9時過ぎには数名の登山客しかいなかった山頂は30分経過すると徐々に混み始めてきました。矢筈森方面からの登山客が多いようです。360度の眺望を十分に堪能したので、3密を避けるため早めに下山することにしました。
まずは沼ノ平火口を見るため、矢筈森へ向かいます。直径1.2km、深さ150mの火口はいつもながら大迫力。その先には磐梯山、飯豊山、西吾妻山が連なります。
1900年7月の噴火では沼ノ平火口内に長径300m、短径150mの火口が形成され熱灰や石が噴出しました。最近では1997年に沼ノ平火口付近で登山者4名が火山性ガスで亡くなる事故が発生しています。近くの鉄山には気象庁の監視カメラが設置され、地震活動や火山の状況をリアルタイムで観測しています。その画像は気象庁のHPで見ることができ、安達太良山に登るときには、火山活動と天気の両面からいつも参考にしています。
沼ノ平の先に見える秋元湖をズーム。写真ではわかりにくくいですが、秋元湖と奥には桧原湖も見えています。遠くの山は大日岳(飯豊連峰)です。
磐梯山と櫛ヶ峰をズーム。この日は終日磐梯山を見ることになりました。
矢筈森で折り返し、峰ノ辻へ向けて下ります。
峰ノ辻からくろがね小屋へ向けての下りです。このあたりの標高は1500m。すでに紅葉は終わっています。正面に蔵王連山を遠望します。
くろがね小屋が見える標高1450mあたりから眼下に一面の紅葉が広がっています。
標高1548mの篭山斜面も色づいています。但し赤く色づく木々は葉を落としてしまったようです。この辺りは1週間前には真っ赤に色づいていたものと思われます。
ナナカマドの実です。
標高1346mのくろがね小屋まで下ってきました。薬師岳とほぼ同じ高さです。紅葉のピークを迎えています。
紅葉の中を奥岳登山口へ向かい下ります。
東側の山の斜面は黄金色に染まっています。
見晴らしの良い場所で振り返ります。くろがね小屋周辺の山肌が紅葉に染まっています。標高1300m前後が一番の色づきです。
少し下ると周囲は緑が多い紅葉となります。わずかな標高差で色づきの度合いが変化します。
勢至平でちょっと寄り道。正面に安達太良山を望みます。このあたりの標高は1200mと推定されます。
鳥川橋にかけてはジープ道ではなく旧道をショートカット。鳥川橋の先で薬師岳からの登山道と合流してなだらかな下りが続きます。途中、アキノキリンソウが咲き残っていました。
午前11時過ぎに標高940mの奥岳登山口に到着。駐車場は満杯で、大勢の登山客がロープウエイで薬師岳へ向かっている様子です。
山頂での休憩30分を含み、往復4時間かからずに安達太良山を往復することができます。八方台駐車場から磐梯山往復とほぼ同じような距離でしょうか。さて時間はまだ11時。予想外に天気が長持ちしそうです。時間的には磐梯山へ登ることも可能ですが、きっと駐車場は満杯で登山道も大混雑が予想されます。少し考えた結果、磐梯吾妻スカイラインを北上し、浄土平から吾妻小富士に登ることにしました。15分ほど休憩し、浄土平へ向けて出発します(さらに続く)。