GITANES薫る初夏なのに。
それとは無関係に・・・。
某大病院前のベンチに、かなり年配の女性が座っていた。
わかりやすく言うと、おばあちゃんである。
そのおばあちゃんはつばの大きい、白い帽子をかぶって
道路を眺めていた。
白いドットが入った青いワンピースを着て、ちょっとした高さのある
ヒールを履いていた。
背筋は伸び、手はひざの上に揃えられていた。
なんと涼やかで、お洒落なことか!
おばあちゃんが立ち上がった。何かを見つけたらしい。
スッと玄関前に1台のクルマ、国産の小さいクルマが止まった。
おばあちゃんは助手席にいそいそと乗り込んだ。
運転していたのは、白地に青いチェックの柄が入ったハンチングを
被ったおじいちゃんだった。
なんと粋でお洒落なことか!
クルマはまたスッと動き出し、道路に出て行った。
しばらく見えていたクルマのボディは綺麗だったせいか、
陽を反射してキラキラしていた。
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