GITANESは味もにおいも無難とは程遠い。
それとは無関係に・・・。
無難ですよ。
男性で、自分の着るものなどの買い物が苦手だったり、
苦手とまではいかなくてもまったく興味がなかったり
という人は少なくないらしい。
消費者・浪費者の私からするとなかなか信じられないことだが、
私も洋服屋の店頭に立っていた時期もあったので、その頃の体験を思い起こしてみると
確かに
「この人は買い物が得意じゃないんだなあ」とか「どうでもいいんだろうなあ」
という人は少なからずいた。
あなたがもしそういう人で、例えば仕事で必需品のスーツを買いに行ったとしよう。
その店の店員に1着を薦めながら
「こちらは無難ですよ。」
と言われたこともあるだろう。
これはある意味正しいかも知れないが、その言葉をまったく信用するのは
どうかと思われる。
「無難ですよ」
と接客で言ってしまうのは
1.あなた(客)に何が似合うのか、どう考えてもわからない
2.どうでもいい
3.文字通り、本当に無難だと思った品を、無難を求めるあなたに薦めている
4.早く接客を終わらせたい
という理由が考えられる。
3 のケースなら好意的とも言えるが残念ながらレアだろう。
大抵の理由は1か2か4、あるいはそれらの組み合わせ、もしくは3つ全部だ。
このお客に何が似合うかわからないし、それほど好みもないらしいから
ノーヒントのクイズみたいだし、突き詰めると好みがないんだからどれでも
構わないのかも知れないし、早くこの接客を終わらせて次のお客さんの応対しないと。
というのが真実に近いだろう。
「無難ですよ。」と言ってしまったら、他の説明が不要になる。
だって、無難だから。
それ以外に何が要るだろうか?
目立ちません と言っている訳でもないし、 地味ですよ と言っている訳でもない。
「無難ですよ」なのだ。
「どう転んでも、そんなに外していませんよ(センスも機能もドレスコードも)。」という意味だ。
万能の文句なのである。「無難です」は。
そして説明しよう・セールストークしようという努力がまったく要らず
比較的簡単に接客が終わってしまうフレーズなので、販売員の成長はそこで止まる。
「無難ですよ」ともし店で言われたら
あなたの応対を早く終わらせたがっているか、何も考えていないかのどちらかである。
どうせ買い物が面倒くさいのだから、あきらめてそこで買い物するか
もっと真剣に考えてくれる店に変えるか、「どこがどのように無難なの?」と問い
買い物そっちのけでアソブか、という選択肢がある。
いや、余計に面倒くさくなるだけなんだけど。
ちなみに、私が勤務する会社の洋服部門では
「無難ですよ」は禁止されている。
| Trackback ( 0 )
|