年末に漬物業界の情報誌の1紙が12月で廃業という。購読者の減少と広告の減少もあるが情報の価値のスピ-ドが時代に合わなくなったこともある。漬物原料の輸入の通関データ記載を特徴としていたが海外から日本の状況を安直に入手できる時代では情報誌の価値がなくなった。価格が優先となった今は商品の品質が問われなくなった。このような時期に業界紙は存在価値が何処にあるのだろうか。
年末に漬物業界の情報誌の1紙が12月で廃業という。購読者の減少と広告の減少もあるが情報の価値のスピ-ドが時代に合わなくなったこともある。漬物原料の輸入の通関データ記載を特徴としていたが海外から日本の状況を安直に入手できる時代では情報誌の価値がなくなった。価格が優先となった今は商品の品質が問われなくなった。このような時期に業界紙は存在価値が何処にあるのだろうか。
時折訪れる人からTPPの問題を聞かれることもある。漬物の関税率がゼロになっても金額的には影響は少ない。それよりコスト上昇要因として為替の問題が大きい。海外工場の人件費、港までの諸経費、それに最近は漬物製造にかかる排水処理の環境コストが日本国内と同様に考慮する時代となった。それでも海外にまだ工場があって日本国内に回帰しないのは日本農業の漬物産業に対する支援がないためといってよい。江戸時代から戦前にかけて野菜は生食できないほど採れたとき漬物等の加工をして保存食として有効利用していた。戦後農政はアメリカ農業から漬物を無視または軽視する政策となった。野菜生産は生食用が優先され伝統野菜が消え去った。売りやすい、作り易い作物が優先となった。
今消えた伝統野菜復活させようとしているが消費量とバランスが崩れたとき漬物のような加工保存する手段がない限り拡大は危険となる。
昨年末の新聞報道で豊洲移転が1年延びたと思ったら、不調に終わった豊洲市場の建設工事の入札が再度行われると公告があるという。場内も場外も混んでいるが伝票の多さも例年通りとなっている。トラブル対処も想定の範囲内で天候だけがままならぬ。あと2回の年末騒動だが最後の時は日本全国から人がやってきてどうしようもないと予測できる。来年だって豊洲工事が始まっていて何処からとなく人が集まっていて仕事にならないとも考えられる。そう考えると今年が最後の落ち着いた築地と感じる。
最後の正月は廃業する人、豊洲へ準備する人達の分別が終わっているだろう。来年はその判断の年となって、気持ちが平静なのは今年しかない。
かつお節と日本人 宮内泰介著 藤林泰著
新聞の書評を読んで借り出す。日本食の『ダシ』の一つがかつお節から取り出されている。この本にはかつお節産業の発達の過程と兵食の関係が書いてあった。明治初期に開催された食関連の博覧会、共進会等が技術の交流、標準化をもたらしたようだ。
この本を読んで悲しかった。戦前のかつお節産業の発達と日本の南洋進出の関係が戦争に巻き込まれ衰退していった歴史が書かれていた。和食の発達はそれぞれの食品に戦争にまつわる歴史があったことを知る。ベッタラ市、福神漬、キムチ等にも不幸な歴史があった。
世間では年末ということで挨拶に回っているが築地ではとても応対している余裕はない。大量の荷物が時間通り来ないので手間が余分にかかる。さらに天候が雨と言う予報で急いで空間を空けねばならない。急ぐと事故が増える。
青果部のどこかに豊洲移転のカウントダウン掲示があるそうだが話題にもなっていない。年末業務の忙しさは全て雑事を消し去る。夕方25日着の予定の品物が着いた。どうやら全国的に人がたりないようだ・
東京都中央区には山や丘がないが隅田川や江戸の名残の堀に架かる橋が地盤沈下を免れ,上り下りがある。隅田川の佃大橋は高さがあって,自転車に乗って昇るのに苦労する。ところが前後に子供を二人乗せた女性がスイスイ昇っているのを見て電動自転車のパワ-に驚く。晴海と豊洲との間に架かる橋は高さがあって、自動車でも数Mの高さを感じる。
築地は埋立地でかって橋があったところが盛り上がっていて、橋が撤去されても小高くなっている。新聞報道によると新市場の一部の工事が1月末から始まるようだ。
年末の場外市場は通勤の電車内を買い物袋をぶら下げて通り抜けるのに似ている。ただ周囲の人も動くので人ににらまれる事も少ない。日比谷線築地駅より築地市場へ来るとき、暮れのもんぜき通りが混んでいるので反対側を歩くという。市場内放送で置き引きとかスリに用心という放送がある。しかしこれはスリを保護する放送でもある。今年築地市場で包丁を振り回した事件があった。気の荒い市場関係者から警察が犯人をかばっていた映像が残っていた。築地市場で犯罪行為を行うことは犯人の命の危険もある。
昨年末には新大橋通りのガソリンスタンドの所で死亡事故があった。この時期は混雑しているし、互いに急いでいるので事故が大きくなりやすい。
22日に波除神社から場内各所に門松がたった。クリスマス食材が終われば和食の年末となる。海幸橋にはミニュチュアの門松売りが現れ、初夢宝くじ売りが年末風景となる。蜜柑があふれ築地が狭く感じる。これが一転して31日になるとカラスの天下となる。正月には築地が広すぎて場内を60Kで走っても怖さはないが暮れは10Kでも怖いと感じる。あのはみ出た寿司屋行列は何時間待ちなるのだろうか。
築地市場内を配送している人達の表情が過労気味である。普段見慣れている顔も疲れで冗談言っても反応が遅い。
水産仲卸のお歳暮発送で疲れているという。築地市場内の仲卸なら信用もあるので受け取る方も安心と見える。通販は今度の豊洲でどの位発送が増えるのだろうか。アマゾンが豊洲へ参入したら日本の農水産業も変わるだろう。規格化されていないものを欲しがる消費者をアマゾンがどのように捌くのだろうか。
世間ではクリスマス前の3連休ですが年末の繁忙期の築地では22日が最後の休市となる。週間天気予報でもどうやら晴れそうで助かる。静かな場内と比較して場外が観光バスと駐車監視員の姿が目立つ。オセチのぼりが築地は日本食が中心ということを示している。
23日は開市で場内の静かな仕事風景と反対に場外市場の混雑が目立つだろう。とにかく23日の天気が晴れになることを祈る。築地は巨大な露天市場だ。
年末の休市日に台風で壊れた雨どいの補修が完成していた。長年の雨漏りも多少の雨では大丈夫のようだ。露天の荷置きは手間がかかる。築地の青果部が弱くなった原因の一つは物流の不便さであった。雨は荷物の量を抑える。
火事が多かった築地市場は警備員が頻繁に市場内を回っていて最近大火事にならない要因の一つである。指定された喫煙所以外で喫煙しているとすぐ注意されている。冬は火事が多かったが年末年始が特に危険な時期で何とか無事に終わりたい。
年末になると築地市場衛生検査所から「お触れ」が回ってくる。知らなくとも良い情報が入ってくる。関東では馴染みの少ない「フグ」関係が重点的に記載されていた。日本の食用に適するフグは22種類あるという。事細かなフグに関しての注意事項はそれだけ事故が多いことを示している。
「トング」という言葉があった。何か韓国語のような感じがしたので調べたら、食品等を掴むピンセットの大きいものらしい。確かに洗浄を十分しないと不衛生となる。
築地場内市場に年末になると一般消費者が仲卸店舗で購入することが目立つが表示の問題でクレ-ムを東京都に言う人があるという。毎日築地へ来ている人さえ安くて品質の良いものを選ぶのに苦労しているのに、一般消費者がたまに来て同じような扱いを受けるとは限らない。
どうやら五千万円で都知事が辞任しそうである。東京都からの年末の食品衛生の回覧で市場内に巣くっているネズミ駆除の薬を配布するという。幸い漬物好きのネズミはいないようで助かっているが、時たま猫がやってきて縄張りを示す行為をする。市場内には結構猫好きがいて東京都の餌やり禁止の看板があったときもあった。それにしても太目の猫で同情はない。ネズミをくわえていたところを見たこともある。都知事辞任の結果をもたらした五千万は結局毒まんじゅうだった。オリンピック招致があるので築地市場周辺の工事はドンドン進んでいる。次の知事が誰になろうと工事が進むだろう。
今日は雨から雪になる可能性があるとの報道で仕事を急ぐ。昼過ぎまで寒いけれど雪にはならない。2時過ぎ、雨が降ってきた。雪ということで車の対策だがどうやら築地に通う車はスタッドレスタイヤを用意している人が多いようだ。夜間の雪で築地に行けないと仕事ができない。
今週は築地市場が日本の大部分が1週間休むため大騒ぎする。今年は比較的明るい年末となりそうだ。
(常滑焼の窯元の中で日本では唯一梅干し用のツボを作っていた会社(久松-きゅうまつ)が倒産した。ホ-ムぺ-ジを見ると残念さが理解できる。丁寧な仕事をしていても、個性のない漬物甕と中国産の漬物甕とでは価格競争で勝つことは出来ない。
為替が円安となり、海外人件費が高騰する時代になるまで国産の漬物甕が消えることになる。いつかどこかの窯元が漬物用甕を復活させるのだろうか。日本の樽は海外で作っても採算はとれないのだろうか。それとも既に国産樽はホ-ムセンタ-から消えていたのだろうか。銭湯のケロリンという広告の入っている風呂桶製造会社が倒産という情報もあった。時代が静かに替わっている。気がついたとき銭湯がシャワ-だけにならないと良いのだが。