陸軍被服廠(墨田区横網公園)で関東大震災時に4万人ほどの焼死者が出た。それを描いた絵もあるがイマイチ納得が出来なかった。それが皇居前広場に避難した人たちの写真を見て納得した。彼らは堀越しの先にあった帝国劇場、警視庁が燃えるのを見ているだけだった。多くの震災避難民は江戸時代の火事の時のように、家財道具を大八車に積んで避難したことが写真から見える。江戸・東京(明治からも)は木造家屋が多いから言い伝えで家財を積んで逃げたのだろう。陸軍被服廠では堀で囲まれてなく無く、川だけの防御しかなく火炎で大災害となってしまった。東京都復興記念館で展示で9月1日に台風が日本海にあって南風が吹いていたという。なんという不運。多くの非難民の選択によって生死が分かれた。皇居前と上野公園は生き残りが多い。神田佐久間町の一角だけがそのまま残った。なぜだろう。千代田区の図書館で聞いてみよう。
陸軍被服廠 跡を出て都営の地下鉄を地図で探すと、まだ一度も入ったことのない旧安田庭園に気が付いた。清澄庭園より小さいので、震災時には避難場所として役に立たなかったようだ。旧安田庭園は平日であったのでほとんど異国人観光客だった。刀剣博物館は高いので入らず蔵前橋を渡り、都営浅草線蔵前駅から家に戻る。
新聞を見ると三菱UFJ銀行が社有の土地を地域の住民に開放するという。何か今後の企業の方向性を感じる。今まで企業は投資先が見つからない時、資金を貯めたり。土地購入をしていたが、目先の利益を追うファンドの人たちによって意識を変えられそうだ。つまり不動産が不動で無くなり、浮動産へ向かう。それも流動性の高い大都市だけだろう。
土地神話がバブル崩壊で消え、今は官の力が衰え少子高齢で財政の大部分が福祉で消える。安定した仕事が高齢まで保てない。つまり年々ドラフトで新しい選手が野球の世界に入るが、ほぼ同数の人が退出する。それと同じように企業もなってきてさらにITの進歩で昔のソロバン時代の技術が役に立たない。
親が想定した人生プランが世界基準の考え方で破壊される。中国の大学卒業生が就職難という。日本も同様だろう。これからは就職しても向上心が無いと10年でリストラになるだろう。手持ちの社員を再教育していると間に合わない。昔はマネして追いついたが今は良い企業は売られる。そして手にした金で次の起業へ向かう。この速さへ農耕民族はついてゆけるのだろうか。
日本の基本思想は農本主義でこれを把握していないと、災害時に理性的でない行動が復活することを忘れる。竹久夢二の震災スケッチでそう思った。阪神淡路震災ではなぜ暴動が起きなかったかの検証本があったら読みたい。世間的には大正時代より進んだというがウクライナのように戦争が始まれば言論統制で憎悪を創生する。ある日隣人が敵となるや、殺し合いとなる。コソボもそうだった。民族対立は血縁を破壊する。
いつか突然に自分も殺人者になるかもしれない。正当防衛ということで。天変地異は恐ろしい。