年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

キムチのゴルマジ

2024年10月28日 | キムチ
韓国のキムチ報道でゴルマジという言葉があることを知った。
この時期は韓国の経済新聞にもキムチの話題が出て来る。キムジャンという食文化があって、気温の低下によって、日本の桜前線の様にキムチの漬け込みに適した時期を韓国の気象予報で出て来る時期となった。このことはいつから始まったというのかは判らないが、キムチという発酵漬物の韓半島の気候性と日本にはない行事で意識された食文化ともいえる。
韓国の毎日経済のニュ-スの見出し。
キムチからゴルマジ生成酵母、毒性なし 「きれいに洗浄してから摂取可能」
 早速に検索し、ゴルマジとは何か。日本語では判らない。日本語には無い。ただ自分の経験では、キムチの表面に白い幕が出ることがあって、そのことを言っている様に見える。
記事の内容から、大方のキムチの白い幕は安全のようだが、稀に緑色している幕は危険で洗って、取り除いても食しないほうが良いという。このあたりの記事はやはり国民食キムチの韓国では、政争の具となる事例で処理を間違えると、役人を辞めることになる。

 この韓国のゴルマジ生成酵母の対策が昔はあった。今はどの様な対策しているかは知らない。韓国から日本に出荷されたガラス瓶入りキムチは初期には日本でキムチの上部に白い幕が出来るのを知っていた。この状態ではキムチの自家製の人達は混ぜて食することを知っているが製造と食する人が分離している現代では事前の説明が無いと返品される。なぜ日本で白カビが出来るかというと温度管理ができていない。漬物は保存食というイメ―ジがあって、韓国キムチが発酵食品ということを忘れていることから来ている。
 ゴルマジ生成酵母の対策として韓国キムチの表面に食用アルコ―ルを噴霧殺菌する。しかしこれにも欠点があって、過剰なアルコ―ル噴霧はキムチの瓶内で変化し、シンナ―のような臭いが瓶を開けた時の感じる。クレ-ムがあって、キムチを回収し調べてもシンナ-が検出されなかった。蒸発したと思われる。そこで未開封のキムチを開けて、臭いを嗅いだところ、シンナ―臭があって、韓国に問い合わせたら、大目に噴霧したことが解かった。今はキムチの乳酸菌を制御しているので ゴルマジ生成酵母の問題は聞こえない。それは半導体製造工場の空気管理をキムチ工場でおこなっているという。千葉のキムチの大手の美山は工場はウイルスを通さない空気管理していて、厳選された乳酸菌をキムチに混入させている。
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漬物屋から見た輸出用韓国製キムチラーメン、漢字表記の感想

2024年01月29日 | キムチ
韓国農林畜産食品部は2013年中国にある韓国大使館などとの議論を通じて中国語表記法として「辛奇」を採択し、2021年文化体育観光部「公共用語の外国語翻訳および表記指」ではキムチの中国語表記と認定してきた泡菜を削除して「辛奇」を新たに明示した。
 韓国と中国は何回もキムチの表記で揉める。とばっちりが日本に来るからキムチの歴史論争の知識が必要となる。

今回の騒動の始まりはアメリカで販売されていたキムチラ-メンの漢字表記である。
農心という韓国ラ-メン業界のトップ企業が米国内販売強化で副表記に「中国語を使っている米国在住の中国人が理解しやすいようにと辣白菜という用語を併記した」もので「法令には反していない」としいる。 農心のキムチ表記問題は1月25日、米国に暮らしている韓国人の情報提供から始まった。「辣白菜は中国東北地方のハクサイの漬物であり、韓国のキムチとは全く違う食べ物」と指摘した。キムチ起源歪曲(わいきょく)など中国の「キムチ工程」が続く中で、「(韓国製品の)誤った中国語表記を使用すれば、中国本土の人にまた口実だけを提供することになる」という。 ただし「辣白菜」表記を問題化するのは行き過ぎではないかとする指摘もある。3年前に「辛奇」という公式中国語表記の使用が決まったものの、中国語を使う消費者(韓国国内にいる旅行者か?)にはいまも十分浸透していないという説明だ。 これまで韓国キムチは2001年国際食品規格(CODEX)で認定を受けた後、それまでこれといった漢字表記法がなかった。当時、中国消費者はキムチを「韓国辣白菜」「韓国泡菜」と呼んできたが、泡菜は中国四川省地域の野菜の漬物なので東北工程論争に発展した。 これに対して韓国農林畜産食品部は2013年在中国韓国大使館などとの議論を通じて中国語表記法として「辛奇」を採択し、2021年文化体育観光部「公共用語の外国語翻訳および表記指」ではキムチの中国語表記と認定してきた泡菜を削除して「辛奇」を新たに明示した。 ◇農心「中国消費者が理解しやすいように…法には背いていない」 キムチの中国語表記論争が起きるとメーカー側は中国消費者が理解しやすいように表記したという立場を出した。 農心関係者は「キムチラーメンの容器面に大きな英語で『Spicy Kimchi Flavor』(辛いキムチ味)と表記してあり、英語があまり分からない中華圏国家の消費者のために小さな文字で『辣白菜』を併記した」とし「辛奇という用語は中国現地ではあまり使われておらず理解しにくいため、東北工程論争のあった『泡菜』ではなく『辣白菜』を採用した」と説明した。 続いて「中国語を使う人々が理解しやすいように辣白菜という用語を併記した」としながら「法令には背いていないので現時点ではこれを『辛奇』に変更する計画はない」と明らかにした。
 この論争を見ていると韓国のキムチの言葉の扱いが大変という感じがする。正確な日本語の発音でキムチを韓国人に伝えることは出来ないし、日本語に英語をカタカナで表すことに似ているという。何か幼児言葉の様に感じるのだろうか。日本言葉で言うとまだ未発酵とということかもしれない。未発酵のキムチ程美味しくない漬物で辛味だけが口に残る。
 日本語の漬物の漢字表記も明治以後の変遷がある。変動があったのは漢字を覚える数が多すぎて、他の学習に妨げになるという議論が多く、漢字数制限で漬物にも影響があった。戦後に当用漢字表が出来て、その時に漬物の(漬)という字が学校教育の場で外された。これが今でもJAS法の農産物つけ物類という法律にひらがなが残っている。さらに送り仮名の問題で漬物は漬け物となりス-パ-での売り場表記が漬物となっている。この混乱は表記にこだわらない漬物業界を表している。
 常用漢字という制度が出来て、漬物が今の表記になった歴史がある。
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久しぶりにキムチの話題

2024年01月25日 | キムチ
2024年1月22日、韓国・ソウル新聞は「韓国のキムチ輸出量が過去最高を記録した」と伝えた。
記事によると、韓国の23年のキムチ輸出量は4万4041トンだった。18年には2万8197トンにすぎなかったが、19年は2万9628トン、20年は3万9748トン、21年は4万2566トンに増加。22年は4万1118トンでやや減少したが、23年は前年比7.1%増加した。輸出額は1億5561万ドル(約230億円)で、22年の1億4081万ドルより10.5%増えたという。
 日本の青果等の中央卸売市場は品質に関係なく、産地と量と価格が新聞に載るのが基本で、規格外品を扱う意欲が欠ける。
 韓国の新聞のキムチ報道は特色があって、反日の人は輸出先のキムチの半分が日本だということが明示しない。逆にキムチの輸入先がどこかということで中国ということを明示する。さらに気が付くのは日本も韓国も自国産食品の記事に優先度があって、韓国についてはキムチ、日本については酒のような気がする。
 2022年の日本の財務省貿易統計に基づく2022年の農林水産物・食品輸出額(確報値)は、前年比14.3%増の1兆4,148億円(少額貨物輸出額767億円を含む)となった。これは円安効果もあって、量を知らないといけない。さらに清酒等も海外製造があって減ることもある。
輸出額上位3品目は、1位がアルコール飲料(1,392億円、前年比21.4%増)、2位はホタテ貝(生鮮・冷凍・冷蔵など)(911億円、42.4%増)、3位は牛肉(くず肉を含む)(520億円、4.0%減)となった。
今から40年ほど前は日本食貿易はタクワン貿易と言って、タクワン漬が故郷を偲ぶ食品の代表だった。今は多分貿易統計の数値は少ない。
 別の記事でマックとモスの値上げの話で炎上するのはマックでモスはほとんどない。両方とも値上げすると売り上げが落ちるのだがマックの方が嫌われている。フードライタ―は炎上する方を探っているようだ。従って有名にならないと炎上しない。
日本のキムチに関するライタ―は日本産のキムチに関して邪道と思っていて、関心が無いようだ。しかし日本の漬物業界新聞の分析では、漬物の6割が浅漬類で、その半分がキムチのようだ。さらに輸入キムチは日本国産キムチよりはるかに少ない。一時は6000億円ほどあった漬物が今では半分となった。従ってキムチは750億円はある計算となる。韓国産キムチの230億は3割となる。
 2000年代の中国と韓国のキムチ騒動で多くの日本の同業者は被害を受けた。今は日本の業者が新商品名を付けるときは、韓国風の名前を外す傾向がある。本来ならキムチラッキョウが今は辛味ラッキョウとなっている。
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10年以上訪問していない在日韓人歴史資料館へ

2023年12月20日 | キムチ
このブログを始めたのはあまりにも日本のマスコミが漬物の事を知らないということから始めた。その後に築地市場移転問題もあって、すでに6000回を超える更新もある。ただ今記憶の整理をしていて、不適切なところの訂正を始めた。
 2005年秋に韓国と中国はキムチの寄生虫問題で論争があった。結局問題を大きくした韓国政治家は今となっては中国にキムチの関して負けた形となる。一時的に中国から韓国へのキムチ貿易が減ったが儲ける金額の多い日本向けの韓国産キムチが大幅に減った。日本のキムチ市場は2005年のキムチ騒動以前は売れ筋の価格が500円を超していたが今では300円以下が普通となってしまった。
 日本でのキムチのこう高価格の売れ行きが落ち、賞味期限のが切迫し、投げ売りとなり、適切な売り方(10度以下)をしていないところまで販路を広げた。そこで安さだけで購入した青果店・消費者は味の悪いキムチでさらに消費が落ちた。悪いことに日本向けのキムチは冷蔵コンテナで運んでいて、一月ほど前からコンテナの予約があるため、そのために仕込みもあって急に売れ行きが悪いと言っても、中々日本向かが止まらなかった。この時は韓国の業者も日本の業者も大打撃となった。日本のキムチ製造者は韓国産・中國産のイメ―ジを無くすため、和風とか国産野菜使用とかのシ-ルを貼って対応した。さらにパッケ-ジデザインも日本風を感じるデザインとなった。当時のキムチの韓国の貿易収支は日本向けで中国の低価格キムチを補っていた。韓国政治家の暴走が自国の高利益を生む輸出キムチの金額を落とした。
 キムチの日本での普及の歴史を再び調べ始めるのだが基本的な資料を基礎調査をした。在日韓人歴史資料館と少し話したのだが、初めて訪問した時話した館長が亡くなっていた。展示物は少し内容が変わっていたがやはり10年以上の年月で言い分が少し変わってきたと思う。ただ(恨)の国では消せない気持ちが出ている。
 目的の図書室には食関係の本が増えていないと思い、資料館の人に聞くと増えてるという。記憶違いか?それでも重要性が無いのか、踏み台をお使わないと取り出せない位置にあった。
 食は観光に行っても、少なくとも3度は付き合う。何か韓国農民を虐げていると妄想する。韓国では食堂でキムチは無料で食することが出来る。不景気の時だも無料で、この無料のため農家を痛めつけ、購入者の食堂が安い中国産を輸入する。デフレ時は無料が食の世界を破壊する。

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韓国のタンムジはタクワン漬か? 続き 日本のキムチ規格のとんでもない名称

2022年02月19日 | キムチ
もう40年ほど前に、日本の漬物業者が韓国から原料提供の見返りに、加熱殺菌する漬物技術を伝えた。韓国は伝統的に家庭の女性がつくる保守的な発酵漬物を重視していて、発酵していない漬物は好まれていなかった。しかし量販店から漬物を購入すると管理のしやすい加熱し発酵しない、キムチ風漬物を買うようになった。韓国人が海外旅行に行くようになると、特に安価なグアム旅行で現地の食品店で加熱キムチ(日本産)で驚き、海外輸出に目覚めた。日本の漬物業者はアメリカ重視でいた気がする。
(加熱殺菌した漬物は安価なドライコンテナ輸送が出来る。初期は冷蔵コンテナが不足し、高額な輸送費がかかった。)

 これからハングり―精神の韓国人労働者の行き先で、日本のタクワンと称して自国の漬物を拡大していったと思われる。韓国の貿易でキムチの貿易収支を重視していることは知られている。この点で日本人嫌韓国ライタ-は日本のキムチの事情を知らないので、正確な知識での反論はない。日本のキムチの規格が農林水産省で作られていて、これをある日本の博物館の学芸員(女性)に話したがすぐには何の規格と理解できなかった。ある韓国の女性タレントが日本で(キムチ)と発言し、故国で売国奴と言われた。日本語ではキムチというがどうやら韓国語では(キンチ)と言わないといけないようだが日本語ではこの発音がない。それゆえ日本人は英語の発音で苦労している。

 農林水産省のキムチのとんでもない名称の規格(誰も知らない使われない規格)

農産物赤とうがらし類
農産物漬物のうち、赤とうがらし粉、赤とうがらし粉ににんにく、しょうがを 調味したものを,仕上げかすに漬けたもの。 赤とうがらし漬け類 が、にんにく以外のねぎ類若しくはだいこんを細刻、小切り若しくは破砕し  たものを加えたもの(以下「赤とうがらし粉等」という。)又はこれらに わさび漬  にんにく、しょうが、にんにく以外のねぎ類、だいこん以外の野菜、果実、 農産物かす漬け類のうち,わさびの根茎,葉柄等を細刻したものを酒かす 等々の文が続く。だんだん何の定義か判らく無くなる。
 韓国には地域のキムチ文化があって日本人が定義するという難解なことをしたため、誰も理解できないJAS規格となりさらにキムチという言葉も韓国からクレ-ムがあって規格名から消えた。
 今のところJAS規格を商品に表示している和風キムチは無いように感じる。
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コメントの方が非公開ということで

2022年01月28日 | キムチ
コメントの方が非公開ということで。足りない情報をすこし
『キムチが人気が出たのは発酵食品に日本人が飢えていたからだと思います。』
この辺が最近の若い方の常識かもしれませんが、昭和の30年代まで日本の女性は家に縛られ、家事をこなし夫に使えるのが普通でした。都会では家を守り家事が女性の仕事でした。それで漬物の文献を探すとほとんどないのです。自家で漬物を作り、漬物自慢をしていて、おふくろの味とよく言われていました。自家製の漬物は発酵食品で小腸まで乳酸菌が届くのです。
 このあたりの昭和20年代から30年代にかけて生活のままの建物があります。大田区久が原にある『昭和のくらし博物館』に展示されています。洗濯板とか氷を入れて冷やす冷蔵庫等で今は骨董寸前です。火鉢や炭団もその一つです。着物も家で作っていたようです。今の私立女子高は当時は良き家庭人の養成でした。
 敗戦から10年ほど経つと洗濯機。炊飯器が出回るに従い、家事の負担が消えて、都会の女性が小遣い稼ぎの仕事に出て金銭で漬物を購入するようになります。地方では世間の目があってなかなか漬物を金を出して買うことは少ないと感じていました。
 戦前の漬物需要は工場とか学生寮、軍隊とかの漬物を自給自足しないところが漬物業者の得意先でした。
 スーパ-から漬物を消費者が購入し始めると乳酸発酵の漬物管理が難しくなり、さらに都会のの女性は狭い家で漬物を作っていないで、管理が難しかったようです。そこで戦後の漬物業者は加熱殺菌(80度15分くらいお湯につける)して、乳酸菌を減らして包装し出荷します。古漬の漬物は今の技術だと半年は賞味を保てます。
 日本のキムチは韓国のキムチと違う製造法で、なんでもイチャモンをいう韓国のキムチ信者は日本の作り方を知らないようです。大手の和風キムチの作り方は野菜を洗浄し、雑菌をゼロ近くまでにし、特別な乳酸菌を添付し、調味液を混ぜ出荷します。多くの日本の浅漬キムチの賞味期限は韓国製の乳酸発酵のキムチより賞味期限(2週間程度)が短いのです。韓国のキムチは乳酸発酵させ、屋外の甕に漬け込み秋から半年ほど食します、その後キムチ専用の冷蔵庫に入れ食べているようです、今は韓国でもキムチ離れになって韓国漬物業者が安い中国製のキムチを飲食店に供給しているようです、無料で食べ放題で提供するキムチは原価が安い方が良いのです。
 最近の日本の漬物の総売り上げは3500億円ほどで、そのなかの6割が浅漬けというジャンルの中でキムチは半分位占めています。つまり約1000億円ほどが日本の定義のキムチとなります。これは農林水産省でも統計の誤差があると見ているようです。在日の人が造り、焼き肉店で出されるキムチは統計の漏れているかもしれません。今は食品表示の厳格化で個人の漬物製造が消えつつあります。10年に一度ほど漬物の表示規定の大改訂があって衛生設備を償却できない内に設備が傷むようです。塩分があるので機械も特製となります。  

 日本人が韓国に旅行し、帰国の空港で本場のキムチを購入し、手荷物とし機内に持ち込み、ラゲ-ジ内で発酵による爆発が時々あります、温度管理されていない空港待合室で長時間滞在し発酵が進み、機内で爆発するのです。機内にはキムチの臭いが充満します。日本人の韓国のキムチが発酵してできているという知識が消えているのです。でも最近は韓国でも日本流のキムチがあると聞いてます。野菜にキムチのタレをかけるインスタントキムチです。
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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 7 キムチ貿易

2021年01月29日 | キムチ
異なる食文化へ他の食文化を入れるには、自国の食文化を変化しないように維持し、その間に現地食文化の情報を仕入れ、販売戦略を立てねばならない。戦前日本からアメリカへ多数の労働者が出稼ぎで現地で鉄道建設とか農産物栽培に参加した。次第に出稼ぎから現地在住化したが差別も激しく、そこそこの地位が得られたが先の戦争で本国と戦って元に戻った。それから日本経済が回復しアメリカ駐在員に日本食品は故郷をしのぶ食品として神戸から輸出されていた。阪神大震災で神戸は打撃受け、東京の方に少し日本食品輸出貿易が移った。昔は日本食品貿易は臭いの強烈さから揶揄して業界用語でタクワン貿易と言っていた。
 韓国はキムチにこだわり、キムチの本家と自称しているが輸出のトン数では中国からの韓国向けが多い。そして韓国から金額では日本向けが多く、今は諸外国に輸出が増えているが、詳しく分析していないが戦前の日本人向けのタクワン貿易(日本食輸出)と同じように、異国の食文化に慣れない韓国人労働者向けのキムチ輸出と考えた方が良いのではないのだろうか。従って日本がタクワン貿易なら韓国はキムチ貿易である。どちらも臭い仲間である。
 さて日本での韓国製ビン入りキムチを努力して成功し、成功したが故に災害で倒産した日本人経営者のHさんの話を書こう。
 88年ソウルオリンピック前、韓国製発酵キムチが日本で一般のス-パ-に並び、韓国国内よりの高価格で韓国製ビン入りキムチが売れているのを見た在日の韓国人が様々なブランドを韓国から日本に輸出した。韓国でその当時、キムチを入れるガラスビン製造者は確か1社しかなく、類似の韓国キムチはレッテルしか差が無かった。そこである程度日本への輸出急増を抑えたのが夏場の冷蔵コンテナを扱う船の手配が難しかった。それも秋冬に行くに従い解消される。韓国キムチ輸入者の日本人経営者Hさんは需要地に近い港へ韓国製キムチを輸送するのでなく、韓国の日本に近い釜山港からフェリ-で九州に上陸させ、陸路を関東に向かった。船便は何か所の日本の港を立ち寄るので時間がかかるし、何と言っても関釜フェ-リ-は便数が多く、冷蔵コンテナの船積予約も取りやすかったと思われる。冬場は冷蔵輸送しなくても良かった。そこに日本だけの落とし穴があった。1995年1月17日早朝神戸を中心とした大震災があった。道路網が兵庫県で中断した。当然日本輸出入の最大の港の神戸港も被災した。
 多くのキムチを積んだ車が西日本で立ち往生し、廃棄せざを得なかった。被害の無かった在日の関東に住んでいた韓国人キムチ輸入業者は横浜とか新潟の港の船便を手配し、立ち往生し、欠品しているHさんの代替として韓国製キムチの売り場をやすやすと占拠した。片方は賞味期限の問題で廃棄や超低価格で処分して大損害を受けた。営業努力もなく新規に売り場を確保した業者の差は大きかった。震災後に日本人Hさんの経営のキムチ輸入業者は資金繰りが苦しくなり倒産した。彼がいなければ今日の日本のス-パ-で韓国キムチはこれほど早く日本に普及しなかったと思われる。日本のキムチの発展史を在日の人から研究している人も80年代の急速な韓国産キムチの増え方が解らないと本に書いてあった。在日の韓国人とキムチの売れる前は深い付き合いが無かったのでこの歴史はだれも知らない。また関西は在日韓国人が多いので需要があり、日本人に媚びてキムチを売る必要性が無かった(味付けのエビなどの海産物を外す行為)。東日本の在日韓国人は少なかったし、Hさんのキムチが急拡大するのを見て、追従したと思われる。その後関東の数字を研究し関西に変化をもたらしたので、関西の韓国系のひとが急拡大の理由が不明だったと思われる。キムチにこだわりのない日本人が関東で韓国産発酵キムチの販売指導した。
 同様の事例もあって、アメリカの寿司ブ-ムは日本人の力だけでは中々販路拡大が進まなかったがハリウッドのスタ-が寿司に関心をもってヘルシ-さを強調したので今日の海外での寿司ブ-ムとなった。このスタ-はロバ-ト・デ二-ロで一番高級なすし屋NOBU/ニュ-ヨ-クの共同経営者だった記憶がある。寿司ブ-ムはハリウッドから始まり、世界に広がる。これは日本人が努力しても無理な話だった。日本政府が旗振りして日本食を広めようとしているが過去の経験から現地のスタ-が美味しいと認め健康性を強調しないと普及しない。世界で生の魚を普通に食べていたのが日本人だった。食の世界は何処でも超保守的なのだ。今度のコロナ感染はキムチでは防げないようだ。
8へ続く
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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 6 日本でのJAS規格論争

2021年01月28日 | キムチ
今回のキムチの中国・韓国の本家論争は中国の国連の国際規格で包采が認められ、韓国がクレ-ムをつけ本家元祖論争がはじまった。日本でも同様の論争があって、農林水産省が農産物のJAS規格として日本国内用のキムチ規格を制定しようとしたところ、本家本元だと韓国から日本の規格や名称のクレ-ムがあった。簡単にいうと、韓国キムチ輸出に占める日本市場が大きく、そこに日本政府が関与し、キムチ規格を勝手に制定されるという事が戦前に併合された記憶を復活させた。そこで今のJAS規格は農産物赤とうがらし漬け類 と名称となっている。日本政府の弱腰と日本におけるキムチ市場の発展史を知らない日本の役人と日本漬物業者の戦後の漬物の歴史無知で決まってしまった。中国のように主張しても良かった気がする。
 国連でもキムチの国際規格が韓国主導で制定されたが、韓国のキムチ輸出は貿易統計上では金額から日本向けが圧倒的に多い。アメリカ向けが昔は多かったがアメリカに住む韓国系の人たちの現地生産が増え、輸送費・時間もかかるので多分これから減る一方と思われる。しかし日本市場は韓国と近いし、特に関釜フエリーで前日夕方韓国プサン港を出ると、翌日早朝に日本に着くので賞味期限の問題が消える。日本での冷蔵庫の入出庫料を節約できる。韓国の工場に出来るだけキムチを保管することが出来る。今度の中韓のキムチ論争は圧倒的に中国から韓国に入る中国産キムチの量の多さから来ている。これは韓国食堂で無料で食べ放題のキムチから来ている。タダの食品は店によって自家製を強調できなければ中国産キムチの表示がないので誰も気が付かない。従って韓国内のス-パ-などは表示されているので、韓国産と区別できるが 食堂では表示が無い様だ。一時韓国に店舗があった日本の牛丼の吉野家は日本では紅ショウガが食べ放題となっているが韓国の吉野家はキムチ食べ放題だったという。一人で食べる習慣のない韓国食堂は吉野家を受け入れることは無く、早々に韓国から撤退した。
 韓国と違って、日本は自然災害の多い国で台風上陸は年に何回かある。そこで物流の一時的断絶がある。
 1995年平成7年1月17日午前5時46分関西で大地震があった。関西淡路大震災の被害の多くは兵庫県だった。西日本と関東の物流が兵庫県で長期間分断された。日本は自然災害が多く、特に小さな地震は毎日日本のどこかである。個別のブランド力がなく、韓国産と言うだけでは競争の激しい、日本の漬物業界では欠品すると他の韓国産キムチに売り場を占拠され、挽回には苦戦する。要は再度低価格で納品しなければならなくなる。その結果デフレの日本だったので、初期は日本人経営の食料品店販売価格が1ビン600円程度だったのが今はプラ容器入りが300円になり、特売では200円が普通となってしまった。多くの韓国系キムチの新規参入者と既存のキムチ業者が共倒れとなった。今日本で販売力のあるキムチ業者はこの混乱を見ていた業者でじっくり研究して、日本のキムチ市場を占拠した。
 韓国のキムチの本家意識がすごく、日本市場で韓国内キムチ生産者の活況を見過ごすことが出来ず、見境もなく日本市場に参入し、自国の良さを強調するがお金を出して購入するのが日本人で品質・価格・鮮度のことで韓国品質をこだわりすぎ失敗する。日本と韓国では漬物に関して、こだわりの差があることを知らない。今の日本は漬物に関して価格しか気にしないバイヤ-が主流となっている。おいしく管理されたキムチ等の発酵食品はそれなりの高価格となる。当然店舗での発酵したキムチの品質維持も経費がかかるので販売か価格が高い。十分なキムチの家庭内品質維持の歴史が無い日本で韓国と同様な管理はあり得ない。韓国にはキムチ専用の冷蔵庫があって、秋に漬け込み発酵したキムチを温度管理し、長期保管できる。狭い日本では無理な話である。江戸時代の下町で練馬から発酵したタクワン漬を定期的に届けるサ-ビスがあった。火事が多く、火災時にタクワン樽を動かせなかったのでいるだけ購入していたようだ。今はこだわりより価格がバイヤ-目線となっている。オンラインでは試食も出来ない。画像と口先説明となる。



7へ続く
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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 5 96年オリンピック選手村食堂

2021年01月27日 | キムチ
1988年にソウルオリンピックで韓国製キムチが日本で大幅に売り先が増え、韓国から販売先が無くても日本いる韓国系の人を頼って、韓国の本場の味だと日本に韓国キムチが入ってきた。(海産物)虫入りやガラスビン割れのクレ-ムが多発し、日本人食料品店から一時的に嫌われ、売れ行きが落ち、そこで乱売となり多くの韓国キムチ業者が消えた。それから日本のキムチの復活となるのだが、日本キムチに負け、数字が落ち目となったことが気に入らない韓国マスコミなどが本家論争を挑んできた。特にソウルオリンピックの後の開催となった1996年開催のアトランタで選手食堂に日本風のキムチが導入されることを聞きつけ、あらゆる難癖クレ-ムでひっくり返し、さらに醗酵していないのはキムチで無いと商品名の非難を言い始めた。アメリカの日本食品貿易商社(業界用語でタクワン貿易)は日本のキムチが過熱殺菌し、日本キムチの戦後史を知らなかったためオリンピック選手食堂の扱い量が少ないと予想し、論争することをやめたと思われる。少量の輸出は冷蔵コンテナで輸送できず、ドライコンテナではコンテナ内の温度が80度にもなることがあった。96年のアメリカでは既に韓国人がニュ-ヨ-ク-やアメリカ西海岸の都市に青果店を増やしていた時だった。その当時は日本食用の大根等の野菜の確保がアメリカでは入手困難だった。ところが韓国人経営の青果店が増えると、日本の特有野菜もアメリカで栽培され、韓国系青果店で手に安価で鮮度も良く手に入るようになっていた。当然キムチも簡単に移民した韓国人が本場の味で製造していた。昔のアメリカの青果店はイタリア系が多く、日本料理店が大根を探しても無かったという。今では日本とほぼ同じ青果物がアメリカ西海岸の韓国系青果店で手に入るという。それはこだわりのない韓国系すし屋が多数あるという事もある。要は需要を創出しても馴染みのない食品は急速に広まらない。
  2010年12月韓国の女性アイドルグループ、KARAのメンバーが日本のテレビ局のバラエティ番組に出演した際に、キムチを日本語風に発音したとして、韓国でもめた。日本人がキムチという発音は韓国のキムチの発音と違って、日本人はキンチと聞こえる。まあ漢字で書けば気無値と書くのだろうか。こんな漢字を日本人が書くと悶絶するかもしれない。包采は中国の漬物で韓国はハングル表示김치で漢字では沈采、ついでに日本語では昔は朝鮮漬今はキムチ 。最近では韓国のクレ-ムと安物イメ-ジからピリ辛と言う名前にキュウリキムチが改名され、ピリ辛キュウリと言う名前になってきた。さらにピリ辛味はタイ風とかの味付けの含みもあるだろう。辛い味はこれから韓国離れとなって、南アジアの名前になる気がする。中南米も激辛味がある。酒のつまみに適当かもしれない。この日本の商品命名における韓国離れは多分韓国人は気が付かないだろう。地球温暖化でタイ・マレ-シア等の香辛料の強い味が漬物でも普及するかもしれない。あまり本家本元意識が韓国にあると日本はタイ、台湾、マレ-シア系のピリ辛味に変わって行って、加熱殺菌した日本キムチが消える事もある。カレ-ライスは南西アジアからイギリスへ味が伝わり、明治の日本にやってきて、大正時代に偽ブランドのカレ-粉が安価に日本に出回り、そして日露戦争後に軍隊用備蓄した福神漬が安く払い下げられ、一般人もカレ-ライスを食べるようになり、お供に福神漬が付いた。
 激安のイメ-ジのついた日本過熱キムチはいずれタイか台湾風の名前の付いたピリ辛漬物ブランドになると予想する。イチャモンのイメ-ジのある韓国キムチは韓流タレントが頑張らないと無理かもしれない。しかし韓国若手女優の韓国内でのキムチ宣伝は上手く行っていない記憶がある。韓国ではオモニが漬けていて、井戸端会議の様に話しながら漬けている映像を見た。こだわり感じる国母をイメ-ジする韓国女優はいないのだろうか。

6へ続く
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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 4 日本でのガラス瓶入りキムチの普及

2021年01月26日 | キムチ
さてこれから1988年ソウルオリンピック前から始まったのキムチに関しての日韓のキムチ本家バトルを書きたい。
 関東での韓国キムチの瓶入りが売れ始めたのが、昭和の終わり頃だった。はっきりとした記憶が無いが1980年くらいだろうか。もう少し後からかもしれないがこの当時、ガラス瓶入り韓国キムチを日本・関東地方で大いに販売していた業者が3社あって、二つは韓国人系(株)三輝と永盛ジャパン で一つは日本人の韓国水産物貿易の余業として乳業会社の冷蔵庫を利用して冷蔵コンテナでキムチを日本に運び、細かく取り扱い業者を増やしていった(新宿・小島屋物産)。今では日韓関係の悪化や乱売等の荒波を乗り越え川崎市の三輝だけが生き残った。永盛ジャパン社はまだブランドは残っているようだが記憶では韓国での製造者が放漫経営で危機となり、一時欠品して他の韓国系業者に販路を取られたようだ。漬物の栄枯盛衰の歴史は記録を残さないと記憶から消える。
 ここでは韓国キムチの拡販努力した小島屋物産のHさんのことを書きたい。キムチのブランドは(キムチの金さん)であった。なぜ金さんというブランドの由来を聞いたことがある。韓国の名字は日本と違って圧倒に少ない。日本ではNHKで名前の由来だけでTV番組が出来る。ところが韓国では少ない。
金という名字が多く、親族間の結婚が制限されているので、同じ苗字の恋愛は系統を調べないと恋が出来ない。日本は3親等までで、いとこ同士の結婚は法的には許される。日本史で一番初めの流罪となったのが女性で同じ母の兄と妹の不倫だった。
 Hさんは魚等の販売から各貿易会社と付き合いがあり、マグロ漁船の隅に日本食品を積み込みでグアム島貿易の納品漬物業者と知り合い、関東の漬物業者へ広がった。韓国系のキムチ取り扱い業者は韓国人の焼肉関係に販売していて、関西では売れていても、朝鮮人差別感のある関東では一般の日本人経営の食品店には納品できなかった。主な理由は戦後の混乱期のイメ-ジが残っていて、食のクレ-ム対応が期待できなかったこともある。特に瓶詰は割れたガラスで口内を切ったというクレ-ムやエビなどの海産物(韓国では入れるのが常識)がキムチに入っていて、慣れない日本人が味付けの目的のエビを虫の混入(異物混入)と騒いだこともあった。今はプラスチック容器となり、さらに海産物は日本人向けキムチに入れないように指導し、足りない風味は調味料でカバ-しているようだ。初期のキムチ販売は夏から始まり、小島屋物産から冷蔵車で来て冷蔵庫に保管しても、漬物輸送のトラックが冷蔵車でなく、温度管理ができない問題があった。そこで築地市場の中で廃棄していた発砲スチロ-ル製のリンゴ箱を確保し、その中に12個入りのキムチを2箱いれ、冷凍した保冷剤・時にはドライアイスを入れ、得意先まで輸送し、得意先の冷蔵庫に入れた。(築地市場には発砲スチロ-ルの魚箱があるが臭いがあって再使用は無理だった)この間温度が10°Cを超すと発酵が進み、場合によっては密封したビンが破裂する恐れがあった。破裂対応で空気の洩れる余地を残した包装に変えた。従ってキムチを横倒しに運ぶと、汁漏れするものがあった。またキムチのクレ-ムでシンナ-のような臭いがあるというクレ-ムがあった。これは難儀した。押し蓋の無いガラスビン入りキムチは表面にカビのような感じのするものが出来ることがあって、製造時にアルコ-ル殺菌・今のコロナで手洗いするアルコ-ル噴霧をキムチの表面にかける。開封時にアルコ-ルが消えるが稀に過剰に噴霧した食用アルコ-ルが化学反応してシンナ-のような臭いがする。しかし開封して時間が経つとシンナ-のような臭いが消えるのでクレ-ムを言った人が嘘を言ったと疑われる。そこで新規に開封していないキムチの開封するとシンナ-のような臭いがして、クレ-ムを言った消費者の冤罪を解決した。韓国の発酵したキムチに慣れなく、加熱キムチしか知らない日本人に本場のキムチの常識をHさんが日本人食料品店に売り方と管理の仕方を教え、販路を拡大した。日本人経営の食料品店向けキムチ販売の初期の話で今はこの様な対応は昔話となり、業界の古い人しか知らない。販売実績が上がると、美味しさと輸送方法の工夫が伝わり、日本人の漬物業者が韓国のビン入りキムチを取り扱うようになった。同時に多くの日本人経営の食料品店に韓国製のキムチが並んだ。小島屋物産の営業努力が無ければ今日のキムチ売り場になるのは88年のソウルオリンピックの後になったかもしれない。この頃から販売デ-タ解析が始まっていたので、営業が口先でなく客観的に韓国製ビン入りキムチが数字で売れていることを示せていた。そこにも日本の特有の予期しないことが待っていた。
5に続く
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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 3 日本特有のタレキムチ

2021年01月25日 | キムチ
日本の過熱殺菌し、保存料の入っている朝鮮漬からキムチと名前の商品が加わり、次に朝鮮半島風のキムチの味に似せた赤トウガラシを入れたタレで漬けた浅漬けキムチなるものが日本の漬物市場に現れた。今でも残っているタレは桃屋のキムチの素である。この辺が節操のない日本漬物業は外部の良さを取り入れ、日本の風土に合ったように工夫し変化させるのが漬物市場の特色かもしれない。家庭と同じ味だと金銭を出して消費者は購入してくれない。
 韓国のように発酵したキムチは冬場はともかく夏場は冷蔵庫が無いと保存料を入れてあっても数日しか食味を維持できず、酸っぱくなってしまった。そこで浅漬けしたハクサイにキムチ味の調味液を混ぜるという事で製造を簡単にし、販売時間を長くすることが出来た。これが日本のインスタント・キムチ製造方法だった。今では韓国風の発酵キムチは冷蔵庫の中で温度管理し、さらに最先端の日本のキムチ工場はIC半導体工場の空気浄化設備を導入し、発酵キムチに味の良い乳酸菌のみ人工的に添付し、雑菌が消えた空気で満たされた冷蔵庫内の漬け込みタンクで漬けるようになった。当然ハクサイ等材料は裁断後に次塩素酸等で殺菌し、無菌状態にして漬け込みタンクに入る。最先端の酒作りの世界と似ている。多分韓国の大手キムチメ-カ-も同様の設備があると思われる。こんなところで微細な加工をする近代工場の空気清浄設備がキムチ工場に使われていることが個人のキムチ製造者と付き合っているライタ-の記事とは異なる。勿論排水設備も浄化し塩分を除いて排水している。今では大手の発酵したキムチ製造業者は半導体工場と同じ装置産業となってしまった。ある時日本の最先端のキムチ新築工場の所から、異常発酵したキムチが出て、商品回収問題があった。その原因を調べていたら、キムチ工場の建設業者の空気清浄機の手抜き工事が判明し、莫大な建築設計違約金が発生し、ほぼ無料で工場建設代金が回収できたという。でもス-パ-の売り場を一時的に失い、売り場挽回に営業マンは苦労したという。空気清浄のフィルタ-のサイズを安易に考えミスったようだ。今のコロナ感染の感覚だと不織布マスクとウレタンマスクのとの差と言ってよい。漬物(キムチ)の素人の建築屋は乳酸菌の小ささを知らず、手抜きしたようだ.
乳酸菌の大きさは2~4マイクロメートルぐらい 。つまり1000分の2ミリから1000分の4ミリでフィルタ-は建設業者は手抜き工事でキムチを腐敗する雑菌を阻止することが出来なかった。
 4へ続く

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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 2 過熱殺菌の日本キムチ

2021年01月24日 | キムチ
さて日本のキムチは韓国人と日本人のライタ-達は日本の最近の大手量販店で販売されている日本製キムチ製造事情を詳しく知らないだろう。
 戦争前に朝鮮が日本領土となる前から、留学生が韓国から明治日本へ入っていた。ただ人数が少ないのでキムチも日本人には広まらなかった。また今の日本でのキムチの主役野菜のハクサイはまだ日本で栽培することは出来なかった。ハクサイが明治に入って大陸との交流が始まり日本でもハクサイ栽培が始まったがアブラナ科のハクサイは交雑が激しく、自家栽培で種を採るとすぐに結球しないハクサイとなり、一時は日本での栽培を諦めたときもあった。何度かの挑戦で日本で栽培に適するハクサイの種取りが出来た。明治の終わり頃でこのハクサイ栽培で江戸の漬物用野菜の三河島菜が絶滅した。最近都立農産高校(葛飾区)で三河島菜の復活があり、地域の料理店に調理依頼した記事があった。江戸時代の伝統野菜の半分は生野菜で販売の他、加工できる野菜だった。土物は保管は簡単だが野菜は干したり、塩漬して保存し、使う時に塩抜きして使ったようだ。ついでに日本と韓国のハクサイの差だが日本は雨が多く降るのでハクサイには水分が多い。韓国のハクサイは水分が少ない上に、キムジャンの季節では少し干して水分を減らして個人は漬けているようだ。気温が大陸性気候に準じていて、韓国の秋冬は日本より寒いが雪は少ない。
 キムチは戦前に大陸に進出した日本軍人には知れていたがニンニクに強烈なにおいで当時の日本人の食卓にあがることは少なかった。今は忘れられているが戦前の日本女性は通常漬物を漬けることは当たり前の仕事だった。従って明治に入って軍隊・工場とか学生寮とかの所で漬物が金銭を使って購入していた。従ってニンニクの臭いの強いキムチは無理だった。江戸時代の藩邸でも野菜を作り漬物を漬けていたようだ。3千人もいたと言われる仙台藩江戸屋敷は今のJR大井町駅付近で仙台味噌を作っていたようだ。キムチのような発酵の漬物は慣れないと食してくれず捨てることになるので、家庭は保守的は食生活となる。
 戦争が終わって、大陸から引き揚げた人や軍隊生活を朝鮮半島で送り、キムチに馴染んだ人たちが日本に戻り都市で設備投資の少ない漬物業に入ってきた。また戦争で男性が少なくなり、さらに女性が戦時中に家を追い出され、軍需工場に入ったことから、家にいなくても良い時代になった。そこで都市の狭い家に漬物樽を多数並べることなく食料品店で漬物を購入するようになった。特に糠味噌漬は空気を循環させないといけないので専業主婦しか発酵の管理ができない。今では骨董品的な漬物となった。
 戦後の都市生活で食の世界が徐々に落ち着いてくると外食の世界に向かっていった。弁当をもって通勤していたが食料事情が良くなると外食が増えてきた。
 戦前戦後を通じてあった食料の販売統制が解除されると、外地から帰国した開拓団の人たちの野菜で作った漬物が都市に流入した。満蒙開拓団が帰国し、開拓した農地はコメつくりには適さない寒冷地域が多くさらに都会から離れていたので野菜出荷だと運送費がかかり、また鮮度が落ちるためしきりに行政が漬物製造へ向かうように指導した。軽井沢や八ヶ岳山麓・嬬恋等の冷涼気候を好む夏野菜(レタス・高原キャベツ)で有名なところも戦後の開拓民はサッカリン入りの浅漬け沢庵を販売していた。特に長野県は松本方面は名古屋・大阪市場に出荷し、上信地域は関東市場に出荷してきた。同様に東北は東京市場に出荷してきた記憶がある。
 多くの地域が都市に漬物を売り込むと乱売となり、過剰野菜が漬物原料となってしまった。そこで関東の漬物業者が食品規制をする官庁に働きかけ、戦後の混乱期の粗悪醤油に入っている保存料の安息香酸が戦後の漬物に入ってしまう問題から、漬物に保存料の使用許可が出た。勿論賞味期限の短い漬物は許可されないが醤油漬の表示があるものは許可された。今は漬物に安息香酸ナトリウム 添加することは禁止され(醤油由来の誤差の範囲内は黙認)、ソルビン酸Kが醤油漬の保存料として許可されている。漬物原料とさらに規制緩和だけでなく新規商品の開発を目指した。戦争前の味から大陸で知った、辛みのある漬物が食欲増進する。これが朝鮮漬の始まりで、ほぼ同時期に関西・関東で辛みのある味で醤油漬の表示で販売され始めた。これもまた乱売となり、ある業者が自社競合を避ける上級な辛みのある漬物を(キムチ)と命名した。これが新製品として小売店で朝鮮漬と両立して売れたので、一店舗にキムチと朝鮮漬が並ぶこともあった。保存料を入れてある日本のキムチは発酵食品で無いため、ポリ袋に入れ、加熱殺菌の方法するのですが、80℃30分間で行なわれます。この目的はたくあん漬では長期間発酵熟成されているわけで、乳酸菌や酵母菌が生きています。無殺菌では乳酸発酵が進みすぎて、風味が損なわれてしまいます。発酵の進行を止めるため加熱殺菌を行なっているのです。またこの殺菌条件は病原性大腸菌O157(75℃1分で死滅するといわれています)他有害な微生物にも十分効果のある殺菌条件です。タクワン以外でも80度のお湯の熱が材料に伝わる 80度C10分以上ほど浸け過熱殺菌する。(あまり長時間湯に漬けると野菜を煮たように歯切れが落ちる)中にある腐敗菌を殺菌した。この作り方は韓国の発酵キムチと完全に異なる製造方法だった。
 この加熱殺菌した日本のキムチ・朝鮮漬のことを知らない、韓国・日本のライ-タ-達の無知からキムチの混乱が始まる。誤報から始まった日韓の関係と似ている。
 また韓国でも常温流通できる過熱殺菌した日本キムチをマネしているものも出た。これまた混乱に拍車をかけた。食の世界は本家本元であってもいつかは廃れる。そして文献に載れば良いが正確なレシピが無いので再現は不能となる。仮に再現できても時代の変化で味の好みが変わっておいしいと感じないだろう。戦時中の何もない時のスイトンのおいしさを老人が言っていたがなんでも不自由なく食する時代ではおいしいと感じない。給食のクジラの龍田揚げはおいしかった記憶があったが、食の豊富な築地のクジラは昔ほどおいしいと感じなかった。
 30年以上前の日本人が作った常温流通できる日本キムチの主流は過熱殺菌したキムチ・朝鮮漬だった。要するの日本の漬物屋・食品問屋で冷蔵輸送で漬物を配送していなかった。この加熱殺菌した日本キムチが海外にドライコンテナで輸出され、表示ラベルがキムチと翻訳され、世界各地で韓国人のキムチ本家の意識をいらだたせた。本家本元の韓国キムチはドライコンテナでは船積の以前に発酵し、キムチの包装袋を膨張させコンテナ内で爆発し、にんにくの臭いでコンテナが再使用できなくなる。コンテナ洗浄費用が発生する。
 3へ続く

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中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 1

2021年01月21日 | キムチ
今中国と韓国でキムチの本家論争がはじまり、中国外務省の報道官まで言及し、波紋はひろがる。
 そもそもこのブログは15年ほど前の、中韓の寄生虫キムチ問題で韓国政治家・マスコミの漬物知識の無知さを知り、さらに同調する日本のマスコミが面白がって報道し、内容を知ると如何に日本の漬物知識がないかを知り、調べながらはじまった。ここでキムチの本家論争に参戦を見逃すと、また日本の漬物知識のない日本と韓国のライタ-によって、誤解が広まる。誤解も何回も書かれると引用もされ、真実となる。今は前回と違って、TVはコロナ一色でさらにアメリカ大統領の交代もあって、話題になる確率は少ないがコロナ報道に飽きて、気分転換のキムチ論争が面白可笑しく脚色されることもある。いつとばっちりが日本に来て、盛業しているキムチ業者が衰業になることもあり得る。
 前回の寄生虫キムチで韓国から輸入しているキムチ貿易会社が大打撃を日本で受けた。韓国と日本の間は冷蔵コンテナで輸送され冷蔵庫で保管する。賞味期限は45日から長いのは100日位あった気がする。当時は冷蔵コンテナの韓国から日本への船便の数が少なく、船会社との長期輸送予約を入れていた。一月以上前には入れて無いと臨時の冷蔵コンテナはかなりの割高と言っていた。売れ行きが順調なら通常は日本国内の冷蔵庫に2〜3日しか保管しないで回転するが寄生虫キムチで急に売れ行きが止まり、日本に行く韓国産キムチは中国産キムチで無いので影響が無いと通常の販売予定で次々と韓国から日本に来ていた。短い間隔で運行する通勤電車が不意な事故で止まると後続も止まるので大混乱となると同じである。冷蔵庫に滞貨したキムチは賞味期限が切れかかり、まともな値段で販売できない。しかし安く売らないと今度は冷蔵庫の保管料が膨大となる。そして廃棄となるとゴミ代と輸送料も加わる。安定していた価格で販売していた韓国キムチがキムチブランドが違っても激安で販売されると事情の知らない売り先から同じ値段で納入しろと来る。何社かのキムチ輸入業者が消えた。さらに日本の漬物業者も誤解され特売が消え、さらに国産原料使用のシ-ルを張って、対応した。和風キムチと表示していて、醤油味やダシで味付けている日本の製造住所のあるキムチは売れなくなった韓国キムチの売り場を取り戻したため売れ行きがさほど落ちなかったが韓国風のイメ-ジの名前が付けた日本産のキムチは在日の人が作ったと思われ、売れ行きが落ちた。そして韓国マスコミが自国のキムチの安全性を強調するため中国産キムチに寄生虫があると大騒ぎし、結局韓国産キムチの日本向けが減った。中国産は韓国産より激安で、タダで韓国食堂に提供されるキムチは中国産から韓国産に切り替わらなかった。食堂では原産地表示は無かった記憶がある。結局韓国マスコミ・政治家は自国のキムチを増やそうと中国産キムチの危険性を持ち出したが自滅した。自国でのキムチ販売の実情を知らなかった。
 韓国キムチは寄生虫キムチ論争以前はもっと在日の人と日本人の漬物屋の努力で日本のシエアは大きかった気がする。単価もガラス製の容器に入っていてキムチ1ビン600円くらいしていた。今は容量も大きいプラスチック容器のが当時より安く韓国産キムチが日本で販売されている。要は日本も韓国も漬物に関して、過去の知識で報道しているので自滅報道となる。
 中国のパォツ゚ァイは発酵食品でそれなりの歴史がある。ただ漬物の文献が少ない。中国の会社で一番歴史の古い会社が北京にある漬物屋(六秘居) で4000年以上歴史のある中国で漬物会社は一番古いという。日本でいうと室町時代の1538年創業 という。日本では千年以上続く会社もある。
 日本で一番古い漬物屋で現存する業者は定義にもよるが京都のなら漬屋であると思う。醤油や酒屋の片手間の漬物屋はあったと思うが本業でない。
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いまは昔・日本と韓国のキムチの誤解

2019年08月17日 | キムチ

今は日本と韓国のキムチは似ているが、朝鮮漬という名の日本の漬物があった。60年ほど前の漬物でこの存在を語れる人も少なくなった。この日本の辛い味付けの漬物は今の漬物の分類では醤油漬けとなる。漬物も戦後になって、自家製から店舗で購入される時代となって、新規の味の開発が盛んとなった。そこに添加物販売業者の乱立から.意外と早く日本の漬物業者へ味の普及が進みました。この味の普及は戦争中朝鮮半島に滞在し、戦後引き上げた人たちに馴染んでいた味でした。キュウリの朝鮮漬、沢庵キムチ等と素材を変え次々と製品が生まれました。

 いつの時代もそこそこ利益が出れば、漬物は新規参入しやすい仕事でした。そこで過当競争となり、余った素材を新規の味ということで朝鮮漬けが普及しました。それには醤油漬けという選択しかなかったのです。戦後まだ冷蔵庫は家庭に入っても店舗・輸送業者に低温流通が普及するには至りませんでした。従ってポリ袋に入れて加熱殺菌して流通普及させる必要がありました。さらに日持ちさせるため、防腐材が入ります。戦後醤油が不足している時代に粗悪な醤油を使用して漬物を造っていました。醤油の原料の大豆が食用として出回っていたり、大陸から大豆が入らなかったこともあると思います。粗悪な醤油には安息香酸(今は使用禁止)という保存料が入っていました。そこで漬物業者は厚生省に働きかけ漬物に保存料を入ることに承認を受けました。それが今は拡大解釈され多くの漬物に保存料が使用されるようになりました。しかし浅漬けと梅干に関しては保存料使用は今でも違反となります。このことが過熱殺菌しない韓国のキムチ信奉者を刺激しました。日本からアメリカ等の国へ日持ちする(キムチ)が輸出されていました。これはキムチでないと騒いだのが韓国の人たちでした。冷蔵保存する必要のない日本のキムチは本物信奉者を刺激したようです。同様の事例はアメリカで寿司に魚以外の素材を入れた寿司が日本人が邪道と言っていました。いつの時代も食品はこのような問題があって変化しています。

 

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今調べていること

2019年02月26日 | キムチ

最近の日韓関係の最悪化は日本の人たちは想定外かも知れないがキムチの売れ行きを通して見ている身としては想定の範囲内である。日本に住んでいる関係で日本国内の漬物業者の対応を調査しているが、日本のキムチ業者がかなり減り、量販店のPBキムチが増えて変化が少ないよだ。中国と韓国との関係悪化でキムチ騒動が出るまでキムチは現状のままだろう。

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