけの足りない(笑)回答者もいます。
仕事場で、自分の話し方はどうだろうか? 伝わらなければ、相手の行動を引き出すことはできません。相手の理解を引き出し、考えをおこし、行動に繋がる話ができているか…。
毎朝、自分も考えます(ニッコリ)。
ラジオは話し言葉を意識させてくれる、日々の先生です。
★★★
今回、参考にした番組は以下です。
NHK 夏休み子ども科学電話相談、ラジオ第一放送、1984年にはじまる。
永く愛した想い出の番組は
TBSラジオ、全国こども電話相談室、1964年から2015年まで51年間、放送されたそうです。書籍や雑誌に、やりとりの記録が残っています。私も集めています。胸を震わせる素敵な言葉が残っています。
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