GITANESにはまだ興味があるのに。
それとは無関係に・・・。
さあとんかつを食べようと一口噛んだ時に
固定電話が鳴った。
発信先は0120。営業の電話だろう、面倒な。
「こちら****-***-****の番号の、今ご主人さまで間違いなかったですか?」
私はものすごく気が長く、とくにお店などの接客とか間違いについては
ほとんど気にならない。
飲食店で注文を取りに来た人に足を踏まれ続けるという事態も
しばしばあって、注文が終わって彼女が立ち去るまで
我慢し続ける方だ。
「足踏んでますよ」なんていってしまったら、「普通」という関係性が
壊れてしまうからだ。
ところが、自分でもよくわからないが
沸点が異常に低い日もあるようだ。
「こちら、ちゅうのはどっちじゃ?!」
許してくれ、この時点ですでに言いがかりだ。わかってるんだが何しろ
ランダムにやってくる沸点が低い日なのだ。
「そっちから言うて『こちら』ちゅうのは、こっちから言うたら
『そっち』のこっちゃ!」
「申し訳ございません・・・」
「いや・・・、申し訳ない・・・。で、何の用件です?」
「こちら○○電機の関連会社で、今なら面倒なお手続きほとんどなしに
太陽光で電気代の節約を」
「あ、太陽光ね・・・。興味ないのでもう電話かけないで、」
「はい、あの、ご興味のないところでございましょうが、本日の電話では、」
「興味ないっちゅうたら、興味ないんじゃ!ええか、
俺の興味はそこにないと、本人の俺が言うとるんじゃ!これ以上ないほど確実に
興味ないやろ!わかるやろ!」
ここでわかった。どうして今私の沸点が低いのか。
とんかつを食べるのを邪魔されたからだ。
冷めてしまう。とんかつが冷めてしまう。
基本的とんかつ権を侵害されているからだ。
ばんめし時に、いやだからこそ、そこを狙ってのしょうもない電話に
活き活きしたとんかつの体力が徐々に奪われてしまう。
「梅雨時に、太陽光の電話かけてどないするちゅうねん!」
いや、梅雨時は関係ない。自分ではわかっているのに。ごめん、しょうもない電話の主よ。
幸い、とんかつが致命傷を受ける前に通話は終わった。
名前も知らない相手に、「太陽光発電しませんか?」
という電話をしなければならない苦労を想像すると、本当に申し訳ない。
ご苦労様なことだと思う。
本当にごめんなさい。
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