トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

漏水、池に還らず…

2016-07-23 | 水辺環境の保全
 定例会のこの日、遅参で昼を食べに立ち寄ったようなものだが、昼食を早々に済ませ水見回りに行く。トンボ池へ給水しているパイプから落水音がせず水が出ていない。泥水池の分水部を確認すると堰の下から漏水して泥水池1も干上がる寸前だった。スコップも何もない手ぶらなので足で泥を掻き寄せ漏水部を埋める。後日、硬い土か板を差し込んで補修の必要がある。
 最上部の上の池も水位が無い。ここも減水を起こす個所は堰なので確認に行ったら漏水孔と言うより土嚢を詰め込まねばならないほどの大穴だった。
 理由は単純で、湛水するために土嚢を積んだ部分を加工したからなのである。この部分は大きく浸食されていて丸太と土嚢を丁寧に積み上げようやく流出を止めれた堰なのだ。土嚢一袋を動かしても漏水する程のデリケートな部分を、水際線に恐らく歩ける平坦部を作りたくて干渉したのが見てとれた。
 水辺は一帯の物として、ここがテリトリーの世話役に了解を得、小生が大事を負担してきたのだが、差し障りが生ずる部分や行為まで共有できないのが現実である。ともかく水見回りを欠かさず、支障部位はその都度潰していくしかない。
 まあ、愚痴にしかならないが、「水辺に水が無い」事の重大性など気にする人はいないのが現実なのである。ダム湖に水が無くなる事など気にもしないのと同じで、渇水してからでは後の祭りだ…。
          大穴が開いた     上の池減水

今日のトンボ「小父も歩けば稀に当たる」

2016-07-22 | 小父のお隣さん
 作業の前後は水見回り。と言うよりトンボ探しが主なようなものだ。連日、決まった時間帯の見回りだからその前後に活動時間帯を持つ種には逢えない理屈だが、時折は朝夕が活動時間帯になるマルタンヤンマに出会う時もある。まあ、年に1度程度だから七夕様の同類だろう。
 さて、今日の稀種は氏素性不明のイトトンボだ。先日に羽化直後と思われる小型のイトトンボを見ているのだが体長から同種ではないかと思ったものの根拠は無いに等しい。それでも交尾中だったから産卵はしてくれるのだろうが、周囲に捕食者は多く生息しているだけに大変だろうことは容易に想像が付く。
 体長35mm程度のイトトンボでは飛翔能力もおぼつかない。どこから飛翔してきたのか風が運んだのかは不明だけれど、これよりサイズが10mmほど大きいキイトトンボは稀に見る個体数で「待てば海路の日和あり」と言うより「待てば開路の日和あり」と言う事であろうか…。
            先日の個体     今回の種

三日月池刈り払い

2016-07-22 | 水辺環境の保全
 今日の最高気温34℃、木陰に居さえすれば快適だったが。刈り払いを終え涼もうと木陰に入ってからも汗の出る事出る事、作業中よりも発汗した感じだった。熱中症予防のため、起床時から出かけるまでに深蒸し茶二杯は飲んで、作業前に梅干し入り麦茶を飲み塩飴を口に入れる。とにもかくにも発汗に備えて体内にたっぷりと汗の材料を溜めておくのが熱中症予防の心がけである。
 前日に刈り残した台地の不整地面を刈り払い、続けて三日月池の周囲を刈った。この池には自ら歩いてきたのか放生されたのか不明だかウシガエルが生息するようになって、日中に鳴き声が周囲に響く。水見回り中に池の縁から飛び込んだ生物がいて、音の大きさから「ヒキガエルか?」と一旦は思ったものの水辺に来たとしても飛び込むほどせっかちでは無いと思いなおした。後日、鳴き声を聞き、ウシガエルだったかと判明した次第である。
 三日月池の刈り払い、周回路を設えてあったのだが猪に寄る掘り返しで崩され泥地と変わっていた。まあ、この周回路、泥浚いするために設えた通路だから、泥浚いして盛り上げれば良いだろう。
 さて、作業結果はと言うと、水面が明らかになり、上部を覆っていた若竹も徐竹したから目に触れやすくなったはずである。小さい池だがトンボ類は言うに及ばず、カルガモ、カワセミもやってくるから放置も出来ない。
      水面が覆われた  ➡  開放された(反対方向から)

黒でなくアメゴム色

2016-07-21 | 小父のお隣さん
 今季二度にわたって食べ尽されたウマノスズクサが復活してきた。それに伴ってジャコウアゲハのメスが産卵のため舞っているのが網戸越しに楽しめるようになった。食草狙いでも一直線と言う訳でもなくヤマユリやニガウリ等の葉にも探る様に舞う。
 そんな中で、既に孵化した個体も出てきたのだが何時もと体色が異なる個体ばかりだ。同じ親からなら理解できるが齢の異なる幼虫も同色だった。
 さーて、こうなると小生の記憶再生機構は乱れ始める。「ジャコウアゲハの幼虫は黒かったのではなかったか…」と。
 まあ、深く考えても禿げが進むだけだし、撮影して一件落着。黒くても赤茶でも同じジャコウアゲハだもの…。
  
              威嚇された    異なる齢でも赤茶色

森の三面記事「三角関係性有りや無しや…」

2016-07-21 | 小人閑居して憮然
 ついに「ナラ枯れ病」が発生した。樹齢は不明だが斜面に斜行して育った胸高直径は60cmを超えるコナラだ。被害木は通路の真上だし、切除しようにも6600Vの送電線に当たる場所なので処理は無理だから農林事務所に伝えておく。「後日確認に行きます」とのことだが今日のボヤキはそっちではない。

 不審事項の1は「梅雨も明けたのにカブトムシがトラップに入ってこない」事、昨季はクヌギを蹴っ飛ばせば落ちてきたほどいたのだ。不振事項の2は「街では蝉が大合唱、フイールドではとんと鳴かない」という事象で何かおかしいと感じていたが理由はわからない。
 この「ナラ枯れ」発生の事態におよび、急遽この関係性を着想した。いつもの通り科学的根拠も見地も全くないのだが、カブトムシもセミもナラ類は好みの樹種だ。ヤマザクラなど多くあるのにアブラゼミも寄り付かないのはどうしてか、わが野次馬根性は「三角関係、三角関係!」と主張して止まない。

 立ち枯れ樹の周辺を点検したら感染樹が多数あった。秋までには全て枯れるだろう。そんな事で「病まない」ではなく「病んだ」兆しのフイールドになってきた。松枯れの流行時も無残だったが、常緑広葉樹が多い地域とは言え、多くの赤茶けた病木を見る事は間違いない。この病気、若い樹には感染しないと言うけれど、ようやくドングリを生産するようになったクヌギ、コナラ林の先行きが気になる。
 一方ナラ菌を持ち込み養菌し食料にしているキクイムシの賢さには恐れ入るが、ナラ菌の混入した樹液を吸えばヨーグルトの様に健康菌飲料として有りや無しや…カブトムシもセミもチャレンジして欲しい。まあ、感染拡大の件は「早めに萌芽更新死なさいよ!」でなくて「しなさいよ!」と言うメッセージであって「転ばぬ先に材にしてしまえ」と言う事に他ならない。
   幹根部の排出木粉     仰いで見る

     菌は増々コナラは枯れる伐るに伐られぬ架線そば 

二枚貝の集合住宅

2016-07-20 | 今日は真面目に
 回復槽で1昼夜過ごさせた。半分くらいはベロを出して生存徴候が見える。もう大丈夫かと一旦は池に放したのだが一晩おいて考えたのは生存率を上げる手入れの仕方だ。
 生息地は田圃の用水路とは言え水流がある場所なので水流も欲しいし酸素濃度も欲しい。何より餌の供給をどうするのかも長期的には重要だろう。
 水流、水質はウオータークリーナーを投入したからクリアーしたとして、発生するであろうプランクトン類はクリーナーに捕捉される環境になる。池に放流したままでは個々の確認や給餌が不可能だ。
 そこで思いついたのが集合住宅で、と言うより天守台風なのだが作って二枚貝を置いてみた。これなら既存の水底より高い位置になり砂の層も厚くなる。全面鉢底ネットの容器だから水の通りも抜群のはず…。
 山から帰って涼む間もなくチャッチャと作って据え付けた。周年、この生息密度で望ましいかどうかまでは判断しかねるが、お互い馴染むまで生簀住まいをしてもらう事にする。
 貝を水中に入れている間にタナゴが群がってきた。手乗りタナゴだから不思議ではないのだが小生より貝のほうに熱を上げている。当たり前か。
  鉢底ネットを張る   ➡   砂を入れ貝を置いた

7月定例会

2016-07-20 | 月例会
2016/07/17(日)9:30~13:00
 会員 11名
 活動 拠点周辺刈り払い・遊歩道補修

※小生は昼近くなっての参加で作業は出来ず、昼食を食べに行ったようなものだ。宅配便で午前中に生きた二枚貝が到着する事になったので、これを午後の再配達に回し作業を優先する訳にはいかない。
 街中ではクマゼミ、アブラゼミの喧騒があるのにフイールドは一匹とて鳴いていないのはどうした事なのだ。昨年、手からこぼれるほど発生していたカブトムシもトラップを掛けても入っていない。何かおかしいと感じるのだが、もちろん理由など分かるはずもなし。

                      栗畑下草刈り

今日のトンボ「こんな程度で惑わされる…」

2016-07-19 | 小父のお隣さん
  若い     成熟体
 水見回りすると足元から飛び立っていくトンボはマユタテアカネだ。顔面を見ればそれと判別できるが、そうでないときは自信がない。羽化盛んになったといってもよい時でもそうなのである。
 どのトンボも羽化直後の翅の煌めきは特別に美しく感じるのだが時がたつにつれ体色も熟してくる。そんなトンボが並んでいると「はてさてなんだ?」と戸惑ってしまう。戸惑う理由や陥ってしまう理由なんて他愛もないのだ。
 

葦の根茎による大打撃

2016-07-19 | 今日は真面目に
 実家の掛け軸に「葦蘆の中を流るる清水かな」と言う句があった。当時はヨシもアシも別物と思っていたし心得めいた表現とも思わなかったのだが、現在は「アシ」としてしか認識しない。
 水辺の維持管理をする中で最大の危機は渇水なのだが、日常的に労力を費やさざるを得ないのが漏水を防ぐ事に尽きる。現在の泥水池は棚田跡に葦が入り込み藪になった土地だから地中の根茎から漏水する部分は嫌になる程発生してきた。
 最近はサワガニやモクズガニ、イモリなど生物による漏水部が多いのだが、それでも腐食していた地下茎に水が届くと漏水を引き起こす。それだけに飽きる事無く発生成長してくるのをヨシとは呼べない排除対象なのである。葦原に来るオオヨシキリなどはお馴染みの渡り鳥だったが、現在地を葦原にしては水辺の余地が無くなってしまう。
 そのアシ、今期も大きく成長したのを掘り取って見た。根茎は茎より太く親指程の径があった。この太さが地下にあって水を逃がしてしまう事態になれば、毎分15ℓ程度の送水しか得られていない泥水池には死活問題である。

二枚貝飼育事始め

2016-07-18 | 今日は真面目に
 調和水槽に切り替えた事で、より自然な生物層に近づくかと次兄がカラスガイとシジミを送ってくれた。「送った」と電話があった時から大急ぎで受け入れ準備をする。宅配便で20時間ほど要して小さなタンクで送られてくるので「厳しいかな…」と思いつつ、電池式のエアーポンプで回復槽の水に十分な酸素濃度を確保して受け入れ準備とした。
 肝心の調和水槽(池)は連日30℃前後の気温のせいで濁りが激しくなり、水深40㎝の底の状態も分からなくなってしまった。水を濁す原因は不明のまま二枚貝を投入出来ないから、お役御免として不燃物に出す予定だったウオータークリーナーを再使用する事にした。
 濾過と溶存酸素量の向上が期待できるのだが、一方では稚魚や微生物の減少も懸念される。とは言え夏場の水質悪化は全滅に通じるから最悪の事態回避は第一選択肢である。
 二枚貝の飼育はデリケートで餌の確保がカギなのは拝見する情報にあまたあったけれど、決定策が無い。今回の曝気回復槽には珪藻類の代用としてビール酵母の錠剤を入れておく。池に移し替えたらビール酵母とえひめAIの澱を代用食で与えてみようと思っている。
 調和水槽に切り替えた時に投入したドブ貝は水底を手探りして取りだしてみたら二個は生存していた。ほぼ4カ月生存しているから酸素濃度を上げ水質を改善すれば夏を越せるのかどうか…。ドブ貝より水質の良い水田水路に居たカラスガイとシジミはどうなのだろう。まあ、二枚貝など味噌汁の具材でしかなかった小生が繁殖にまで挑戦とは恐れ多い事ではある。
 こう言う事も「病、膏肓に入る」とでも言うのだろうか…。

台地の刈り払い

2016-07-17 | 今日は真面目に
 台地の刈り払いを実施。思っていたより蔓草の成長著しく刈り刃の取り回しが大変だった。中央部は低草地で木本は台地外周付近に育てているが、低草地部分の蔓草が漁網の様に絡み合って、刈り払いの往復運動の邪魔をする。
 刈り刃の当たった部分は切断されても厚く層状態になっている蔓草は容易に刈り取られてはくれない。今季から中央部の低草地部分にススキを残す事にしたから、その分にも注意を振り向けねばならない。
 ススキを残す理由はカヤネズミの生息環境を創出する事にある。「何時かは植樹を・・・」と維持してきた低草地なのだが、建築廃材を捨てた上に盛り土した台地なので木本の高生種は不適当ではないかと思うようになった。
 まあ、周囲の樹木が大きくなり、あえてこの台地に植樹せずとも森づくりは十分だろう。環境向上に役立てるならススキッ原の方が在来種保護に一役買えるのではないだろうか…。そういうことなのである。
       開始前   ➡    ススキが育っている

今日のトンボ「ハグロトンボ」

2016-07-16 | 小父のお隣さん
 庭の池でトンボを羽化させたいと思うようになったきっかけのハグロトンボがようやく訪問してくれた。翅色は真っ黒でなく薄墨色で何となく違うような気もしたが問題はないのだ。これに引き続いてオオシオカラトンボが産卵してくれた。フイールドでは近くで産卵行動など行わないのだが人が居ることなど意に介さず産卵していった。
 家の池で産卵場面は初めてで、ヤゴは数種類いるのは理解しているしイトトンボ類の抜け殻もあったから羽化は間違いないのだが種類がわからない。
 トンボとは関係ないものの、錦鯉を廃して野生種の調和水槽にしてから池の側面に付着した藻の厚みが増し、指で触れると絨毯のように感じる。こういう藻の内部に微生物が生息するのだろう。錦鯉飼育下ではここまで増殖しなかったのだ。

田んぼでは無いし公園でもない…

2016-07-16 | 感じるままの回り道
  泥水池の手入れをしていれば「田圃ですか?」とか、食物連鎖のための水稲も「美味しく出来ますか?」なんて質問は当たり前。刈り払いも刈り残したり何回かに分けて刈りはらったり、刈り高も場所によって異なるから、気が付いた人からは質問が来る時がある。
 まあ、「不揃いのリンゴたち」ならぬ「不揃いの作業具合」と思われているのだろうけれど、とちらにせよ生物保全とつなぎ合わせるには一言では分かってもらえない。面倒くさいので「暇つぶしですから…」で済ます事が多いのである。
 常識的、一般的な視点から見れば公園の芝地や土手の斜面の様に綺麗に揃えて刈り払って貰わないと気持ちが悪いのかもしれないし横着に見られているのかもしれないが、それが作業基準ではないから粛々と行うだけの作業が続く。

斜面の刈り払い

2016-07-15 | 今日は真面目に
 原っぱ部と台地部の斜面刈り払いをする。既に今季3回目なのだがオニアザミ類は腰の高さ、ヤブガラシやヤブマメなど少しでも高いところ、日当たりの良いところへと蔓を伸ばし刈り払う抵抗も半端でない。
 この日も真夏日で33℃を記録した。台地平面も刈り払う必要があるのだけれど、給油してまで作業を続けるファイト無し…。拠点道具小屋で木工工作の部材を切り出して終わる。
            作業前   ➡  終了、反対側から

今日のトンボ「羽化トラブル」

2016-07-15 | 小父のお隣さん
 水見回り中、足元の草の中にトンボがいた。見慣れない感じがしたから「サナエトンボ?」とカメラを近づけても飛び出さない。よく見たら翅が縮れており飛行できない個体だった。手に取ってみるまでもなく今朝羽化した個体で、体色もまだ薄いシオカラトンボのメスだった。
 手当てできる訳でもないから、もといた場所におろしたけれど、羽化時のトラブルで飛行できない個体はそう珍しくもないのだ。人の出産でさえ命を懸けてやらざるを得ないほどのリスクは存在するのだから虫の世界でも同じようなことなのだろう。
        草むらの個体       左翅の損傷