映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(通称エブエブ)」を観に行った。
【解説】カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を掛け合わせ、生活に追われるごく普通の中年女性が、マルチバースを行き来し、カンフーマスターとなって世界を救うことになる姿を描いた異色アクションエンタテインメント。奇想天外な設定で話題を呼んだ「スイス・アーミー・マン」の監督コンビのダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)が手がけた。経営するコインランドリーは破産寸前で、ボケているのに頑固な父親と、いつまでも反抗期が終わらない娘、優しいだけで頼りにならない夫に囲まれ、頭の痛い問題だらけのエヴリン。いっぱいっぱいの日々を送る彼女の前に、突如として「別の宇宙(ユニバース)から来た」という夫のウェイモンドが現れる。混乱するエヴリンに、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚きの使命を背負わせるウェイモンド。そんな“別の宇宙の夫”に言われるがまま、ワケも分からずマルチバース(並行世界)に飛び込んだ彼女は、カンフーマスターばりの身体能力を手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。エヴリン役は「シャン・チー テン・リングスの伝説」「グリーン・デスティニー」で知られるミシェル・ヨー。1980年代に子役として「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」「グーニーズ」などに出演して人気を博し、本作で20年ぶりにハリウッドの劇場公開映画に復帰を果たしたキー・ホイ・クァンが夫のウェイモンドを演じて話題に。悪役ディアドラ役は「ハロウィン」シリーズのジェイミー・リー・カーティスが務めた。第95回アカデミー賞では同年度最多の10部門11ノミネートを果たし、作品、監督、脚本、主演女優、助演男優、助演女優、編集の7部門を受賞した。
やたら評価が低く、これまでアカデミー作品賞にはあまり期待していなかったものの、ここ数年「グリーンブック(2021年)」「パラサイト半地下の家族(2020年)」「スポットライト 世紀のスクープ(2016年)」が面白かったことと、何よりも助演男優賞を受賞した映画「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」のミシェル・ヨー見たさで来館。冒頭のバタバタ感にとても期待感が高まるが、正直なところ私には理解出来ない並行世界が交錯するマルチバースが延々と繰り広げられ、さらに下ネタも加わる。映画は娯楽にも関わらず、スターウォーズのような大ヒット作品が受賞出来ない偏見があるアカデミーにおいてある意味でここまで裏切られるとは思わなかった受賞作で、主演のエヴリン・ワン・クワン役のミシェル・ヨーが片平なぎさや杏里に見えたり、足のピアノ演奏ではつい近藤正臣を思い出してしまうほど、本編から心が離れていた。
ちなみに国税庁の監察官を演じるジェイミー・リー・カーティスは映画「トゥルーライズ」の彼女である。
逆に受賞していなかったら諦めもついた作品だったのかも知れない。