大正10年10月16日東京毎日新聞
浅漬は高い
べったら市と言えば江戸以来の年中行事になっている日本橋小伝馬町の市で来る19日例年の通り浅漬を売り始めるのである。翌20日に恵比寿講をする店がなくなったため前夜の市で供え物を買う人もなく、只浅漬を買いに行く市かと思う人も多い。本年は天候不順で大根の出来が良くなかったところから昨年より2割高であるとのこと。個々の浅漬屋で聞くと小30~40銭、大70~80銭見当だという。
大正10年10月19日都新聞
今日べったら市
19日は日本橋大伝馬町の恵比寿の宮。杉森神社でも福守と福財布を授与する。なお、べったら市の名物の浅漬大根は今年は出来が悪く昨年より1~2割高いという。
大正10年10月22日都新聞
人生相談
梅干が腐敗する
田舎からもらった梅干が腐敗したのを母が案じてます。何か不吉なことあるのでしょうか?
答え 梅干の作り方が悪かったためで梅干の腐敗は人生の吉凶に関係ありません。
第一次世界大戦後の不況でべったら市にも影響があった。日本橋の繊維問屋街にある商人で恵比寿講を行うことが少なくなっていたこともある。
大正10年の農作物は天候不良のため不作で、特に沢庵漬は他の日用商品が下落していく中で反比例して暴騰していった。不景気の中でこの年の漬物組合員数は636名となっている。
高騰した漬物の価格は翌年の漬物製造業者・大根生産農家の増加を招き乱売となる。採算の取れない業者は消えてゆき、肥料代も出ない大根価格となり農家は作付けを止め乱売が終息する。
浅漬は高い
べったら市と言えば江戸以来の年中行事になっている日本橋小伝馬町の市で来る19日例年の通り浅漬を売り始めるのである。翌20日に恵比寿講をする店がなくなったため前夜の市で供え物を買う人もなく、只浅漬を買いに行く市かと思う人も多い。本年は天候不順で大根の出来が良くなかったところから昨年より2割高であるとのこと。個々の浅漬屋で聞くと小30~40銭、大70~80銭見当だという。
大正10年10月19日都新聞
今日べったら市
19日は日本橋大伝馬町の恵比寿の宮。杉森神社でも福守と福財布を授与する。なお、べったら市の名物の浅漬大根は今年は出来が悪く昨年より1~2割高いという。
大正10年10月22日都新聞
人生相談
梅干が腐敗する
田舎からもらった梅干が腐敗したのを母が案じてます。何か不吉なことあるのでしょうか?
答え 梅干の作り方が悪かったためで梅干の腐敗は人生の吉凶に関係ありません。
第一次世界大戦後の不況でべったら市にも影響があった。日本橋の繊維問屋街にある商人で恵比寿講を行うことが少なくなっていたこともある。
大正10年の農作物は天候不良のため不作で、特に沢庵漬は他の日用商品が下落していく中で反比例して暴騰していった。不景気の中でこの年の漬物組合員数は636名となっている。
高騰した漬物の価格は翌年の漬物製造業者・大根生産農家の増加を招き乱売となる。採算の取れない業者は消えてゆき、肥料代も出ない大根価格となり農家は作付けを止め乱売が終息する。